歯のコラム column
3分で若々しい口元へ?お口から始めるオーラルフレイル予防トレーニング
2026.10.17
健康についてこんにちは。仙台市若林区新寺にある予防管理型歯科、ほんま歯科です。
「最近、食事中にむせることが増えた」
「以前より滑舌が悪くなった気がする」
「口角が下がり、口元の印象が変わってきた」
「硬い食べ物を避けるようになった」
このような変化はありませんか?
一見関係がなさそうに見える「口元の変化」と「食べにくさ」ですが、どちらにも唇・舌・頬など、お口の周りの筋肉や機能の低下が関係している場合があります。
お口のささいな衰えを放置すると、食べられる食品が減り、栄養状態や人との会話、外出の機会にまで影響する可能性があります。
そこで近年、健康寿命を支えるために注目されているのが、オーラルフレイル予防です。
今回は、毎日の生活に取り入れやすい「1日約3分のお口のトレーニング」を、仙台市若林区新寺のほんま歯科がご紹介します。
オーラルフレイルとは?
オーラルフレイルとは、噛む・飲み込む・話すといったお口の機能に、ささいな衰えが現れた状態を指します。
日本歯科医師会では、オーラルフレイルの始まりとして、滑舌の低下、食べこぼし、わずかなむせ、噛みにくい食品の増加、口の乾燥などを挙げています。早い段階では本人も気づきにくいことが特徴です。
◆このような変化はありませんか?
· お茶や汁物でむせることがある
· 食事に時間がかかるようになった
· 硬い肉やたくあんを避けるようになった
· 食べこぼしが増えた
· 「パ」「タ」「カ」が言いにくい
· 口が乾きやすい
· 口角が下がったように感じる
· 人と話す機会が減った
一つだけで病気と決まるわけではありませんが、以前より変化が増えている場合は、お口の機能を見直すタイミングです。
お口の筋肉が衰えると何が起こる?
私たちは、唇・舌・頬・あご・喉を連動させて、食べたり、飲み込んだり、話したりしています。
しかし、加齢、全身疾患、薬の副作用、歯の喪失、合わない入れ歯、低栄養、会話や外出機会の減少などが重なると、お口の機能は徐々に低下します。
見た目に現れやすい変化
· 口角が下がる
· 表情が乏しく見える
· 唇を閉じにくくなる
· 頬や口元に力が入りにくくなる
口の体操は美容医療のような効果を保証するものではありませんが、普段あまり使っていない唇や頬を動かすことで、表情をつくりやすくすることが期待できます。
機能に現れやすい変化
· 食事中にむせる
· 食べ物をまとめにくい
· 食べこぼす
· 滑舌が悪くなる
· 唾液が少なく感じる
· 噛みにくい食品が増える
口腔機能低下症は、口腔衛生状態、口腔乾燥、咬合力、舌口唇運動、舌圧、咀嚼、嚥下という7項目のうち、3項目以上に低下が認められた場合に診断されます。
1日約3分!オーラルフレイル予防トレーニング
道具を使わず、ご自宅で取り組める3種類の体操をご紹介します。
毎日必ず3分行わなければならないわけではありません。体調に合わせて、痛みや強い疲れが出ない範囲から始めましょう。
① 口・舌を大きく動かす「あいうべ体操」
期待できること
· 唇や舌を動かす練習
· 口を閉じる意識づけ
· 表情筋への刺激
· 舌の可動域を保つ
· 鼻呼吸を意識するきっかけ
やり方
1. **「あー」**と、口を縦に大きく開けます。
2. **「いー」**と、口角を横に広げます。
3. **「うー」**と、唇を前に突き出します。
4. **「べー」**と、舌をできるだけ前に出します。
それぞれ無理のない範囲で、ゆっくり大きく動かします。まずは3~5回程度から始め、慣れてきたら回数を増やしましょう。
【注意点】
あごに痛みがある方や顎関節症の方は、大きく開けすぎないようにしてください。痛みが出る場合は中止し、歯科医院へご相談ください。
② 舌の動きを保つ「舌回し体操」
期待できること
· 舌を動かす練習
· 食べ物をまとめる力の維持
· 唾液分泌への刺激
· 頬や口周りの運動
· 飲み込む機能の維持
やり方
1. 唇を軽く閉じます。
2. 舌先を歯と唇・頬の間に入れます。
3. 歯の外側をなぞるように、舌をゆっくり一周させます。
4. 右回りと左回りを、それぞれ5回程度行います。
慣れてきたら、無理のない範囲で10回程度まで増やしてもよいでしょう。
注意点
強い疲れ、舌やあごの痛み、違和感が出た場合は回数を減らしてください。「痛いほど効いている」というわけではありません。
③ むせ・滑舌対策の「パタカラ発音」
「パ・タ・カ・ラ」は、それぞれ異なるお口の動きを使う発音です。
それぞれの音が表す動き
· パ: 唇を閉じて開く動き
· タ: 舌先を上あごにつける動き
· カ: 舌の奥を動かす動き
· ラ: 舌先をすばやく動かす動き
やり方
まずは、次のようにはっきり発音します。
「パ・パ・パ・パ・パ」
「タ・タ・タ・タ・タ」
「カ・カ・カ・カ・カ」
「ラ・ラ・ラ・ラ・ラ」
最後に、「パタカラ、パタカラ、パタカラ」と、できる範囲で続けて発音します。
速さだけを競うのではなく、一音ずつ明瞭に発音することが大切です。
口腔機能精密検査では、「パ」「タ」「カ」を一定時間に何回発音できるかを測り、舌や唇の運動機能を確認する検査も行われます。
お口のトレーニングにはどのような効果がある?
