歯のコラム column
AGEについて
2022.07.02
未指定こんにちは。
今回、担当の受付Kです。
同じ年齢なのに、いつまでも若々しい人と年齢より
も老けて見える人がいます。
この差はズバリ「老化のスピード」。年齢より老け
て見える人は、老化のスピードが速いのです。
老化には「AGE」という物質が深く関わっています。AGEとは「糖がこびりついて機能が劣化したタンパク質」のこと。これが体内に蓄積されることで老化が進んでいきます。
私たちは、毎日食事から栄養をとっています。中でも、糖とタンパク質はエネルギー源にもなる大切な栄養素です。
しかし、糖をとりすぎる(血糖値が上がる)と血液中に余った糖がタンパク質と結びつきます。糖がタンパク質と結びつく反応を「糖化」と呼びます。この糖化したタンパク質がAGEなのです。
タンパク質は、体の主要な構成因子の一つです。わかりやすく言うと、糖化とは、体が砂糖漬けでベタベタになっているような現象です。
AGFが体内にたまると血管のつまりを起こし動脈硬化や脳梗塞が起きると言われています。
動脈硬化や脳梗塞にも影響が!
AGEが体内にたまると、老化が進み、体にはさまざまな病気・不調が現れるようになります。例えば、血管の老化と言われる動脈硬化の背後にもAGEが存在します。
年齢とともに血管が硬くなり、血液の流れが悪くなるのが動脈硬化です。脳や心臓に栄養を送る血管の血流が悪くなると、脳や心臓の機能が低下することになります。
動脈硬化が進むと、長く使った水道管のように内部が徐々にサビついて狭くなり、最後に詰まって脳梗塞や心筋梗塞が起こる、と言われることがあります。これは正しい理解ではありません。
確かに動脈硬化のプロセスは、長期間にわたって血管が狭くなるのですが、最後のとどめともいえる血管の詰まりは一瞬で起こります。長い間使って狭くなっていた排水管に、茹で卵がぽコンとはまりこんで突然水が流れなくなるように、ほんの一瞬で詰まってしまうのです。
では、なぜ血の塊ができるのかというと、それは、血流の機能が阻害されるからです。人間の血管は、いくつもの層でできています。そのいちばん内側の内皮細胞では、血液がスムーズに流れるように、血が固まるのを防ぐ物質「プロスタサイクリン」が作られています。
ところが、動脈硬化が進むと内皮細胞の機能が阻害されて、プロスタサイクリンの産生が徐々に少なくなります。すると、血管内で血が固まりやすくなってしまうのです。
小さな血の塊ができても、内皮細胞が正常であれば、すぐに溶かされます。しかし、内皮細胞の機能が落ちていると、血栓を溶かすことができません。血が固まりやすいうえに、できた血栓も溶かせないのです。
AGEの重要性
ここで重要なのは、これらのすべてのプロセスにAGEが関わっているということです。
AGEが血管内にたまると、動脈硬化が進みやすくなるだけではなく、血の塊ができやすくなるうえに、塊ができたときの防御機構の働きも低下させてしまうのです。
また、AGEは血液中の血小板にも影響を与えます。
本来、血小板は、体内の傷ついたところだけで固まって出血を抑えます。
しかし、AGEが蓄積すると、正常な血液内でも血を固めてしまいます。 これも血管の詰まりを起こす原因となります。