歯のコラム column
妊娠中の歯科治療について
2024.04.03
小児歯科・小児口腔機能管理こんにちは。
仙台市若林区新寺のほんま歯科です。
本日は、妊娠中の歯科診療についてお話します。
妊娠中は、ホルモンのバランスがかわり、生活習慣(食べ物の嗜好、つわり、歯磨きの習慣、姿勢など)もそれまでと大きく変わること、また妊娠性の歯周病を発症したり発症しやすくなることもあり、口腔のケアや歯科との関わりが特に重要になり、また諸々の注意も必要な時期となります。
お腹の中に命を育む大切な時期でもあり、生まれてくるお子さんが健やかに育って成長していくための準備期間になります。
赤ちゃんとお母さんは、一心同体です。
歯医者さんに行くことは大切なのはわかっているけど、不安があるお母さんたち向けの内容を本日はお話します。
〜妊娠中の歯科治療について〜
Q.妊娠中は、歯の治療はできるのか?
A.妊娠初期(0~16週)と後期(28週~39週)は必要な応急処置を行うことが多いです。
歯科治療は、母胎のことを考えて、できるだけ安定期(17週~27週)に行うことをおすすめしています。
状態にもよりますが、どこまで治療を行うかは、歯科医師の判断のもと、治療の計画を立てて進めていきます。
メインテナンスは、お母さんの状態が安定してれば、基本的に妊娠中のどの時期にも安心して受けていただくことができます。
Q.レントゲンを撮っておなかの赤ちゃんに影響ないのか?
A. ほんま歯科では患者さんが望まない限り、妊娠中、妊娠の可能性がある方にはレントゲンは照射しません。
ただし、以下のようなエビデンスがあるため、必要性があると歯科医師が判断した場合、レントゲンを撮る場合があります。
歯はおなかから場所が離れているのに加え、被曝防止用の鉛の入ったエプロンをしていただきますので、安心です。
おなかの赤ちゃんが被爆する量は限りなくゼロに近いため、赤ちゃんへの被爆の影響はまったくないのに等しいことがわかっています。
Q.歯に麻酔注射をしておなかの赤ちゃんに影響しませんか?
A.影響しませんのでご安心ください。
歯科治療に使う麻酔は、全身麻酔ではなく局所麻酔です。
そのうえ血管収縮剤が入っているため、治療をする歯の周辺にしか麻酔薬は停滞しません。
おなかの赤ちゃんに影響する心配はありませんが歯科医師が必要と判断した時のみ使用します。
Q.抗生物質などを使用しても赤ちゃんに影響しませんか?
A.抗生物質であればペニシリン系やセフェム系を、鎮痛剤はカロナールなどアセトアミノフェンが安全であることが産婦人科医師の見解で明らかになっているそうです。
必要な場合には最小限で使うことをおすすめいたします。
歯科医師の判断で、赤ちゃんに影響の少ないものを選択し処方します。
〜妊娠中の歯のケアについて〜
Q.母親が歯周病だと早産や低体重児出産のリスクが高いと言われていますが本当ですか?
A.多くの研究から、歯周病菌が出す内毒素(エンドトキシン)が子宮を収縮させるホルモンに似ているため早産や低体重出産児を引き起こすと言われています。
歯周病と診断された方は、妊娠中からの治療をおすすめいたします。
Q.むし歯菌が感染するというのは本当ですか?
A.それは本当です。
むし歯菌の中の悪玉菌であるミュータンス菌は、お子さん(生後1歳7ヶ月~2歳7ヶ月くらいの間)に周囲の大人から唾液を通して感染することがわかっています。
出産前にミュータンス菌を減らし始めることをおすすめ致します。
以上になります。
お口の中をきれいに保ち、安心してご出産を迎えられますように。
また生まれてくるお子さんが、健康ですくすくと成長されますように。
それを歯科から応援させていただきます!
ほんま歯科では、妊婦さんに優しい治療を心がけております。
ご不明な点がありましたら、スタッフまでお声掛けください。
次回のブログもお楽しみに★