歯のコラム column
子どもの歯並びが良くない気がします・・?
2022.07.04
未指定こんにちは
ほんま歯科、院長の本間一弘です。
今日は、最近お子さんをお持ちの患者さんより相談された質問についてお答えしたいと思います。
「こどもの歯並びが悪い気がします・・・?」
実は最近、小さい子供たちを診療していて気づいたことがあります。
子供たちの顎の発達が良くない傾向があるのです。
20年前にはあまりいなかった乳歯がガタガタした歯並びの子供を多く見るようになりました。
(市の検診でも1割以上はいます)
基本、乳歯は永久歯よりも小さいので、乳歯の段階でガタガタしていたら当然その後に生えてくる永久歯はもっとガタガタした歯並びになります。
通常前歯の生え変わりが起こる6歳ころの乳歯は前歯が隙間だらけになるのです。
近くにいらっしゃるお子さんの歯並びどうですか?
乳歯の段階できれいに並んでいるから永久歯もきれいに並ぶ・・・ それは大きな間違いです!!
先ほども言いましたが生え変わる直前の乳歯の歯並びはスカスカの隙間だらけが正しいのです!
結論から先に言います!
お子さんの歯並びは胎児の時期から影響されはじめ、乳幼児時の食生活で決まるかもしれません! (少し言い過ぎかもしれませんが・・・・)
だから、乳幼児期までの食生活には特に注意しましょう!
その理由を以下に書きますね。
顎の発達には様々なことが影響します。
1つは、前回私のブログで書きました食生活・・・・将軍さまの話です
徳川幕府の将軍様は代を重ねるごとに顎が小さくなっています。
これには食事が大きく影響しているといわれています。
柔らかいものばかり食べていたからです。
2つ目は、顔や口もとや舌の筋肉の使い方と動き、そしてその筋力が低下していることです。
これは胎児の段階から影響が出ているとも言われています(このことはまだ仮説ですが・・・)
妊婦さんの体形(最近骨盤が狭い女性が多い)、普段の姿勢(猫背)、座っているときの姿勢(柔らかいイスなどで背中が丸くなり、おなかを圧迫する座り方)などが挙げられます。
そして、乳児のときにおいては授乳時の姿勢や哺乳瓶の乳首の形態も影響します。
乳児は舌を乳首に強く押し当てることでおっぱいを飲みますが、顎を引きすぎたり逆に顎が上がっていたりすると力が入りづらくなるし、咥えるだけでミルクが出てくる人口乳首を使うと、舌に力を入れなくても吸えるので、舌の筋肉が弱くなります。
次に、離乳食の与え方とタイミングも筋肉の成長発育に影響します。
授乳から切り替え始めた1歳、2歳のお子さんにおいても食事の時の姿勢やその食べ方もぜひ気を付けてください。
お子さんの姿勢は赤ちゃん用のイスでできるだけ背中が丸くならないようにし、また足も踏ん張れるように足が地面のつくようにしてください。
そして、離乳食を与える時、わざわざ親が子供のお口の中にスプーンを入れてはいけません。お口の前でスプーンをとめて、お子さんが自分からパックとスプーンにかぶりついて唇でしごきとることで、お子さんは適切な唇の動きを覚えるのです。
離乳食形態のタイミングも大事です。
特に上のお子さんがいる時は要注意です。
どうしても離乳食形態が早くなり普通食に近づきがちです。
離乳食の本でも小さく書かれているのですが、実際の月齢ではなく歯が生えている状態(歯の年齢)で離乳食の形態を決めましょう!〇歳△カ月だからこの形態ではなく、お口の中を見て奥歯まで生えたからこの食事の形態という風に覚えて下さい。
適切なタイミングで離乳食を食べることで正しい舌や唇の動きを覚えるのです。
これをうまく覚えないでいると、クチャクチャと音を立てて食べたり、食べるのが長くなったり、丸のみを覚えてしまいますので注意して下さい。
当院でも離乳食の形態の段階が早すぎる子に関しては、一度離乳食の形態を戻してもらい正しい筋肉の使い方を獲得できるように指導しています。
脳の発達からも食事は大事になってきます。
カナダの脳外科医ペンフィールド(1891~1976)が作成した有名な図があるのですが、この図において口や手は最初の方に発達しさらに脳に占める割合が大きいのです。
つまり離乳食初期のスプーンがまだ十分に使えない時期は、食卓や床が汚れようとお子さんにはしっかり手づかみ食べをさせてどんどん手や口を使ってほしいのです。
またあまり噛まないで丸のみすることを覚えないようにするために食卓には飲み物はできるだけ置かないようにしましょう。
まとめ
歯並びが悪くならないようするために、適切なタイミングと正しい方法や正しい姿勢で食べることを
乳児の段階から気を配ってほしいということでした。