歯のコラム column

あなたは一生、好きなものを食べ続けられますか?歯を失う原因と「歯の一生」④

2026.09.22

健康について

こんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科、ほんま歯科です。

病気や入院を経験したとき、私たちは初めて「食べる」という当たり前の行為の尊さに気づかされます。

先日、胃腸炎による入院で、1週間の絶食と流動食生活を経験された方のお話を聞く機会がありました。

その方は、こう話されていました。

「好きなものを味わって食べられることが、どれほど人生を豊かにしてくれていたか痛感した」

その言葉には、深い実感がこもっていました。

点滴や流動食は、体に必要な栄養を補給してくれます。しかし、

· 味わう喜び

· 噛む心地よさ

· 誰かと食卓を囲む楽しさ

までは届けてくれません。

みなさんは今、自分が本当に食べたいもの、好きなものを、自分の歯で美味しく食べられていますか?

普段は当たり前に感じている「食べる」という行為。

しかし、病気や入院、歯の痛みなどによって思うように食事ができなくなると、

「好きなものを味わって食べられることは、本当にありがたいことだった」と気づく方も少なくありません。

食事は、単に栄養を摂るだけではありません。

· 好きなものを味わう

· 家族や友人と食卓を囲む

· 季節の食材を楽しむ

· 食感や香りを感じる

こうした時間も、私たちの生活の楽しさにつながっています。

その「食べる楽しみ」をできるだけ長く守るために、今回は、

「なぜ歯を失うのか」
「歯はどのような経過で弱くなるのか」
「一生自分の歯で食べるために何ができるのか」について、仙台市若林区新寺のほんま歯科がわかりやすく解説します。

あなたは一生、好きなものを食べ続けられますか?歯を失う原因と「歯の一生」④

歯は「年を取ったから」自然に抜けるわけではありません

「年齢を重ねたら、歯が抜けるのは仕方がない」と思っていませんか?

実際には、歯を失う主な原因は加齢そのものではありません。

厚生労働省でも、歯を失う二大原因として、「歯周病」と「むし歯」が挙げられています。

2018年に全国2,345の歯科医院で行われた抜歯原因調査では、

· 歯周病:約37%

· むし歯:約29%

· 歯の破折:約18%

· その他:約8%

· 埋伏歯:約5%

· 矯正:約2%

という結果でした。

単独の原因としては、歯周病が最も多い結果です。

一方で、歯の破折の多くには、過去にむし歯が進行して神経の治療を受けた歯が含まれると考えられています。

そのため、厚生労働省では、歯を失う大きな原因は「歯周病」と「むし歯」と整理しています。

あなたは一生、好きなものを食べ続けられますか?歯を失う原因と「歯の一生」④

歯を失う大きな原因① 歯周病

歯周病は、歯の周囲に付着したプラーク(歯垢)の中の細菌によって、歯ぐきに炎症が起きる病気です。

進行すると、歯を支えている歯槽骨という骨が失われていきます。

歯周病で怖いのは、初期には強い痛みが出ないことが多いという点です。

そのため、「痛くないから大丈夫」と思っている間に進行することがあります。


歯周病の主なサイン

次のような症状はありませんか?

· 歯磨きをすると血が出る

· 歯ぐきが赤い

· 歯ぐきが腫れる

· 朝、口の中がネバネバする

· 口臭が気になる

· 歯ぐきが下がってきた

· 歯が長く見える

· 歯が動く

· 硬いものが噛みにくい

歯周病が進行して歯を支える骨が減ると、歯がグラグラし、最終的に抜歯が必要になることがあります。

厚生労働省も、歯周病は初期には自覚症状が乏しいため、歯科医院での検査が重要だとしています。


歯を失う大きな原因② むし歯

むし歯も、歯を失う大きな原因です。

初期のむし歯であれば、状態によっては削らずに経過をみることができる場合もあります。

しかし、進行したむし歯では歯を削って、

· 詰め物

· 被せ物

· 根管治療

などが必要になることがあります。


ご存じですか?「歯の一生」という考え方

歯は、一度治療したらそれで一生終わり、とは限りません。

例えば、

小さなむし歯

詰め物

再びむし歯

大きな被せ物

神経の治療

歯質が少なくなる

破折などのリスクが高まる

という経過をたどる歯もあります。

これはよく、「リピート・レストレーション・サイクル」などと呼ばれる考え方です。

一度削った歯は元の天然歯には戻りません

歯は、髪の毛や爪のように削った部分が再び生えてくるわけではありません。

詰め物や被せ物によって機能や形を回復することはできますが、削る前の天然歯そのものに戻るわけではありません。

だからこそ重要なのが、「できるだけ最初のむし歯を作らない」ことです。

また、すでに治療した歯についても、「再びむし歯にしない」ことが大切になります。


「一度治療した歯は40〜50年で抜ける」は本当?

