歯のコラム column
唾液について
2023.06.14
未指定こんにちは。
仙台で予防歯科に力を入れてお口の問題解決を目指しているほんま歯科の歯科衛生士Nです。
今回は唾液について説明していきたいと思います。
唾液のチカラについて
唾液は実はすごい成分がたくさんあります。
水分以外の0.5%に、機能性の高い成分がたくさん含まれています。
①消化作用
唾液にはデンプンを分解する酵素が含まれており、消化を助けます。
よく噛んで食べ物と唾液が混ざることで食べ物をやわらかくし、胃での消化を助けます。
②抗菌作用
主な成分:IgA、リゾチーム、ラクトフェリン、抗菌ペプチド、ペルオキシダーゼ
たくさんの抗菌物質によって、細菌の増殖を抑えます。
※成分内容の補足
○IgA…お口の中の細菌に対して防御作用を示します。
○リゾチーム…グラム陽性菌の細胞壁に作用して溶かします。
○ラクトフェリン…細菌の増殖を防ぎます。
○抗菌ペプチド…菌の細胞膜を直接攻撃し、菌の増殖抑制効果が出ます。
○ペルオキシダーゼ…細菌の代謝作用を司る酵素を不活性化させます。
③緩衝作用
通常、お口の中は中性を保っていますが食事後は酸性に傾いていきます。唾液は酸性に傾いたお口の中を中性に戻す働きを持っています。
④潤滑作用
食べ物を唾液で濡らし喉を通りやすくします。また、お口の中の粘膜を潤し、発音や発声をスムーズにします。
⑤粘膜保護作用
主な成分:ムチン
唾液には水分を多く含む粘性タンパク質が含まれています。
それらによって、お口の中の粘膜全体を覆う性質を持っています。また、保湿効果や食べ物の刺激から粘膜を傷つかないよう保護する作用もあります。
⑥自浄作用
歯の表面、歯と歯の間に付着したプラークや食べカスを洗い流す作用があります。
⑦歯の再石灰化作用
酸によって脱灰(溶かされた)歯を唾液中のカルシウムやリンなどが修復します。これにより、むし歯の進行を抑えます。
唾液が少なくなると…
唾液が少なくなると下記のような問題点が上げられます。
・口の中が痛む
・口内炎になりやすい
・食べ物が飲み込みにくい
・口臭がする
・口が乾く(ドライマウス)
・むし歯や歯周病になりやすい
・会話がしづらい
唾液を多く出すには、水分摂取が大切です。
1日約1リットルは水分補充をしていきましょう!
唾液腺マッサージについて
唾液マッサージを紹介します。
①耳下腺マッサージ
親指以外の4指を耳の手前の頬に当て、後ろから前に向かってゆっくりと10回まわします。
②舌下腺マッサージ
両手の親指をそろえて、顎の真下からぐーっと10回程度くり返し押します。
③顎下腺マッサージ
下あごの骨の内側のやわらかい部分に親指を当て、骨に沿って順番に1~2秒押す。5~10回ほど押します。
いかがでしたか?
このように唾液があるメリット、デメリットがあります。
唾液が減ることにより、自浄作用が低下したり、QOLも低下していきます。そうならないためにも、今後もたくさん唾液を増やすためにもこまめな水分補給や、唾液腺マッサージをしていきましょう。