歯のコラム column

歯科と持病やお薬の関係〜前編〜

2023.09.12

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歯科と持病やお薬の関係〜前編〜

こんにちは。

 仙台市若林区新寺のほんま歯科です。

本日は、歯科と持病や患者さんが飲んでいるお薬の関係についてお話します。

歯医者さんに行った際、問診票の記入などで持病や飲んでいるお薬について聞かれたり、受付で「お薬手帳のコピーを取らせてください」などと、声をかけられたことはありませんか?「持病や飲んでる薬についてあまり言いたくない」

「飲んでる薬はあるけど、歯科で報告する必要があるの?」と、思う方もいらっしゃるかもしれません。

歯科で、患者さんの持病やお薬について把握することは、とても重要なことです。病気やお薬を把握しないまま治療が進むと、生命の危機が生じたり、治療後の痛み、腫れ、出血、予後などに繋がり、患者さんが苦しい思いをすることになってしまうからです。

そこで今回は、歯科と服薬がどのように関係するのかお話していきます。

どんなお薬が歯科に関係するの?

飲んでいる薬があった場合、種類に限らず報告していただきたいのですが、今回は罹患されている、または服薬が多いとされる以下のお薬についてお話します。

①高血圧の薬

②血栓症の薬

③骨粗鬆症の薬

④糖尿病の薬

⑤自己免疫疾患の薬

 

それぞれどんな関係があるかお話していきます。

①高血圧の薬と歯科の関係

【高血圧の薬の役割】

高血圧のお薬は、「降圧剤」と呼ばれ、名前の通り、高す血圧を下げる役割があります。

【高血圧を把握する必要】

高血圧の患者さんは、治療時緊張されてさらに血圧が上がります。

血圧が上がると心臓がドキドキし、脳の血管の内圧が上がります。

パンパンになった血管が耐えられなくなり、血管が破れてしまうと、脳出血を起こす可能性があります。

こうなると、緊急搬送が必要になり、最悪死に至ることもあります。

【高血圧の既往がある患者さんへの対応】

高血圧の既往のある方、服薬のある方はスタッフへ伝えてください。

当院では、チェアサイドで血圧を測定し患者さんのご体調や顔色を見ながら治療をしています。

患者さんの身体が1番ですので、血圧が下がらない場合は、その日の処置内容を変更することがあります。

 

②血栓症の薬と歯科の関係

【血栓症の薬の役割】

血栓の発症を抑制します。

抗血小板薬と抗凝固薬があり、「血液をサラサラにするお薬」と呼ばれることも多いです。

【血栓症を把握する必要】

抗血栓薬を服薬している方は、出血が止まりにくくなります。

そのため、抜歯やインプラントなど外科治療の際に影響します。

【血栓症の既往がある患者さんへの対応】

抜歯やインプラントなどの外科治療の後に、ガーゼを通常の患者さんよりも長く噛んでいただき圧迫止血をしたり、「止血シーネ」といったマウスピース型の装置を事前に作り、血が止まるまで止血シーネを噛んで頂くことがあります。

多数の歯を抜かれる場合など、より専門的な技術が必要な場合は、歯科口腔外科へ紹介する場合があります。

 

③骨粗鬆症の薬と歯科の関係

【骨粗鬆症の薬の役割】

骨粗鬆症とは、骨代謝のバランスが崩れて、破骨細胞による骨の吸収が増える状態になっているため、骨吸収を抑制する役目が骨粗鬆症の薬です。

特に、「ビスフォスフォネート」という製剤が有名です。

【骨粗鬆症を把握する必要】

骨粗鬆症のお薬を服薬している方は、骨代謝を人為的に変える薬の影響により、抜歯やインプラントなどの侵襲の大きい治療を受けた際に、あごの骨が壊死してしまう可能性があります。

頻度は推定0.1%と多くはないものの、一度発症すると治りにくいため注意が必要です。

【骨粗鬆症の既往がある患者さんへの対応】

骨粗鬆症の服薬のある方はスタッフへ伝えてください。

お薬の影響は、数ヶ月残るため、数週間前に使用を辞めたという方でも忘れずにお伝えください。

抜歯などの治療が必要になった際は、医科の主治医と相談して薬の内容を見直したり、治療方針を変更することがあります。

 

長くなりそうなので、ここで1度切らせて頂きます。

 歯科と服薬の関係について、続編に続きます!

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