歯のコラム column

冷たいものが歯にしみる…もしかして「知覚過敏」かも?

2025.10.11

健康について

「アイスを食べるとキーンとくる」「歯磨きのときに冷たい水がしみる」

そんな経験、ありませんか?

もし心当たりがあるなら、それは知覚過敏(ちかくかびん)かもしれません。

仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院ほんま歯科のDR Nです。

「虫歯かな?」と心配になる方もいらっしゃいますが、知覚過敏は虫歯とは違う歯のトラブルです。今回は、知覚過敏の原因とメカニズム、そしてケアについて解説します。

冷たいものが歯にしみる…もしかして「知覚過敏」かも?

・知覚過敏って、どうして起こるの?

私たちの歯は、表面にある硬いエナメル質で守られています。その内側には、神経へと繋がる細い管(象牙細管)がたくさん通っている象牙質があります。

通常、エナメル質と歯茎が象牙質をしっかりカバーしているため、外部の刺激が神経に届くことはありません。

しかし、次のような原因で象牙質がむき出しになってしまうと、冷たいものや熱いもの、風などの刺激が象牙細管を通って直接神経に伝わり、あの「しみる」という痛みを感じてしまうのです。

・知覚過敏の主な原因

1. 歯周病 歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶け、歯茎が下がってきます。すると、普段は歯茎に覆われている歯の根元部分が露出し、知覚過敏が起こりやすくなります。

2. 歯ぎしり・食いしばり 無意識に行う歯ぎしりや食いしばりは、歯に想像以上の強い力をかけます。この力によってエナメル質が少しずつ削れたり、ひび割れたりして、象牙質が露出してしまうことがあります。

3. 間違った歯磨き 「磨けば磨くほど良いだろう」と力を入れてゴシゴシ磨きすぎていませんか?硬すぎる歯ブラシで力任せに磨くと、エナメル質や歯茎を傷つけてしまい、知覚過敏の原因になります。

4. 酸蝕症(さんしょくしょう) 炭酸飲料、スポーツドリンク、お酢、柑橘類など、酸性の強い飲食物を頻繁に口にすると、歯のエナメル質が少しずつ溶けてしまうことがあります。これが「酸蝕症」です。

冷たいものが歯にしみる…もしかして「知覚過敏」かも?

知覚過敏のセルフケア

知覚過敏は、適切なケアをすることで症状を和らげることができます。

1. 知覚過敏用の歯磨き粉を使う

象牙質の穴をふさぐ成分(硝酸カリウムなど)が配合された歯磨き粉を使用すると、刺激が神経に伝わるのを防ぎ、痛みを軽減できます。

2. 正しい歯磨き方法を身につける

力を入れすぎず、やさしい力で小刻みにブラッシングしましょう。歯ブラシは毛先がやわらかいものを選ぶのも効果的です。

3. 食生活を見直す

酸性の強い飲食物を摂りすぎないように心がけましょう。また、摂取後は水で口をゆすぐだけでも予防効果があります。

歯科医院での治療法

「セルフケアだけでは治らない…」「原因がわからないから不安…」

そんなときは、ぜひ当院にご相談ください。知覚過敏の根本的な原因を特定し、患者様一人ひとりに合わせた治療をご提案します。

歯科医院でできる治療

· 知覚過敏抑制剤の塗布:むき出しになった象牙質に、刺激を遮断するお薬を塗ることで痛みを軽減します。

· マウスピースの作製:歯ぎしりや食いしばりが原因の場合、夜間に装着するマウスピースを作製し、歯への負担を軽減します。

· 詰め物や被せ物による治療:歯の根元が大きく削れてしまっている場合、詰め物や被せ物で露出した象牙質を保護します。

「たかが知覚過敏」と我慢せずに、まずは一度ご来院ください。

 

【歯科医師監修】

冷たいものが歯にしみる…もしかして「知覚過敏」かも?

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