歯のコラム column
歯が1本なくなると、どうなる?
2024.05.20
健康についてこんにちは。
仙台市若林区新寺のほんま歯科の歯科衛生士のWです。
今日は、歯を失った時のお話です。
タイトルの『歯が1本なくなると、どうなる?』ということですが、皆さんは想像したことがありますか?
歯がなくなってしまう理由は様々あります。
重度のむし歯、重度の歯周病、事故や怪我などで、歯が折れてしまい抜歯になったケースなど…。
とにかく困ることは間違い無いのですが、実際に歯を1本失うとどんなことが起こるでしょうか?
前歯がなくなるとどうなるか
前歯が無くなったことで起こることを予想してみましょう。
前歯が1本なくなれば、なにより、見た目(審美性)の問題が発生します。
マスクも徐々に外れてきているご時世ですので、人前で喋ったり、笑ったりするのに抵抗が出てくる方もいると思います。そして、機能の問題点として、発音が上手にできず喋りにくい、食事をする際に食べ物や飲み物が口の外側に漏れてしまい、食べにくいことなどがあります。
さらに、二次的な健康被害として、噛む刺激が少なくなることで、脳への刺激が少なくなること、うまく噛めないことによって、胃腸への負担も出やすくなります。
奥歯が一本なくなるとどうなるか
奥歯の例ですが、一本失った状況で起こりうることは、まずは噛みづらいでしょう。
今まで噛んでいたところで噛まなくなることによって、空振りしてしまう感覚ではないかと思います。
また、歯の並びのことを「歯列」といいますが、歯列に空隙ができることで困ったことが起きます。
ラグビーのスクラムに例えるとわかりやすいので、以下に書きます。
スクラムは、7人の選手同士で組みますが、その中で例えば1チームだけ真ん中の人がいなかったらどうでしょう?
同じくらいの実力のチームでしたら、スクラムが一方的に押されてしまったり、場合によってはスクラムをつぶされてしまうような状態になることでしょう。
歯のかみ合わせについて
歯のかみ合わせも基本的に同じようなことが起こりえます。
現象としては、
①かみ合わせの力の負担が残った歯にかかる
②それによって、残った歯が割れたり消耗したりする
③さらに抜ける歯が出てきてしまう。
という負の連鎖が続いてくることが想像されます。また、そのまま歯が抜けた状態を長く続けてしまうと歯の移動が起こってきます。歯が抜けた隙間に、歯が寄ってきたり、噛み合っていた歯が伸びて落ちてきたりします。
さらにかみ合わせの不調和が起きやすくなり、顎の痛みや動きの不良、歯の動揺、噛みにくさが出てくることがあります。
また歯みがきなどがしにくい部分ができやすくなるため、むし歯や歯周病を増悪させやすい状態が出てきます。
たまに、奥歯の歯が無くなってしまったとき、「奥で見えないからこのままじゃダメかな?」とおっしゃる患者さんがいます。
歯科医師の判断やその患者さんの噛み合わせによりますが、見た目は困らないかもしれませんが、次の歯がどんどん失われる可能性があることを伝えると、「そうなんだ」と納得していただけます。
前歯も奥歯もどちらも無くなると非常に困りますね。
歯を失わないようにするには、どう対策したらよいか?
予防、検診、メンテナンスで、リスクをコントロールすることです。
正しい口腔清掃(お家での歯ブラシと歯科医院でのクリーニング)と、食生活、生活習慣などのコントロールを日々の生活でしっかりと実践することです。
私たち歯科スタッフが専門家として、検診をして、問題点やリスクがあればそちらを共有して、ご一緒に解決方法や正しい知識や技術をお伝えしていきます。
また、ご自身でカバーできない弱点や、苦手な場所などがあれば、そちらをリスクに応じた定期的なメンテナンスで、よい状態を維持していけるようにサポートします。
また、かみ合わせ(食いしばりや歯ぎしりを含め)のコントロールも同時に必要になります。
姿勢や、かみしめ習慣の改善、場合によっては状態にあったマウスピースをお使いになることをお勧めいたします。
こちらは、本間院長の得意分野ですので、ご自身の噛み合わせが気になる場合は、本間院長にお任せください!!
間に合わずに歯を失ってしまった場合には、そのまま放置せず(特殊な場合を除く)、『失った歯を補い歯列を整える』ことが大切になります。
当院には、トリートメントコーディネーターも在籍しております。
歯が無くなったときの次のステップについて、患者さんの気持ちや状況を汲み取りながら一緒に治療がスムーズに進むようサポートいたします。
歯は一生涯お付き合いする貴重な財産です。まずは失わないように、残念ながら失ってしまった場合には、それを取り戻せるようにしていきましょう。
過去にも、歯が無くなった時のリスクなどについて掲載しております。
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さて、今回は、歯を失っ時のリスクについてお話しました。次回のブログもお楽しみに!