歯のコラム column
口腔乾燥について
2024.12.22
口腔外科こんにちは。仙台市若林区新寺にあるほんま歯科の歯科衛生士Wです。手や肌が乾燥しやすくなってきましたが、お口の中も乾燥しやすくなる季節でもあります。今回は口腔乾燥についてお話していきたいと思います。
◎口腔乾燥の定義と原因
口腔乾燥(ドライマウス)は、唾液の分泌が減少することによって、口腔内が乾燥する状態を指し ます。これにはさまざまな原因があり、主に以下のような要因が挙げられます。
・薬剤の副作用:抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、高血圧治療薬など、多くの薬剤が唾液分泌を抑えることがあります。
・病気:シェーグレン症候群などの自己免疫疾患、糖尿病、アルツハイマー病なども口腔乾燥の 原因となります。
・放射線治療:特に頭頸部のがんに対する放射線治療後、唾液腺が損傷を受けることがあります。
・年齢:加齢に伴い、唾液分泌が減少することがあります。 ・脱水:体内の水分が不足すると、唾液の分泌も減少します。
◎口腔乾燥の影響
口腔乾燥は、口内の不快感や味覚の変化、口腔内の感染リスクの増加(虫歯や歯周病など)、 嚥下困難、さらには話すことにも支障をきたすことがあります。また、口腔内が乾燥することで、 細菌の繁殖が促進され、口臭の原因にもなります。
◎治療法や対処方法
口腔乾燥の治療にはいくつかの方法があります。
・生活習慣の見直し
・水分補給:日常的に水をこまめに摂取し、脱水を防ぎます。
・口腔ケア:定期的な歯磨きやうがいで口腔内を清潔に保ち、感染リスクを減少させます。
・刺激物の回避:アルコールやカフェインの摂取を控え、辛い食べ物も避けることが推奨されます。
・唾液腺マッサージ:唾液腺を刺激することで唾液分泌を促進させることができます。
・口腔保湿剤の使用:口腔乾燥の症状を和らげるために、口腔保湿剤が効果的です。
◎口腔保湿剤の剤形と特徴
口腔保湿剤にはさまざまな剤形があります。 主なものは以下の通りです。
・スプレー型:手軽に使用でき、口腔内に均一に広がります。即効性があり、外出先でも使いやす いです。
・ジェル型:粘性があり、口腔内に長く留まるため、持続的な保湿効果があります。特に就寝前に 使用したり長時間の口腔乾燥が気になる方に適しています。
・タブレット型:溶かすことで徐々に口腔内を潤します。口の中で溶かすだけで済むため、手軽さ を重視する方におすすめです。
・マウスウォッシュ型:口腔内全体を保湿しながら、口腔内を洗浄できるため、清涼感も得られます。ぶくぶくうがいができる方、誤嚥リスクの低い軽度の口腔乾燥の方におすすめです。
口腔乾燥は多くの人に影響を与える問題であり、その原因は様々です。口腔トラブルを悪化させ る原因にもなるので生活習慣の見直しや医療的アプローチを通じて対処することが重要です。ま た、口腔保湿剤を適切に使用することで、日常生活の質を向上させることができます。 ご自身の口腔状況に合わせてどんなケアが必要か気になる方はスタッフに是非ご相談くださいね。