歯のコラム column
歯並びの良い子に育てよう[その4~5]
2025.05.03
健康についてこんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院のほんま歯科、歯科衛生士のKです。
*矯正治療を始める前に、知っておいてほしいこと*
[その1ブログ][その2~3ブログ]はこちらをご参照ください。
[その4]
一期治療が不可欠である症例とは?
一期治療による軌道修正が不可欠である症例について、もう少し深く説明していきましょう。
単純に歯が大きいだけで、上下の顎のバランスや顎のズレなどがない場合には、一期治療と二期治療に分けずに、しばらく待って一度に行った方が良い場合があります。しかし、永久歯が生えそろうのを待たずに矯正治療(一期治療)を開始した方がよい場合があります。
❶上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合・受け口)など、上顎と下顎の大きさのアンバランスがある場合
❷顎偏位(下顎が左右どちらかにずれている)場合
❸指しゃぶりや誤った嚥下(飲み込み)など、毎日の悪習癖が原因となっている場合
❹左右のどちらか一本の歯の萌出が遅い場合
❺大臼歯(奥歯)が、手前の歯に引っかかって生えてこなかったり、上の歯が外側に、下の歯が内側に倒れ込み、すれ違った噛み合わせになったりしている場合
❻悪い歯並びや咬み合わせが原因で、歯肉が下がったり、顎関節に負担をかけたりしている場合
![歯並びの良い子に育てよう[その4~5]](/apmng/images/img/428213178ffef9c553.png)
[その5]
いつから矯正治療を始めればよい?
お母さん方が一番心配していることは、「矯正治療はいつから始めればいいのか?」だと思います。
一般的には小学校低学年をお勧めします。上の前歯2本、下の前歯4本ぐらいが永久歯に生え変わった頃に、矯正専門医に相談してみましょう。不確実な乳歯列が終わり、永久歯の前歯が生えてくると、問題点が確実になってきます。大切な6歳臼歯の状態も見ることができるでしょう。もう少し遅くても手遅れにはなりませんが、3.4年生ぐらいになると側方歯といって前歯の後ろに並んでいる3.4.5番目の乳歯が抜けそうになるため、装置によっては、しばらく待たなければならなくなる場合があるからです。日本矯正歯科学会からも、「7歳になったら、一度矯正相談をうけましょう。」と発表されています。
特に気をつけていただきたいのが、「遅くとも身長が急に伸びる思春期成長のスタート前に」です。思春期成長期とは、男子の場合「中学生から高校生にかけて」女子の場合「小学校高学年から中学生にかけて」の時期に当たります。この思春期成長期の間に、小さい頃の問題点が急激に悪化することがほとんどなので、思春期成長のスタート前に、成長発育をゆがめてしまう問題点に対応しておきたいたかです。
顔が大きくゆがんでしまった高校生をお連れになったお母さんから、「小学生になる前には歯医者で相談したんだけど、今はまだ矯正出来ないから様子見て。と、言われて…」というお話を聞いたことがあります。少しの咬み合わせのズレが、思春期成長期に顔の骨の非対称に発展し、外科的矯正治療が必要となってしまうことがあります。
思春期成長前に問題点を解決しておくことで、外科的矯正治療の確率を下げることができるのです。幼い子どもたちにも、「いま、矯正治療を始めなければ、将来どういう状態になるか」ということを、わかりやすく説明してあげれば治療の必要性が理解できるはずです。ぜひ、小学校低学年の間に一度ご相談ください。
ほんま歯科では、矯正治療をする前にできる、お口周りの筋力バランスを整えるトレーニング。マウスピース型の装置を使った矯正治療。矯正専門医への紹介。を行なっています。
![歯並びの良い子に育てよう[その4~5]](/apmng/images/img/4282131178ffef9c553.jpg)