歯のコラム column

実はよくある先天性欠如について

仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院の歯科医師のNです。

本日は以下の事について書きたいと思います。

え、うちの子、歯が少ない?もしかして「先天性欠如」かも?

知っておきたい原因・影響・治療法

「あれ?うちの子、なかなかこの歯が生えてこないな…」 「もしかして、永久歯の本数が足りない?」

お子さんの歯のことで、そんな心配をされたことはありませんか?もしかしたら、それは「先天性欠如(せんてんせいけつじょ)」かもしれません。

先天性欠如とは、生まれつき歯の本数が通常よりも少ない状態のこと。実は、意外と多くの方に見られる症状です。今回は、先天性欠如の原因から、放置するとどうなるのか、そしてどのような治療法があるのかについて、解説していきます。

実はよくある先天性欠如について

意外と多い?先天性欠如とは

生まれたときから、本来生えてくるはずの歯が存在しないのが先天性欠如です。乳歯と永久歯のどちらにも見られます。特に多いのは、下顎の第二小臼歯(前から5番目の歯)と上顎の側切歯(前から2番目の歯)です。また親知らず(第三大臼歯)も先天性欠如が起こりやすく、左右上下の4本全てがないこともあります。

「うちの子だけ?」と不安に思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。

 

なぜ?先天性欠如の原因

先天性欠如の明確な原因は、まだはっきりと特定されていません。しかし、遺伝的な要因が強く関わっていると考えられています。また、妊娠中の母親の健康状態や服用した薬の影響なども、可能性として指摘されています。

実はよくある先天性欠如について

放置するとどうなる?知っておきたい影響

先天性欠如を放置してしまうと、お口の様々な場所に影響が出てくる可能性があります。

 

· 歯並びの乱れ: 空いたスペースに隣の歯が傾いてきたり、歯と歯の間に隙間ができたりすることがあります。

· 噛み合わせの悪化: 正常な噛み合わせができず、食べ物をうまく噛めない、顎の関節に負担がかかるなどの問題が生じることがあります。

· 審美的な問題: 特に前歯の欠如は、見た目にコンプレックスを感じてしまう原因になることも。

· 顎の骨の成長への影響: 歯がない部分の顎の骨は、刺激が少なく成長が不十分になることがあります。

 

どうすればいい?先天性欠如の治療法

先天性欠如の治療法は、欠如している歯の位置や本数、患者さんの年齢、そしてどのような状態を希望するかによって大きく異なります。主な治療法としては、以下のものがあります。

· 矯正治療: 空いたスペースを閉じたり、他の歯を適切な位置に移動させたりすることで、歯並びや噛み合わせを整えます。

· ブリッジ: 欠損部分の両隣の歯を支えにして、人工の歯(ダミーの歯)を固定します。

· インプラント: 顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法です。他の歯に負担をかけずに、自然な見た目と噛み心地を取り戻せます。

· 自家歯牙移植: ご自身の他の歯(主に親知らずなど)を、歯が欠損している部分に移植する方法です。

· 経過観察: 欠損している本数が少ない、特に問題がないといった場合には、定期的な観察のみで済むこともあります。

 

 

どの治療法が最適かは、患者さん一人ひとりの状態によります。

悩まずまずは相談を

「もしかして、うちの子は先天性欠如かも?」と少しでも感じたら、来院・相談してみてください。早期に相談することで、適切な時期に適切な治療を開始でき、将来的なお口のトラブルを防ぐことができます。

 

実はよくある先天性欠如について

月別アーカイブ