歯のコラム column
キシリトールの話
2023.12.06
豆知識仙台市若林区新寺のほんま歯科院長の本間です。
今回は虫歯予防についてキシリトールについて書きたいと思います。
キシリトールって虫歯予防効果あるの?
結論から言えば、適切な商品の選び方と食べ方をすれば十分な虫歯予防効果が期待できます。
この適切なっていうところが、とても肝心なポイントです。
以下にその適切なポイントについてまとめていきます。
① キシリトールの含有量が50%以上のガムもしくはタブレットであること
(ガムやタブレット以外のキシリトール食品、たとえばケーキや飲み物そのほかのお菓子は効果があまりないので注意です!)
一般的に日本で市販されているキシリトールガムやタブレットの商品にはキシリトール〇%以上と明記されているものはほとんどありません。そして市販されているキシリトールガムやタブレットのキシリトール含有量はほとんどが50%以下になっています。
ご自分がお買いになったキシリトールガムやタブレットの含有量を知りたい場合は、商品の裏側にある成分表をみてください。簡易的な計算方法ではありますが、キシリトールの量が炭水化物の量の半分以上であれば50%以上になります!
② 砂糖や水あめなどはいっていない糖類(0ゼロ)、ノンシュガー、シュガーレスとかかれたもの
③ 食べ方(1日3回、3か月以上、5分以内)
50%以上の濃度のキシリトールガムもしくはタブレットを毎食後5~10gの量(歯科専売品のガムの場合、キシリトールの濃度が100%なので、4~8粒)を3回以上に分けて食べるとむし歯予防に効果的です。
そして、なんと、1日10gを2年間(むし歯になりやすい人は3年間)継続的に食べると、その後に食べるのをやめても予防効果は4年続くとフィンランド・ユリビエスカ保健所の研究結果がでています。
④ 歯ブラシは今までとおりにしましょう
私たちが普段食べている食品には必ず糖類が入っているので、キシリトールガムを食後に食べたからと言って、歯磨きしなくて良いというわけではございません。毎日必ず2回以上は、フッ素入り歯磨き粉をつけて歯磨きしてください。
キシリトールの効果
① 悪い虫歯の割合を減少させる
虫歯菌の1つであるミュータンス菌は砂糖を分解してエネルギーとっていますが、キシリトールを分解することができないために歯を溶かす酸やねばねば物質であるプラークを作りだせず、エネルギー不足で数が減少していきます。
② 食事制限のある糖尿病の方が食べても良い甘味料
キシリトールは、ほかの糖アルコールと同じく、口に入れると甘さを感じます。しかしキシリトールの吸収速度は遅く、そのために血糖値の急上昇がなく、代謝するのにインスリンを必要としないので、糖尿病の人が食べても心配ない甘味料になります。
③ 歯の石灰化促進
キシリトールはカルシウムとくっついて、歯の表面に行き、溶け始めた歯の修復(再石灰化)を促進させます
最後に、虫歯菌の多いお母さんの子供は虫歯になりやすいし、虫歯菌が早く感染したお子さんは虫歯になりやすいことがわかっています。
お母さんのお口の中で、キシリトールの虫歯予防効果がでるまでには約3か月かかります。
虫歯菌の1つであるミュータンス菌は歯が生えていない赤ちゃんのお口の中にはいません。なぜなら、ミュータンス菌は硬い組織つまり歯がないと存在できないからです。
ぜひ赤ちゃんと関わる方々には、赤ちゃんが生まれる前からキシリトールガムで悪い虫歯菌の割合を少なくしておいてください。少なくとも歯が生える時期(約生後6か月)の3ヶ月前、つまり生後3か月からはキシリトールガムを使って悪い虫歯菌の割合を減らしてください。そして虫歯菌の母子感染が非常に高い1歳半から2歳半くらいまでは、ぜひガムを噛む習慣を続けてください。そうすることで赤ちゃんへの虫歯菌の感染予防になりますのでぜひ実行してください!!