歯のコラム column
電動歯ブラシって本当に良いの?
2025.05.31
健康についてこんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院ほんま歯科の歯科衛生士Yです。
毎日の歯磨き、あなたは「手磨き派」ですか?それとも「電動派」でしょうか。最近ではドラッグストアや家電量販店でも多くの種類の電動歯ブラシが並び、手軽に購入できるようになりました。
「電動歯ブラシの方がきれいに磨けるって聞いたけど、本当?」「種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」──そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、電動歯ブラシのメリットとデメリット、自分に合った選び方、正しい使い方のポイントをご紹介します。

電動歯ブラシのメリット
1. 手磨きよりも高いプラーク除去効果
複数の研究で、電動歯ブラシは手磨きよりもプラーク除去率が高いことが示されています。たとえば、ある臨床データでは、電動歯ブラシの方が手磨きより約20%〜30%多くのプラークを除去できると報告されています。
特に音波振動や回転式のブラシは、手の動きでは再現できない高速な動きで、効率よく歯垢を落とすことができます。
2. 磨き残しが少なくなる
正しく使用すれば、奥歯の裏側や歯と歯の間など、磨き残しが起こりやすい場所までしっかり届きます。音波式のブラシであれば、振動によって発生する水流(流体力学的効果)も、歯間や歯周ポケットにアプローチ可能です。
3. 力を入れすぎずに磨ける
手磨きでは無意識に力を入れてしまいがちですが、電動歯ブラシは軽く当てるだけでOK。最近の機種には「過圧防止センサー」付きのモデルもあり、歯や歯ぐきを傷つけにくくなっています。
電動歯ブラシの注意点・デメリット
・使い方を間違えると逆効果に
電動歯ブラシを強く押しつけたり、長時間同じ部位に当て続けると、歯ぐきが傷ついたり知覚過敏の原因になることもあります。歯全体にまんべんなく当てるための工夫が必要です。
・コストがかかる
本体価格に加えて、替えブラシの定期購入が必要です。替えブラシは1〜3ヶ月ごとの交換が推奨されており、ランニングコストも見逃せません。
自分に合った電動歯ブラシの選び方
電動歯ブラシは主に以下の3タイプに分かれます:
◯ 回転式
ブラシが左右に回転して歯垢をこそぎ取ります。しっかり磨きたい人や、手磨きに近い使用感を求める方におすすめ。
◯ 音波式
毎分約30,000〜40,000回の微細な振動で、歯と歯ぐきに優しくアプローチ。歯ぐきが敏感な方に向いています。
◯ 電動アシストブラシ
手磨きと同じ動きにモーターの力を加えたモデルで、通常の歯ブラシに近い操作感があります。電動歯ブラシ初心者や、お子さま・高齢者にも使いやすいタイプです。
電動歯ブラシを正しく使う3つのポイント
1. 歯に軽く当てるだけでOK
力を入れず、軽く当てるだけで十分効果があります。ゴシゴシ動かす必要はありません。
2. 磨く順番を決めて習慣化
磨き残しを防ぐために、「外側→内側→かみ合わせ面」の順に、いつも同じルートで磨くよう意識しましょう。
3. 替えブラシは定期的に交換
毛先が広がると清掃効果が落ちます。1〜3ヶ月を目安に交換するのがおすすめです。
電動歯ブラシは、使い方を正しく理解して活用すれば、手磨きよりも高い歯垢除去効果が期待できる優れたアイテムです。特に歯磨きが苦手な方、時間がない方、力加減に不安がある方にとっては、お口の健康管理をサポートする心強い味方になります。
ただし、すべての人にとって万能というわけではなく、種類の選び方や使い方によっては逆効果になるリスクもあります。たとえば、力を入れすぎたり、長時間同じ箇所を磨いたりすると、かえって歯ぐきにダメージを与えてしまうこともあるため、正しい使い方を知ることが非常に大切です。
電動歯ブラシを導入することは、単に便利な道具を使うというだけでなく、毎日の歯磨きの質をワンランクアップさせるという意味でも非常に価値があります。
お口の健康は、将来的な全身の健康にもつながります。毎日の歯磨きをもっと快適に、そしてより効果的にするために、ぜひ一度、電動歯ブラシの活用を検討してみてください。
気になる方は、お気軽に当院までご相談ください。あなたにぴったりの歯磨きスタイルを一緒に見つけましょう!
