歯のコラム column
根面う蝕(こんめんうしょく)について
2024.12.08
むし歯皆さんこんにちは。仙台市若林区新寺のほんま歯科の歯科衛生士のAです。
近年の日本では、高齢化が急速に進んできています。若年層のむし歯率は減りつつありますが、高齢者のむし歯率は年々、上昇してきています。その背景には「根面う蝕」といった種類のむし歯の存在があります。みなさん根面う蝕とはなにかご存じですか?あまりなじみのない言葉だと思われた方も多いのではないでしょうか。実は、このむし歯は歯周病との関連もあるのです。今回はその根面う蝕のメカニズム、予防方法について紹介していきます。
〈根面う蝕とは〉
根面う蝕(こんめんうしょく)とは、歯の根の部分に発生する虫歯のことを指します。
通常、むし歯は歯のエナメル質と呼ばれる硬い組織がむし歯菌に侵されることで始まりますが、根面う蝕は歯のエナメル質がもともと存在しない歯根部、つまり歯の根の表面に発生します。
歯の根の表面はエナメル質ではなく、象牙質(エナメル質よりも柔らかい)と呼ばれる部分で覆われています。そしてこの象牙質でおおわれている歯の根は加齢、唾液の分泌低下による自浄作用低下、歯周病などで歯ぐきが後退することなどが原因で露出してしまいます。そして根面(象牙質)は酸やお口の中にいる細菌、むし歯菌に対して抵抗する力がなく、虫歯が発生しやすくなる原因となってしまいます。特にこの部分にはプラークや歯垢がたまりやすいため、根面う蝕が進行しやすいです。
〈根面う蝕の進行について〉
初期の段階では、痛みを感じることは少なく、進行してから痛みや違和感が出ることがあります。根面う蝕は特に進行が早いこともあり、放置すると歯の大部分が失われる可能性があります。場合によっては歯の根の治療(根管治療)が必要になることもあるため、早期の予防が必要になってきます。
〈予防方法〉
歯科医院で定期的に検診を受け、根面が露出している場合にはフッ素を塗布するなど、予防策を講じることが大切です。
① 定期的に歯科医院でチェックを受ける。
② 歯磨きをしっかり行い、特に歯肉の後退が気になる部分は念入りにケアする。
歯茎の後退はとくに根面う蝕の原因になるためブラッシング圧にも注意が必要。
③ フッ素入りの歯磨き粉を使用する。当院では根面う蝕予防専用の歯磨き粉の
販売を行っています。(成分に根面をコーティングする成分が入っております)
④ 口腔内を乾燥させないように水分を摂取する。
場合によっては口腔乾燥予防ジェルの塗布を自宅で行ってみてください。
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根面う蝕は高齢者に多く見られる問題ですが、若い人でも歯周病や不適切な歯磨き
などが原因で発症することがあります。定期検診、正しいセルフケアを心がけましょう。
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