歯のコラム column

詰め物や被せ物、何を選ぶのが正解?「保険外は押し売り?」の疑問に答えます

2025.09.03

むし歯

こんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科、ほんま歯科です。

歯科医院で「虫歯が大きいので、詰め物か被せ物が必要ですね」と言われた時、皆さんはどんな選択を迫られるでしょうか?おそらく、「保険の銀歯」や「白いプラスチック(レジン)」、そして「保険外の白い歯」といった選択肢を提示され、戸惑う方も少なくないはずです。

特に、「保険外の治療を勧められたけど、これって押し売りなの?」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。今回は、詰め物や被せ物の選び方について、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、皆さんが後悔しない選択をするためのヒントをお伝えします。そして、保険外治療が「押し売り」ではない理由についても、掘り下げて考えてみましょう。

詰め物や被せ物、何を選ぶのが正解?「保険外は押し売り?」の疑問に答えます

詰め物・被せ物、それぞれの特徴と選び方

まずは、一般的な詰め物・被せ物の種類とその特徴を見ていきましょう。

1. 保険診療で可能な詰め物・被せ物

* コンポジットレジン(白いプラスチック):

* メリット: 保険適用で白い歯にできるため、審美性が高い。歯を削る量が比較的少なくて済む。

* デメリット: 強度がやや劣るため、奥歯の大きな虫歯や強い力がかかる部分には不向き。吸水性があり、時間とともに変色しやすい。

 

* 金銀パラジウム合金(いわゆる銀歯):

* メリット: 保険適用で費用が安い。金属なので強度がある。

* デメリット: 銀色で非常に目立つ。金属アレルギーのリスクがある。歯や歯茎が黒ずむことがある。硬すぎるため、噛み合う天然歯を傷つけることがある。プラークがつきやすい。

 

* CAD/CAM冠(白いプラスチックとセラミックの混合):

* メリット: 一部の奥歯にも保険適用で白い歯にできる。比較的費用を抑えられる。

* デメリット: 完全なセラミックに比べると強度が劣り、割れたり欠けたりするリスクがある。経年で変色や劣化が生じることがある。適用できる歯や部位に制限がある。

 

2. 自費診療(保険外)で可能な詰め物・被せ物

* セラミック(オールセラミック、e-maxなど):

* メリット: 天然の歯と見分けがつかないほどの高い審美性。変色しない。金属アレルギーの心配がない。表面が滑らかで汚れがつきにくい。

* デメリット: 保険適用外のため費用が高額。衝撃にはやや弱い場合がある。

 

* ジルコニア:

* メリット: 「白いダイヤモンド」と呼ばれるほどの圧倒的な強度。天然歯に近い審美性。金属アレルギーの心配がない。摩耗しにくく、長期間安定して使用できる。汚れがつきにくい。奥歯の強い噛み合わせにも対応できる。

* デメリット: 保険適用外のため費用が高額。硬すぎるため、調整が難しい場合がある。

 

* ゴールド(金):

* メリット: 虫歯になりにくい(二次カリエスになりにくい)理想的な素材。生体親和性が高く、金属アレルギーを起こしにくい。歯への適合性が非常に高い。

* デメリット: 金色で目立つ。保険適用外のため費用が高額。

「保険外をおすすめされるのは押し売り?」この疑問に答える

歯科医院で保険外の治療を勧められた時、「高いものを買わせようとしているのでは?」と感じてしまうのは無理もありません。しかし、多くの歯科医師が保険外の治療を提案するのは、決して「押し売り」のためではありません。そこには、患者さんの将来的な口腔内の健康を真剣に考えているからこその理由があります。

 

歯科医師が保険外治療を勧める主な理由

* より質の高い治療を提供したいから:

保険診療は、国の定める最低限の基準を満たす治療です。しかし、虫歯や歯周病は非常に複雑な病気であり、時には保険適用内の材料や治療法だけでは、最善の結果が得られないケースもあります。皆さんも、美味しく食事をしたり、思い切り笑顔を見せたりしたいはずです。金属アレルギーのリスク、見た目の美しさ、治療後の長期的な安定性などを考えると、保険外の材料の方が優れている場合が多いのです。

 

* 長期的な視点で歯を守りたいから:

保険の銀歯などは、時間が経つと劣化したり、歯との間に隙間が生じて二次カリエス(再度の虫歯)になるリスクがあります。治療を繰り返すたびに歯は削られ、弱くなっていきます。一方、セラミックやジルコニアなどの保険外の材料は、耐久性が高く、歯との適合性も優れているため、再治療のリスクを大幅に減らせます。結果的に、将来的な治療費や、歯を失うリスクを抑えることにもつながるのです。

 

* 患者さんのライフスタイルや価値観に合わせたいから:

見た目を重視する方、金属アレルギーの心配がある方、できるだけ長く自分の歯で過ごしたい方など、患者さんのニーズは様々です。ほんま歯科では、そうした個々の希望を汲み取り、それぞれのメリット・デメリットを丁寧に説明した上で、患者さん自身に最適な選択肢を選んでもらいたいと考えています。

正解は、あなた自身の価値観の中にある

では、結局何を選ぶのが「正解」なのでしょうか?

それは、「あなたの価値観と、歯科医師からの十分な説明(ほんま歯科では、医師が診断をし、トリートメントコーディネーターが説明する場合があります。)、そしてご自身の納得」 の中にあります。

費用を重視するのか、見た目を重視するのか、健康への影響を最優先するのか。

「今」の費用だけで決めるのではなく、「10年後、20年後、そして生涯にわたって、自分の歯がどうあってほしいか」という長期的な視点を持つことが重要です。

もし保険外の治療を提案されたら、遠慮なく疑問をぶつけてください。「なぜこの材料が良いのか?」「保険のものとどう違うのか?」「費用はどのくらいかかり、どんな保証があるのか?」など、納得いくまで説明を求めましょう。

そして、最終的に選ぶのはあなた自身です。私たちほんま歯科は、仙台の地域の皆様が、ご自身の口腔内の健康に対し、正しい知識を持って最適な選択ができるよう、全力でサポートすることを使命としています。

もし治療について悩んでいることがあれば、どんな小さなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。一緒に、あなたの「正解」を見つけましょう。

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