口腔体操では、唇・頬・舌などを動かします。日本歯科医師会も、口腔体操によって唇や頬、舌の動きを促し、食べる・飲み込む・話す機能を保つ取り組みを紹介しています。
継続することで、次のような変化が期待されます。
· 舌や唇を動かしやすくなる
· 唾液が出るきっかけになる
· 食事や会話に必要な動きを保ちやすくなる
· 毎日の口腔機能への意識が高まる
· 家族との会話や外出を続けるきっかけになる
ただし、体操だけですべてのむせや飲み込みの問題が改善するわけではありません。
むせが頻繁にある、体重が減った、食事に長時間かかる、食後に声がかすれる、発熱を繰り返すといった場合は、自己流の体操だけで済ませず、歯科・医科での評価が必要です。
オーラルフレイルと健康寿命の関係
お口の機能が低下して硬い食品を避けるようになると、食事内容が偏り、低栄養につながることがあります。
また、滑舌が悪くなり、人との会話や外出を避けるようになると、社会とのつながりが減ってしまう可能性もあります。
日本歯科医学会は、口腔機能低下症を放置すると、咀嚼障害や摂食嚥下障害に進み、低栄養、フレイル、サルコペニアなど全身の健康へ影響する可能性があるとしています。
そのため、高齢化が進む現在では、歯科だけでなく、内科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション、栄養管理、介護などを含めた医科歯科連携・多職種連携が重要です。
ほんま歯科で行う口腔機能精密検査
仙台市若林区新寺の予防管理型歯科「ほんま歯科」では、口腔機能低下症が疑われる方に対し、口腔機能精密検査を行っています。
検査では、主に次の機能を確認します。
· お口の衛生状態
· お口の乾燥
· 噛む力
· 舌や唇の動き
· 舌の力
· 咀嚼する力
· 飲み込む機能
検査結果をもとに、患者さん一人ひとりに必要な口腔ケア、トレーニング、食事の工夫、歯や入れ歯の治療などをご提案します。
口腔機能低下症に対する保険診療上の管理は、原則として50歳以上が対象ですが、すべての方が自動的に保険適用になるわけではありません。診断、実施する検査、歯や入れ歯の状態などによって異なるため、詳しくは受診時にご確認ください。口腔機能管理の対象は、2020年度の診療報酬改定で65歳以上から50歳以上へ拡大されています。
よくある質問(Q&A)
Q. お口の体操は毎日しないと効果がありませんか?
A. 無理なく継続することが大切です。毎日できない場合でも、歯磨き後や入浴中など、生活の中で続けやすい時間を決めて取り組みましょう。
Q. 3分続ければ、ほうれい線や二重あごが改善しますか?
A. 口腔体操は美容効果を保証するものではありません。唇・舌・頬を動かすことで表情をつくりやすくなる可能性はありますが、見た目の変化には個人差があります。
Q. むせがある場合も体操だけで大丈夫ですか?
A. 頻繁にむせる、食後に声が変わる、体重が減る、発熱を繰り返す場合は、嚥下機能が低下している可能性があります。早めに歯科医院や医療機関へご相談ください。
Q. 入れ歯を使っていても口腔機能検査を受けられますか?
A. はい。入れ歯の方も検査できます。入れ歯が合っているか、十分に噛めているかも含めて確認します。
Q. 口腔機能低下症の検査は何歳から受けられますか?
A. 口腔機能の検査自体は、症状や状態に応じて検討できます。保険診療上の口腔機能管理は原則50歳以上が対象ですが、詳しい適用条件は歯科医院での確認が必要です。
まとめ|早めの気づきがお口と全身の健康を守ります
オーラルフレイルは、突然起こるものではありません。
· 少しむせる
· 食べこぼしが増える
· 滑舌が悪くなる
· 硬いものを避ける
· 口が乾く
といった、ささいな変化から始まります。
早い段階で気づき、歯や入れ歯の治療、口腔ケア、食生活の見直し、適切なトレーニングを行うことで、お口の機能を維持・改善できる可能性があります。
毎日約3分のお口の体操を、将来も自分の口でおいしく食べ、楽しく話すための新しい習慣として始めてみましょう。
仙台市若林区新寺の予防管理型歯科、ほんま歯科では、口腔機能低下症の検査・診断・継続管理を行っています。
「最近むせるようになった」「口が乾く」「食べにくいものが増えた」「自分のお口の機能を調べたい」という方は、定期検診の際にお気軽にご相談ください。
【歯科医師・歯科衛生士監修】