歯のコラム column
顎関節症について
2025.01.04
顎関節症・食いしばり仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院のほんま歯科院長の本間です。
本日は顎関節症についてお話したいと思います。
顎関節症は、顎の関節や周囲の筋肉に異常が生じ、さまざまな症状を引き起こす病気です。この症状は生活の質に影響を与えることがあり、多くの人が経験する問題です。特に現在のようなストレス社会では発症しやすい病気とも言えます。
顎関節症の特徴的な症状としては、音、痛み、口が開きづらいといった症状が挙げられます。また、これらの症状は顎を動かす筋肉や筋肉の緊張、頭痛や耳の不調とも関連しており、いくつかの原因によって引き起こされることがあります。今回は顎関節症に関連する症状、原因、そして対策方法を詳しく説明します。
顎関節症の3大症状
顎関節症の主な症状は、音、痛み、そして口が開かないことです。これらは顎関節に関する問題が生じた際に現れる典型的なサインです。
1. 顎の音(カックン音やポキポキ音、ミシミシ音) 顎を開閉する際に「ポキポキ」や「カクカク」といった音が聞こえることがあります。これは、顎関節の動きに問題がある場合や、関節内のディスク(軟骨)がずれている場合に発生します。音自体は必ずしも痛みを伴うわけではありませんが、異常を感じることが多いです。
2. 顎の痛み 顎の関節やその周囲の筋肉に痛みを感じることが多いです。この痛みは、食事中や会話中に強くなることがあり、長時間同じ姿勢でいることやストレスによって悪化することもあります。
3. 口が開きにくい 顎関節に問題が生じることで、口が開きづらくなることがあります。食事やあくびをする際に口を大きく開けられない場合があり、顎の関節や筋肉の動きに制限がかかっていることを示しています。もしお寿司やハンバーガーを食べる時に違和感があるときは顎関節症かもしれません。
筋肉と顎関節症の関係
顎関節症は顎の関節だけでなく、周りの筋肉、特に**咬筋(こうきん)**の働きに関連しています。咬筋は食物を噛む際に重要な役割を果たす筋肉ですが、過度の緊張やストレスによってこわばることがあります。無意識に歯を食いしばったり、強いストレスを感じたりすることで、咬筋が緊張し、顎の関節に負担がかかります。この負担が続くことで、顎関節に痛みを引き起こし、顎関節症の症状が現れることがあります。
頭痛との関連
顎関節症と頭痛は密接に関連しています。咬筋の緊張が首や頭の筋肉にも影響を与え、これが原因で「緊張型頭痛」が引き起こされることがあります。顎の動きがうまくいかないと、その周囲の筋肉が過度に使われることになり、頭痛を引き起こすことがあります。顎関節症の症状が改善することで、頭痛も軽減する場合があります。
耳の症状との関連
顎関節症は耳の不調とも関連が深いです。顎関節と耳の構造は近いため、顎の動きが耳の中の器官に影響を及ぼすことがあります。顎関節に異常があると、耳の詰まり感や耳鳴りが現れることがあるため、これらの症状も顎関節症の一環として理解することが重要です。
好発年齢や男女比率
顎関節症は、特に成人の若い世代や中高年層の女性に多く見られます。特に20代から40代の女性に多い傾向があります。これは、ホルモンの影響や、女性がストレスに対して敏感であること、さらに女性が男性に比べて筋肉が緊張しやすいという生理的な特徴が関係していると考えられています。
顎関節症の対処方法
顎関節症は適切な方法で対処することが可能です。治療方法にはいくつかのアプローチがあります。
1. マッサージとストレッチ 顎の筋肉、特に咬筋をリラックスさせるために、軽いマッサージやストレッチを行うことが効果的です。筋肉をほぐすことで、痛みや緊張を軽減し、顎関節の動きが改善されることがあります。
2. TCH(歯列接触癖)の改善 無意識に歯を食いしばる癖を改善することが重要です。ストレスを感じた時や無意識に歯を強くかみしめてしまうことを防ぐために、リラックス方法を取り入れることが大切です。
3. 薬物療法 痛みや炎症がひどい場合、痛み止めや抗炎症薬を使用することがあります。筋肉の緊張を緩和するための筋弛緩剤が処方されることもあります。
4. 開口訓練 口が開かない場合、顎の可動域を改善するために開口訓練を行うことがあります。専門的なリハビリを受けることで、顎の機能を回復することができます。
5. スプリント(マウスピース) 顎関節にかかる負担を軽減するため、夜間にマウスピースを装着する方法もあります。これによって、歯ぎしりや食いしばりを防ぎ、顎への負担を減らすことができます。
顎関節症は早期の対応が重要です。症状が悪化する前に、適切な治療を受けることが回復への鍵となります。日常的に意識的にストレスを管理し、顎の筋肉をリラックスさせる習慣を取り入れることで、顎関節症の予防にもつながります。