歯のコラム column
キシリトールって本当に歯に良いの?
2022.09.03
未指定こんにちは。
今回は衛生士のKが担当します。
テレビのCMなどで紹介されているガムなどでお聞きしている 『キシリトール』ってそもそも何かご存知でしょうか?
1.キシリトールとは何か?なぜ虫歯を防ぐのか?
キシリトールは、ソルビトールやマルチトールと同じ糖アルコールという甘味炭水化物の仲間です。
自然界では、多くの果実や野菜 (イチゴやカリフラワー、ほうれん草など)に含まれています。
ガムやタブレットなどのお菓子の形で口にするキシリトールは 白樺や樫の木からとれる「キシラン・ヘミセルロース」を原料にして作られています。
砂糖と同等の甘さがある天然の甘味料です。
私たちの体の中でも、1日に約10g~15g作られています。
キシリトールの成分は、自然由来のものと同じなので 安心して摂取できます。
これを食することで、虫歯菌は、キシリトールから「酸」を作ることができません。
酸を中和促進するので虫歯菌の力を弱めることにより虫歯予防の効果が出るのです。
また、キシリトールは、プラーク(歯垢)の形成を部分的に抑え、カルシウムと結合して輸送することにより 歯の修復(再石灰化)も促します。
2.キシリトールの効果的な取り入れ方
皆さんがガム売場でよく目にするキシリトールガムはその効果を得られやすい商品であります。
但し、ガムに含まれているキシリトールの比率が90%以上でなければキシリトール本来の虫歯 予防効果は期待できないといわれています。
ちなみにコンビニ等で市販されているキシリトールガムは一部を除いて30%~70%です。
この場合、キシリトール配合であっても砂糖や水飴など糖類が含まれていることがあるので注意が必要です。
それに対し、歯科用のキシリトールガムは100%の配合ですので、ご安心ください。
是非、より高い効果を得るために、甘味がなくなっても
最低10分できれば20分くらいはかみ続けてください。
摂取するタイミングは、食後・食間・就寝前が良いでしょう。
噛み続けている間は唾液が出て、虫歯予防に適している時間となります。
甘味による刺激と、咀嚼の2つの効果ですね.
しかし、キシリトールは、摂取しすぎると、お腹がゆるくなるなどの副作用が出る事があります。
取りすぎに注意しましょう。
少量のキシリトールでも、毎日摂取する事で効果が現れてきます。
ガムまたはタブレット5g~10gを毎食後に摂取し、これを継続するとよいといわれています。
特に、小さなお子様に与える場合には、誤って喉に詰まらせる事のないように十分に注意が必要です。
ガムを食べるのが難しいお子様には、タブレット式のキシリトールがオススメです。
また、吸収速度も遅いため血糖値の急上昇がなく、代謝するのにインスリンを必要としないので、糖尿病の人が摂取しても心配ないとされてます。
3.歯科健診を定期的に受けましょう
最後に、キシリトールは厚生労働省に認可されや世界保健機関(WHO)などにも認められていますが
どんなにキシリトールを摂取しても(補助的に使うものなので)虫歯菌を完全にはなくす事は出来ません。
キシリトールは使い方を知った上で予防歯科という点から適切に使う事が大切となります。
そして、普段から正しい歯磨きが出来てないと、キシリトールの効果は得られにくいです。
歯科医院で定期健診を受けて、大事な歯を守る上でも虫歯になりずらい環境を目指しましよう。