歯のコラム column
「歯を磨く時はどの場所を磨いていますか?」
2023.07.05
未指定こんにちは、仙台市若林区のほんま歯科 歯科衛生士のSです。
今回も歯ブラシについてお話をしていきます。
みなさんが歯を磨く目的や価値観は、人それぞれ違うと思います。
一方私たち歯科医療従事者は、”歯磨き=プラークコントロール”の概念に基づき、ブラッシングは歯科治療の一環であり、虫歯予防に欠かせない行為であると認識しています。
ですから、細部まで磨けるように歯ブラシのヘッドの大きさや用毛にこだわって選択しているかもしれません。お口の中は狭くて暗いので、ほとんどの方は目で確認しながらきれいに清掃することはできません。
自分自身で認識できるのは、舌触りのザラザラ感やツルツル感、口の中のネバネバ感、スッキリ感などの感覚だと思います。
つまり、清掃している場所のイメージも、患者様は舌が触れるところの「歯面」という比較的広いイメージかと思います。
私たち医療従事者は、それに加えて歯と歯の間や、歯と歯肉の境目などの見えにくい狭い場所をイメージしています。
それに基づき、「歯面磨き」と「すき間磨き」に分けて歯ブラシ選びを提案しています。
“歯面磨きにおすすめの歯ブラシとは?
①毛先が細くなっているテーパー毛よりもラウンド毛
②接触面積が大きくなり、効率よく磨く事ができるのは密毛
③たくさんの用毛が植えられている方が一度にたくさん磨くことができるため、3列より4列
“すき間磨きにおすすめの歯ブラシとは?”
①軽い歯肉炎、軽度歯周病の場合はふつうのかたさのラウンド毛
②歯肉に痛みを感じやすい、デリケートな場合は、やわらかめのラウンド毛
③歯垢が厚くついている場合は、ややかためのテーパー毛
また、歯を磨いているのに歯面全体に歯垢が残ってしまう場合は、
唾液などの自浄作用が劣っていたり、歯を磨く時のチカラのかけ方が弱いなどが考えられます。
それに加えて、生活環境や体調も日々変化しています。それに伴い、お口の中の環境も変化していきます。
体調が悪い時は歯肉が腫れやすくなったり、疲れている時は奥歯に鈍痛を感じたり、歯を一本欠損しただけでも嚙む力が激減します。噛み方が変わり、食生活が変わり、歯が汚れやすくなります。
私たち歯科医療従事者は、患者様のお口の中をより健康に、よりよい状態を長く維持していただけるように、細部に取り残したプラークをチェックし、歯肉の変化に目を向けながら、パートナーとなりサポートさせていただきたく思っています。
もし、ブラシ選びや歯ブラシの仕方でお困りの事がございましたら、ご遠慮なくご相談ください。歯並び、お口の環境、食生活、癖など人の数だけ違いがございますので、最も適した歯ブラシや歯磨き剤、歯ブラシの仕方を提案したいと思います。