歯のコラム column
歯がしみる、痛い・・・・知覚過敏について
2023.07.11
未指定仙台市若林区新寺のほんま歯科の歯科衛生士のKです。
7月に入って、暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?暑い日に、冷たいものを口にするのは最高ですよね。今日は、知覚過敏についてお話します。
知覚過敏とは
冷たい飲食物や、甘いもの、ハブラシの毛先が触れたり、寒い時期に風にあたった時、ズキッとしたり、キーンとしみる等。虫歯ではないのに歯がしみる、この症状が知覚過敏です。
歯がしみるだけ、我慢できないこともないし…と放置されている方、歯がしみる症状は、歯が傷んでるサインかもしれません。
1.知覚過敏が起こる理由
まずに歯の構造についてお話いたします。
歯を断面で見ると中心に「歯の神経」があります。
それを覆うように象牙質とエナメル質があります。
「歯の神経」からは、微細な管が無数に伸びて、その管を通って栄養が象牙質に送られていきます。
この管が「象牙細管」で、管の中は空洞ではなく
「歯髄液」で満たされています。
歯ぎしりなど、エナメル質の表面がすり減ったり、
歯周病や過度の歯磨きで、歯ぐきが下がると今まで隠れていた象牙質がむき出しになり「象牙細管」も露出します。
この露出した「象牙細管」が知覚過敏の主な原因なのです。
2.冷たいものや、甘いものがしみる理由
露出した「象牙細管」がくせものになります。
そこに冷熱や甘味、ハブラシの刺激や細菌などの刺激が加わると、前述の「象牙細管」の中を満たしている「歯髄液」が活発に動くことで「歯の神経」に刺激が伝わり、これが痛みとして感じられるのです。
3.知覚過敏の治療
まずは「歯磨き」です。
知覚過敏用の歯磨き剤を使い続けることを、お勧めします。歯磨き剤に含まれる成分に注目して下さい。
①1450ppmの高濃度フッ素
フッ素は再石灰を促進させ象牙細管を少しずつ封鎖します。
②硝酸カリウム
知覚を「鈍麻」させます。(神経の反応を抑える働きがあります)
③乳酸アルミニウム
開口した象牙細管をふさぎ、刺激をブロックします。
歯磨き剤の裏の成分に記載がありますので、ぜひ確認してみてください。また、知覚過敏の歯磨き剤は、歯を磨いた後に、歯ブラシなどに歯磨き粉をつけて歯が染みる歯の根元にこすりぬりするように使ってください。こうすることでより効果的に知覚過敏の薬用成分が歯に浸透します。
4.歯科医院での処置について
歯科医院で使用する知覚過敏のお薬は「鈍麻」、「封鎖」、「コーティング」で症状を抑える処置をします。歯磨き粉と大きく使うのは歯科医院で用いるものは高濃度であるためその効果はとても強いです。
「鈍麻」に関しては、知覚過敏を抑制する薬(硝酸カリウム)を塗布します。
「封鎖」は当院で用いているものでは、歯の成分であるハイドロキシアパタイトをナノ粒子化して象牙細管を防ぐものがあります。
さらに症状が治らない場合は、
「コーティング剤」を塗布して露出した象牙細管をコーティングします。
歯がしみる症状は、知覚過敏の他、歯周病により歯の根が露出する、歯ぎしりや硬いものを好んで食べたりして歯がすり減る、歯の根元がくさび状に欠損する、歯がひび割れする、酸蝕歯(すっぱい飲食物の摂りすぎなどで、歯の表面が溶けて象牙質が露出すること)、再発むし歯等、原因となる歯のトラブルは多数ございます。
それらの原因を鑑別して歯科医院では治療をします。
歯がしみるは奥が深いので、しみるだけだからといって放置しないで是非受診して下さい。
知覚過敏が辛くて悩んでいる方はぜひ当院にご相談下さい。