歯のコラム column
なぜ歯を磨くの?いつ磨いたらいいの?
2025.08.18
健康についてこんにちは。仙台市若林区新寺の予防歯科管理型歯科医院、ほんま歯科です。
日々の診療のなかで、患者さんから「歯磨きって結局なんのためにするの?」「いつ磨くのがいいの?」というご質問をよくいただきます。
歯磨きは、毎日なんとなく行っている“習慣”のように思えますが、その目的やタイミングを正しく知ることで、虫歯や歯周病を効率よく予防することができます。今回は、歯磨きの本当の意味と、適切なタイミングについてわかりやすくお話しします。

歯磨きの本当の目的とは?
「歯に付いた食べかすを落とすため」と思っている方も多いと思いますが、実は歯磨きの一番の目的は**「プラーク(歯垢)」の除去**です。
プラークとは?
プラークとは、細菌の塊です。
お口の中に残った食べ物をエサにして、口の中の細菌が集まり、ネバネバとした白い膜をつくります。これが歯にこびりついている状態が「歯垢(プラーク)」です。
このプラークの中には、虫歯や歯周病の原因となる菌が大量に住んでいます。
放置すると虫歯を引き起こすだけでなく、歯ぐきが腫れて出血したり、最終的には歯を支える骨を溶かしてしまうこともあります。
つまり、歯磨きは**単に口をきれいにするためではなく、「お口の病気を防ぐ医療行為」**なんです。

歯を磨くベストなタイミングはいつ?
「1日3回、毎食後に磨きましょう」とよく言われますが、実はもっとも大事なタイミングがあります。それが以下の2つです。
1. 寝る前(就寝前)
寝ている間は、唾液の分泌が減ってしまい、細菌が増殖しやすい時間帯です。
日中は唾液の働きによってある程度の自浄作用がありますが、寝ている間はその機能がほとんど働きません。
そのため、就寝前にしっかり歯を磨くことが最重要といえます。
できれば、フロスや歯間ブラシも使って、口の中を可能な限り清潔にしてから眠るのが理想です。
2. 朝起きた後(起床後)
寝ている間に増えた細菌が口の中にたくさんいる状態で、すぐに朝ごはんを食べると、それらの細菌を一緒に飲み込んでしまうことになります。
ですから、起床後すぐに歯を磨く、またはうがいをして細菌を減らしてから食事をするのが理想的です。
「朝ごはんの後に磨きたい」という方も多いですが、できれば朝は起きた直後と食後の2回磨くのがベストです。

食後すぐの歯磨きはOK?
酸性の食品(フルーツや炭酸飲料、酢の物など)を食べた直後は、歯の表面が一時的にやわらかくなっています。
この状態で強く磨いてしまうと、エナメル質が傷つくおそれがあります。
そのため、食後の歯磨きは10〜30分ほど時間を空けてから行うのが理想です。
ただし、甘いお菓子やジュースを摂った場合などは、時間を空けずに早めに磨くのも一つの方法です。
要は「細菌にエサを与えたまま放置しない」ことが大切です。
歯磨き+αでより効果的に!
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れの約6割しか落とせないと言われています。
そのため、歯間ブラシやデンタルフロス、洗口液などの補助的なケアも取り入れるとより効果的です。
特に40代以降は歯周病リスクが高くなるので、歯と歯ぐきの境目を意識したケアが必要です。
お子さんの場合も、仕上げ磨きを行いながら、フロスの使い方に慣れさせてあげましょう。

まとめ
• 歯磨きはプラーク(細菌)を除去する医療的ケア
• 最も重要なタイミングは**「寝る前」と「朝起きた後」**
• 食後すぐの歯磨きは状況に応じてタイミングを調整
• 歯ブラシに加えてフロスや歯間ブラシも取り入れると効果的
毎日の歯磨きを正しく行うことが、将来の自分の歯を守ることにつながります。
「磨いているつもり」ではなく、「しっかり磨けているか」を見直してみてください。プラーク(細菌)を赤く染め出す専用の染め出し液もご用意しております。
気になる方は、歯科医院でのブラッシング指導もおすすめです。
ほんま歯科では、歯磨きのやり方や道具の選び方についても丁寧にサポートしております。お気軽にご相談くださいね。