歯のコラム column
誤嚥性肺炎について
2024.06.25
健康についてこんにちは。
仙台市若林区新寺のほんま歯科の歯科衛生士のWです。
今日は、誤嚥性肺炎についてお話します。
近年、日本は超高齢化社会となっております。
平均寿命もぐんぐん伸びて、世界一の水準になりますが、健康寿命との差が大きくなっています。
健康寿命とは、介護などが必要なく、寝たきりなどでもなく日常の生活に苦労なくいられる状態でいられる年齢のことです。
平均寿命と健康寿命を性別ごとに以下にまとめます。
〜男性〜
平均寿命 79.55歳 健康寿命 70.42歳
その差9.13年
〜女性〜
平均寿命 86.30歳 健康寿命 73.62歳
その差12.68年
その差というのは、何らかの生活の制限があったり、要介護状態だったりします。
自分で制限なく健康に生きられる状態から、介護だったり制限がある状態から亡くなるまで約10年前後あることがわかりますね。
寝たきりなどで家族などの手がかかる状態で10年も行きたいと思えるでしょうか?
これは人それぞれの価値観があるので、どちらが正しいというわけではないのですが、自分だったら、家族に迷惑をかけてまで10年も制限されたまま生きたくないなあ、なんて思ってしまいます。さらに、日本人の死因については、
1位:がんなどの悪性新生物
2位:心疾患(心筋梗塞・狭心症など)
3位:脳血管障害(脳梗塞、クモ膜下出血などの脳出血)
でしたが、5年ほど前の調査で、肺炎が伸びて第3位になったということで、その後も肺炎で、お亡くなりになる方が増え続けているようです。
肺炎のうちの約7割が誤嚥性肺炎ということです。
ここで本題である誤嚥性肺炎について説明します。
〜誤嚥性肺炎とは〜
高齢や、脳梗塞による麻痺などがある方でのどが弱ってしまうと、空気の通り道である気管と、食べ物の通り道である食道を分ける喉頭蓋という蓋の動きが悪くなったり、気管を完全に閉鎖できなくて、食べ物や飲み物、唾液が気管を通して肺に入ってしまうことがあります。
その中に口の中にいる菌が一緒に飲み込まれることで、肺の中で繁殖してしまうということが原因になっています。
高齢者だけではなくて、私も結構慌てて食べたり飲んだりすることがあるので、変なところに入ってたまにむせたり苦しい思いをすることがあります。
喉や口の機能が落ちていなければ、誤嚥することも少ないですし、もし気管に入ったとしてもそれを出そうとする防御反射が働きます。
その機能が落ちてくると反射が起きずに、肺の中に入った菌を排除することができずに、肺や気管に菌が定着繁殖してしまうわけです。
そのために必要なこととしては、
1.喉の機能を落とさないようにする。(喉を鍛える)
2.唇や舌、口の機能をより良くする。
特に口呼吸にならないように鼻呼吸を習慣にする。『あいうべ体操』がおすすめです。
これは、お子さんの口腔周りのトレーニングにも使われています。
3.食べるもの飲み物について、何を食べるか、その形状、食べ方、飲み方を知って実践する
4.歯科医院のメインテナンスとホームケア(口腔清掃)、口腔ケアなどで、口の中の細菌を少なくしてコントロールする
5.体の姿勢を良くする、全身の健康を意識するなどが挙げられます。
いろいろ書いてありますが、鼻呼吸で、ご飯をしっかり噛んで、お口の中をきれいにする
まずは、この3つを日常生活で特に意識するといいのではないでしょうか。
鼻呼吸については、アレルギー等も関連しています。
鼻うがいや、耳鼻科さんでのお薬の服薬などのアプローチが必要なこともあります。
お口の中は、もちろん歯医者さんの出番です。
クリーニングや歯ブラシ指導は、ほんま歯科にお任せください。
また、あいうべ体操は、当院でも行なっております。
気になる方は、スタッフまでお声掛けください。
本日は、誤嚥性肺炎についてお話しました。
次回のブログもお楽しみに!は