歯のコラム column

歯並びの理由パート2(改訂版)

2023.07.19

未指定

こんにちは。歯科衛生士のN&Kです。                                    前回、「歯並びの理由」についてお話をしましたが”お口の中お口周りの筋力バランス”がとても大切なんですよ!

お口はいつも閉じていますか?

今日は、お口の中の「ベロ」についてお話をします。

ベロには正しい位置がある

ベロには正しい位置があるって知っていますか?

ベロは上アゴに付けておくのが正しい位置です。

上の前歯の裏側近くの歯茎、上アゴの位置を”スポット”と言います。 

ベロの先はスポットに付けるようにしましょう。

なぜベロの先をスポットに付けるのかというと、歯並びはベロの形と同じように並ぶからです。

ベロがスポットについていないと、歯の内側からの力が歯にかからないため

ほっぺの力で歯並びが悪くなってしまいます。

子どもの頃はアゴも大きく成長しています。

成長過程で、アゴにも適切な力が加えられないと、アゴの成長にも影響が出てしまいます。

”スポット”という名前は歯並びにとても影響する大事な言葉ですので、是非覚えて下さい。

ベロのスポットについて

現代人は昔と比べて硬いものを食べなくなったせいで、ベロの筋力が弱っているため、ベロがスポットについていなくて下がった状態で生活している人が多いようです。

硬い食べ物を食べる時には、奥歯を使って細かく噛み砕いてから飲み込みますよね。

この時、ベロも自然と動いて筋力トレーニングしているんです。

食べ物の硬さだけではなく、年齢に合った食事形態もベロの筋肉運動に関わってきます。

年齢といっても歯の年齢ですので、歯の本数によって食べ物の硬さ、大きさなどを変える必要があります。

ベロが自然と上がらず、下がってしまって、間違った位置で生活している人が多くなっています。ベロがスポットについていないと歯並びが悪くなります。

ベロの先が上の前歯の裏側についている人は、出っ歯(上顎前突)になりやすい。 ベロの先が下の前歯の裏側についている人は、受け口(下顎前突)になりやすい。

また、最近の子ども達に多いベロのくせに、舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)があります。

「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」とは簡単にお話しすると、発音時や嚥下時(食べ物、飲み物を飲み込む時)などに、舌を前方に突き出したり、正常ではない舌の動かし方をする癖のことです。

【舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)に関連する因子】

1.口呼吸

アレルギー性鼻炎などで鼻に疾患があると、いつも口をポカーンと開け、下はダラリと緩んだ状態で下の歯についている状態で、口呼吸をするようになる。

2.舌小帯強直症

舌の裏の筋が短いと、舌の可動範囲が狭くなり、嚥下および発音時の舌の動きが制限される。

3.指しゃぶり

指しゃぶりによりかみ合わせた状態で前歯に隙間が開いたり、出っ歯になると、嚥下時に隙間を塞ぐように舌を前に押し出すようにして飲み込むようになる。

 

4.顎顔面の状態

受け口などの噛み合わせでは、顎の形態により、舌が低位になりやすくなる。

 

5.その他

巨大舌、口腔機能の発達、さまざまな口腔習癖、身体的異常などがある。

 

これらの因子が単独、もしくは複数重なって起きると考えられます。

舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)がある方は、安静時に舌がだらんと下がっていて、舌の先は下の前歯のに接触していることもあります。                                                           この状態を低位舌(ていいぜつ)といいます。嚥下時には、舌が前歯を内側から押し、口周りの筋肉を使い飲み込みます。

舌突出癖や低位舌といった口腔習癖があると、歯を取り囲む舌や唇、頬の筋力バランスが崩れ結果として歯並びが悪くなってしまう原因となります。

普段意識していないうちに、ベロの位置によって歯並びが悪くなってしまう可能性があるので、気づいた時には意識的にベロの先をスポットにつけるよう努力しましょう。前回のお話しと同様、ベロもお口周りの筋肉なのでベロの位置や筋力のかけ方が歯並びに大きく関係しているということです。

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