歯のコラム column
歯周病と全身疾患について
2022.04.28
未指定こんにちは!! 衛生士のKです。
今回は、歯周病と全身疾患についてお話しします。
以前、患者様から
『糖尿病の先生から口の中を検査するように言われたけど関係あるの?』と質問がありました。
歯周病は成人の約8割が、かかっていると言われている 感染症で歯を失う一番の原因でもあります。
近年の研究で様々な全身疾患や全身状態に悪影響を及ぼすことが明らかなってきてます。
歯周病は主に歯垢(細菌の塊)によって起こります。細菌が身体に侵入するのを抑えようと歯肉が炎症し腫れたり出血を起こします。
そのまま放っておくと細菌が歯周ポケットに侵入して歯槽骨などの歯周組織を破壊していきます。
その時出てきた毒素が歯肉の血管から全身に回り様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因になります。
歯周病がリスクを高めるもの
糖尿病
歯肉の炎症で作られる炎症性物質はインスリンの効きを悪くして糖尿病を悪化させます。糖尿病になると炎症を亢進する物質が放出され免疫力が低下します。歯周病に対する防御反応が弱くなり、歯周病を発症しやすく進行も早くなります。
歯周治療によって糖尿病の値が改善した報告はいくつもあります。
虚血性心疾患・脳血管疾患
歯周病菌が血液中に流れ込むと血管壁に炎症を起こして動脈硬化の引き金になり虚血性心疾患や脳血管疾患を発症するリスクが高くなります。
歯周病が重症の場合、歯周病菌が心臓に達しているケースが多いという結果が出ています。
誤嚥性肺炎
高齢者や脳血管疾患などにより咳反射が低下した人の場合、異物の排出が困難になります。唾液に含まれる歯周病菌が誤って気管から肺に入り、 身体の抵抗力が低下してる時に肺炎を起こしやすいです。
早産・低体重児出産
妊娠中はホルモンバランスの変化によって歯周病になりやすくなります。重度歯周炎になっている妊婦さんは、そうでない妊婦さんと比較して早産・低体重児出産になる確率が7倍も高く、タバコやアルコールによる影響よりも高い数字となってます。
お口の健康を保つことで良いことは
たくさんあります。上記以外にも歯周病と関連する全身疾患はまだあります。正しい口腔ケアを続けていれば、少なくとも歯周病菌が原因で全身の状態を悪化させたり健康寿命を縮めてしまうことは防げるのです。
歯周病は、かなり進行するまで自覚症状が少ないのが特徴です。
痛みや腫れなど自覚症状がなくても是非一度検診にいらしてみて下さい。
歯周病と全身疾患