歯のコラム column
なぜ歯医者で禁煙してくださいと言われるの?
2024.08.22
健康についてこんにちは。仙台市若林区新寺のほんま歯科医院の歯科衛生士Yです。
処暑を迎えたとはいえ、未だ暑さが残る毎日ですがいかがお過ごしでしょうか?
今回は、歯医者でなぜ禁煙が必要か?についてお話したいと思います。
たばこと歯周病の関係は深刻です。さまざまな研究でタバコの喫煙が歯周病の症状や進行に影響を与えることを示されています。
また、「たばこをやめて電子たばこに変えました」というお声をいただくこともあります。加熱式たばこのことを電子たばことおしゃっている方もいるかもしれませんが、電子たばこと加熱式たばこはまったく別ものです。
それぞれのたばこの主な特徴です。
化学物質は新型たばこ(電子たばこ、加熱式たばこ)も紙巻たばことも5300種類以上ともいわれ、そのうち約70種類は発がん性物質です。
ニコチンの量は、加熱式たばこの種類によっては紙巻たばこと同等かそれ以上とも言われています。
具体的には、喫煙は次のような影響があります。
1. 歯周病菌にかかりやすくする。
たばこに含まれるニコチンは、血管収縮作用と免疫機能を下げる作用があり、歯周病になりやすくします。
2. 歯周病に気づきにくくする
歯周病の症状の一つである「歯ぐきからの出血」によって、歯周病に気づく人もいますが、喫煙者はこの症状を見逃しやすい傾向があります。
3. 治療に時間がかかる
たばこを吸う人は歯周病になりやすいだけではなく、治療が遅いといわれています。喫煙者の歯ぐきは再び悪くなる傾向もあるため、歯周病治療には注意が必要です。
4.細菌の増殖
電子タバコの喫煙は歯周病関連の病原体の相対量を増加させる可能性があります。特定の細菌が増加し歯周病の進行を促進することが示唆されています。
5.口腔環境の変化
電子たばこはタールを含まないため、紙巻きたばこよりは口腔内への影響が少ないと考えられていました。しかし、実際は電子タバコ利用者の口内には歯周病を進行させる細菌の割合が高かったことが報告されています。時間とともに歯周病を悪化させる可能性があるため、注意が必要です
ある統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやくなります。
なぜ歯医者で禁煙指導が必要なのか?
禁煙することで、以下の危険性が下がっていくことも研究の結果として解っています。
1. 歯周病にかかりやすさ 4割減少する
2. 処置後の治療経過も非喫煙者とほとんど差がなくなってきます
その他の病気でも、肺がんにかかる危険は喫煙者では非喫煙者の4.5倍ですが、禁煙すると4年後2.0、5年後1.6、10年後1.4と着実に落ち着いてきます。
以上の点から当院では特に歯周病や虫歯をしっかり治したい!!と思われる方で、喫煙されている方には、歯周病の治療や歯磨き指導とあわせて禁煙をお願いしております!
引用
[フリーイラスト] タバコ休憩中のサラリーマン | パブリックドメインQ:著作権フリー画像素材集
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