歯のコラム column
マウスピースで歯ぎしり、不正咬合から歯を守ろう!
2025.04.28
顎関節症・食いしばり仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院ほんま歯科、歯科医師のNです。
「ギリギリギリ…」夜中に聞こえる歯ぎしり。家族に指摘されたことはありませんか?
歯ぎしりは、自覚症状がない場合も多く、放置すると様々なトラブルを引き起こす可能性があります。さらに、噛み合わせが悪いと、歯ぎしりが悪化したり、様々な症状を引き起こすことがあります。
今回は、歯ぎしり、そして噛み合わせの不正の種類である開咬(オープンバイト)と反対咬合について、マウスピースの効果と共にご紹介します。

歯ぎしりの原因
歯ぎしりの原因は、ストレス、不安、噛み合わせの悪さなど、様々な要因が考えられます。
【ストレス・不安】
o 精神的なストレスや不安は、歯ぎしりの大きな原因の一つです。
o ストレスを感じやすい方、不安を抱えやすい方は、歯ぎしりをする傾向があります。
【 噛み合わせの悪さ】
o 噛み合わせが悪いと、歯が均等に接触せず、歯ぎしりを引き起こしやすくなります。
【その他の原因】
o 睡眠不足
o 飲酒
o 特定の薬剤
o 顎関節の異常
o 夜寝る前のスマホをみる など

開咬(オープンバイト)とは?
開咬とは、奥歯を噛み合わせても、前歯に隙間が開いてしまう状態を指します。
開咬は、
· 遺伝的な要因
· 幼少期の指しゃぶり
· 舌の癖
· 口呼吸
などが原因で起こることがあります。
反対咬合とは?
反対咬合とは、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態を指します。
反対咬合は、
· 遺伝的な要因
· 下顎の成長が過剰
· 上顎の成長が劣勢
などが原因で起こることがあります。
開咬(オープンバイト)や反対咬合と歯ぎしりが組み合わさると
· 歯ぎしりが悪化する
· 補綴物(治療によってつけた被せ物やつめもの)が外れやすい
· 顎関節と歯そのものに過度な負担がかかる 最悪歯が割れる
などの問題が起こります。特に不正咬合によって歯ぎしりの際に触れ合う上下左右の歯の数に極端な偏りがあると、歯ぎしりの影響が増大します。夜間、無意識に行う歯ぎしりは日中では想像できないほどの強い力がかかっており、骨より固い歯の外層のエナメル質や、人工ダイヤモンドといわれるジルコニアで作られた被せ物ででさえも、毎晩の歯ぎしりには耐えられないことがあります。

マウスピースの効果
マウスピースは、歯ぎしりによる歯や顎への負担を軽減するための有効な手段です。マウスピースを装着することで、
· 歯の摩耗・破折を防止
· 顎関節への負担を軽減
· 口を開ける、閉じる、動かす筋肉の負担軽減
· 頭痛・肩こりの緩和
· 補綴物の脱離を抑制
などの効果が期待できます。また、開咬や反対咬合の場合、マウスピースによって前歯の接触を促し、噛み合わせを改善する効果も期待できます。
マウスピースの種類
マウスピースにはソフトタイプとハードタイプがあり、当院ではハードタイプを取り扱っています。ハードタイプは固く、慣れるまで違和感がありますが、歯ぎしりの際に触れ合う歯の数を調整することができ、歯はもちろん顎関節や補綴物を守ることができます。マウスピースをつけて寝ても歯ぎしり自体は無くならないので、歯の代わりにマウスピースが削れてくれるイメージです。
マウスピースの注意点
【 定期的なメンテナンス】
o マウスピースは定期的に清掃し、清潔な状態を保ちましょう。
o マウスピースは、歯ぎしりによって徐々に摩耗していきます。
o 破損や変形がないか確認し、定期的に歯科医院でチェックを受けましょう。患者さんによりますが、2〜3年ごとの作り替えをお勧めしています。

まとめ
歯ぎしりや開咬、反対咬合は、放置すると様々なトラブルを引き起こす可能性があります。マウスピースは、歯ぎしりによる負担を軽減し、歯の健康を守るための有効な手段です。お口の中を見れば日々の歯ぎしりの様子がある程度わかりますので、お気軽にご相談ください。