一度治療した歯について、「最初の治療から40〜50年ほどで抜歯になるのではないか」と心配される方がいらっしゃいます。

しかし、これはすべての歯に共通する決まった寿命ではありません。

治療した歯がどのくらい長く使えるかは、

· むし歯の大きさ

· 残っている歯質の量

· 歯周病の状態

· 噛む力

· 歯ぎしり・食いしばり

· 詰め物や被せ物の状態

· セルフケア

· 定期的なメインテナンス

などによって大きく変わります。

そのため、

「治療した歯は何年後に必ず抜ける」と一律に考えることはできません。

治療後も適切なセルフケアと定期的なメインテナンスを続けることで、長く使える可能性があります。


神経を取った歯は「枯れ木」になる?

神経の治療をした歯について、「神経を取ると枯れ木のようになって、必ず割れる」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

しかし、神経の治療をした歯が必ず抜歯になるわけではありません。

ただし、根管治療が必要になる歯は、もともと大きなむし歯などで歯質を失っていることが多く、治療によってさらに残っている歯質が少なくなる場合があります。

そのため、健康な歯と比較すると、破折などのリスクが高くなることがあります。

大切なのは、

· 歯質をできるだけ残す

· 適切な被せ物を行う

· 噛み合わせを確認する

· 歯ぎしり・食いしばりを管理する

· 定期的に状態を確認する

ことです。

歯を1本失うと他の歯も必ず悪くなる?

歯を1本失ったからといって、必ず他の歯まで次々に失うわけではありません。

しかし、歯を失った場所や本数によっては、

· 隣の歯が傾く

· 反対側の歯が伸びてくる

· 他の歯への噛む力の負担が増える

· 噛める食品が減る

といった問題が起こる場合があります。

特に奥歯は噛み合わせを支える重要な役割があるため、奥歯を失うと残っている歯への負担が変化することがあります。そのため、歯を失った場合は放置せず、その方のお口に合った治療方法を検討することが大切です。


