歯のコラム column
子どもの虫歯予防3
2024.03.03
むし歯みなさんこんにちは。歯科衛生士のAです。早いことでこのコラムも3回目の掲載となりました!^^前回の『正しい歯みがきの習慣』はご覧になっていただけましたか?一番できているようで一番難しい子供の歯みがき…前回のコラムを少しでも参考にしていただけたら幸いです!お子さんと一緒にむし歯のない健康的なお口の中を目指していきましょう!
前回のコラムはこちら!
さて、今回は『シーラントで虫歯を予防しよう!』となります。
歯医者さんでできるむし歯予防って、フッ素以外にあるの?と皆さんお考えだと思います。フッ素以外の予防方法…それがシーラントです!シーラントが適用できる歯は大まかに分けると「幼若永久歯」と「第一大臼歯」、「カリエスリスクのある奥歯」になります。シーラントに関しては後ほど説明していきますので、まずは幼若永久歯から、説明していきます^^
<幼若永久歯って?>
幼若永久歯とは、歯根(歯の根っこ)がまだ完成していない、未完成の永久歯の事です。この幼若永久歯と普通の永久歯(成熟永久歯と言います。) を比べると以下のような特徴があげられます。
① エナメル質が未完成(生えてきた後に成熟していない状態)。
② 歯の質が弱いため、外来からの刺激を受けやすい。
③ むし歯の進行が速い。
といった特徴があり、乳歯がむし歯になりやすいのはもちろんの事、この幼若永久歯にも注意して歯みがきをしなければいけません。歯科疾患実態調査によると10~14歳のう蝕罹患指数は減少の一途をたどってはいるものの、奥歯の「第一大臼歯」う蝕罹患率は上の歯で5.7%、下の歯で9.4%と永久歯う蝕で最も高いという結果になっています。
では、これらを踏まえて幼若永久歯や乳歯の奥歯がむし歯にならないために歯科医院でできる予防法…
それが、『フィッシャーシーラント』です!
名前だけ聞いたことある!という方や、実際に小さいころやっていたよという方も少なくないのではないでしょうか。当院の小児歯科治療方針では、ある程度成長したためフィッシャーシーラントを行えるようになったお子さんや、カリエスリスクの高いお子さんなどにおすすめしている予防方法になります。
まず、シーラントは歯の表面に塗布することで、虫歯の予防や歯の保護を目的とした治療法です。歯の表面には細かい溝や隙間があり、そこに食べ物のカスや細菌がたまりやすくなっています。これらの溝や隙間をシーラントで埋めることで食べ物や細菌の侵入を防ぎ、虫歯の発生を予防することができます!シーラントは主にプラスチック製の材料で、歯科医師や歯科衛生士が歯の表面に塗布していきます。
<シーラントの方法>
① 歯の表面をクリーニングし、乾燥させます。
② 特殊な接着剤を塗布(こうすることで取れにくくします。)
③ 特殊な光を照射することで硬化させます。
このようにして、歯の表面に薄いプラスチックの層が形成され、溝や隙間が埋まります。シーラントの施術は非常に簡単で、通常は麻酔を必要としません。また、痛みや違和感もほとんどないので施術時間も短く、数分から十数分程度で終わることがほとんどです。そのため、子供から大人まで幅広い年齢層に対して行われることがあります。
効果は長期間持続しますが、シーラントはあくまで予防的な治療法であり、完全にむし歯を防ぐことはできません。定期的なメンテナンスが必要になります。必要に応じて補修や再塗布を行う可能性もあります。また、日常の歯磨きや食事の管理も重要になるため、定期的な歯科検診や適切な歯みがきを続けることが重要です。
定期的な歯科検診や適切な歯磨きと併せて、シーラントを施すことで虫歯のリスクを大幅に減らすことができるので、特に子供の歯に対しては、歯の発育期間中にシーラントを施すことで将来の虫歯予防につながります。
ただし、シーラントはあくまで予防的な治療法であり、既に虫歯が進行している場合には効果がないため、普通のむし歯治療を行いますので、ご了承ください。
いかがでしたでしょうか?以上がフッ素以外のむし歯予防、シーラントに関しての説明になります。それではまた次回お会いしましょう!次回はむし歯予防のための子どもの食生活習慣についてのコラムになります!もしこのコラムをご覧になってなにか気になることなどがあれば、気軽に院長及びスタッフにお声がけくださいね^^