「噛めること」は健康寿命にも関係しています

歯やお口の機能が低下すると、食べられる食品が変わることがあります。

例えば、「肉が噛みにくい」「野菜を避けるようになった」「柔らかいものばかり選ぶようになった」

という状態です。

食べられる食品の種類が減ると、食事内容が偏り、低栄養などにつながる可能性があります。

また、「食べる」「話す」「人と食事をする」といった行動は、社会参加や生活の楽しさにも関係します。

そのため、お口の健康を守ることは、単に歯を残すだけではなく、

健康寿命を考えるうえでも大切な要素

といえます。


一生自分の歯で食べるためにできる4つのこと

① 毎日の歯磨き

基本は毎日のセルフケアです。

特に就寝中は唾液の分泌が少なくなるため、寝る前の歯磨きを丁寧に行いましょう。

フッ化物配合歯磨剤を上手に使うことも、むし歯予防に役立ちます。


② デンタルフロス・歯間ブラシを使う

歯と歯の間は、歯ブラシだけでは清掃しにくい場所です。

そのため、

· デンタルフロス

· 歯間ブラシ

を併用することが大切です。

どちらが適しているかは、歯と歯のすき間や歯周病の状態によって異なります。

ほんま歯科では、患者さんのお口に合わせて、歯科衛生士が清掃用具や使用方法をご提案しています。


③ むし歯だけでなく歯周病を検査する

「痛い歯がないから問題ない」

とは限りません。

歯周病は痛みが少ないまま進行する場合があります。

歯科医院では、

· 歯周ポケットの深さ

· 歯ぐきからの出血

· 歯の揺れ

· プラークの付着

· 必要に応じてレントゲン

などを確認し、歯周病の状態を評価します。


④ 定期的なメインテナンスを続ける

歯科医院でのメインテナンスは、

「歯石を取るだけの時間」ではありません。

むし歯や歯周病の変化だけでなく、

· 詰め物・被せ物

· 噛み合わせ

· 歯ぎしり・食いしばり

· セルフケア

· 食生活

· お口の乾燥

なども確認し、その方のリスクに合わせて管理していきます。


「治療型」ではなく「予防管理型歯科」へ

仙台市若林区新寺のほんま歯科では、「痛くなったら治療する」だけではなく、

「できるだけ病気を作らない」
「治療した歯を再び悪くしない」
「自分の歯をできるだけ長く使う」ことを重視しています。

これが、ほんま歯科が大切にしている予防管理型歯科の考え方です。

必要な初期治療をしっかり行ったうえで、患者さん一人ひとりのリスクに合わせたメインテナンス間隔をご提案します。


よくある質問(Q&A)

Q. 歯を失う一番多い原因は歯周病ですか?

A. 2018年の全国抜歯原因調査では、単独の原因では歯周病が約37%で最も多く、むし歯が約29%、歯の破折が約18%でした。ただし、破折の多くにむし歯由来の無髄歯が含まれるため、歯を失う大きな二大原因は「歯周病」と「むし歯」と考えるのが適切です。


Q. 年齢を重ねれば歯は自然に抜けますか?

A. 年齢だけで歯が抜けるわけではありません。むし歯や歯周病などの病気を予防・管理することで、高齢になっても多くの歯を残すことは可能です。


Q. 神経を取った歯は必ず抜歯になりますか?

A. いいえ。必ず抜歯になるわけではありません。ただし、残っている歯質が少ない場合などは破折リスクが高くなることがあります。適切な修復と継続管理が重要です。


Q. 一度治したむし歯は、もう安心ですか?

A. 治療した部分の周囲から再びむし歯になることがあります。これを二次う蝕と呼びます。治療後も歯磨き、フロス、定期的なチェックが大切です。


Q. 歯がグラグラしていても痛くなければ大丈夫ですか?

A. 歯周病が進行している場合、痛みが少なくても歯を支える骨が減っていることがあります。歯が動く場合は早めに検査を受けましょう。


Q. 定期検診に通えば絶対に歯を失いませんか?

A. 絶対に歯を失わないと断言することはできません。ただし、むし歯や歯周病を早期に発見し、セルフケアを改善し、治療後の状態を継続的に管理することは、歯を長く残すために重要です。

 

あなたは一生、好きなものを食べ続けられますか?歯を失う原因と「歯の一生」④

まとめ|「好きなものを食べられる未来」を今から守りましょう

好きなものを、自分の歯で噛んで食べる。

これは、当たり前のようでいて、人生の大きな楽しみの一つです。

病気や入院を経験すると、食べることのありがたさを改めて実感することがあります。

点滴や流動食は体に栄養を届けてくれますが、

「味わう喜び」「噛む心地よさ」「誰かと食卓を囲む楽しさ」

までは届けてくれません。

だからこそ、今、自分の歯で好きなものを食べられていることを大切にし、その状態をできるだけ長く守っていくことが重要です。

歯を失う主な原因は、歯周病とむし歯。

そして、そのどちらも、

「痛くなってから治療する」だけではなく、「悪くなる前から管理する」ことが重要です。

一度削った歯は、完全な天然歯に戻るわけではありません。

だからこそ、

· むし歯を作らない

· 歯周病を早期発見する

· 治療した歯を再発させない

· 噛み合わせや食いしばりも確認する

· 定期的なメインテナンスを続ける

ことが大切です。

仙台市若林区新寺の予防管理型歯科、ほんま歯科では、患者さんができるだけ長くご自身の歯で食事を楽しめるよう、治療だけではなく継続的な予防管理を大切にしています。

「最近歯医者に行っていない」「歯ぐきから血が出る」「昔治療した歯が多い」「これから自分の歯をできるだけ残したい」という方は、ぜひ一度お口の状態を確認してみてください。

一生、自分のお口でおいしく食べる。そのための準備は、痛くなる前から始まっています。


【歯科医師・歯科衛生士監修】

 

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