歯のコラム column
歯並びの良い子に育てよう
2025.03.18
健康についてこんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院ほんま歯科の歯科衛生士のKです。
前回のブログの続きです。[その1]はそちらをご参照ください。
矯正治療を始める前に、知っておいてほしいこと
[その2]
重要な問題点を発見し、難易度を見極めてもらうことが肝心
市の健診や学校の歯科健診で、歯並びや、咬み合わせのチェックが当たり前のように行われるようになってきましたが、「子どもの矯正治療の必要性や難易度を見極めるのはとても難しい。歯科医師による差はある。」ということを、知っておいていただきたいと思います。
矯正治療専門医で色んな症例を経験した先生と、そうではない先生とでは、診断、治療方針が異なるのです。経験を積んだ先生どうしでも、異なる場合もあります。たとえば、インフルエンザの場合には決まった検査キットのようなものがあり、反応の有無でインフルエンザかどうかとその型が決まります。結果はどの医師でも同じでしょう。
しかし、不正咬合の見極めは異なります。知識や経験の差によって、見極める力、診断治療方針は大きく異なるのです。「インフルエンザとは違う」ということをわかっておいてください。多くの方は「前歯のガタガタを治すのが矯正治療」とイメージされているようです。「前歯がゆがんで生えてきました。前歯が並びきらないと思います。」と言ってお子さんを連れてこられることも多いです。しかし、前歯が並ばないことよりも、もっと重要な問題が隠れていることが多いことも、知っていただきたいと思います。
また、集団での学校健診では虫歯しかチェックされていないこともあるようです。奥歯が正常に生えていない、咬み合わせがずれている、舌や口唇の使い方に問題があるなど、より重要な問題点を見抜くことが肝心なのです。
骨格の問題も重要です。上顎が小さい、下顎が小さいといった場合には、成長のコントロールが必要です。家を建てるときの土台や柱などの基礎工事のようなものです。それに対し、歯のガタガタを治すことは、壁紙を貼ったりドアをつけたりすることに当たります。
壁紙やドアは後からでも交換できるが、基礎工事は最初が肝心です。基礎工事のほうがより重要であることはおわかりいただけると思います。子どもの矯正治療は、その後の歯および全身の健康はもちろん、心の発達にも大きな影響
を与える大切な医療です。ただ、「前歯がきれいになればいい」「安く治療ができる」「どこで治しても同じ」などと安易に考えないで、問題点や難易度をしっかり見極めてもらってから、治療を開始してください。

[その3]
子どもの矯正歯科治療を理解するために全体の流れを知ろう
子どもの矯正治療って何?必要なの?
通常は永久歯の生え始めから正常な軌道を通って、永久歯の正しい歯並び、咬み合わせに向かっていきます。
しかし、軌道を外れ始めたら、成長発育とともに、どんどん正常な軌道から外れていってしまいます。かなり悪くなってから正しい歯並び、咬み合わせに戻すことも、今の矯正治療の技術をもってすれば、ほとんどの場合可能ですが、抜歯の確率が高くなったり、外科的矯正治療が必要になったりと治療が大掛かりになってしまうでしょう。
ですから、そうならないうちに軌道修正しましょう。矯正歯科の考え方として、一期治療と二期治療があります。「一期治療」は主に前歯の治療(小学校低学年)で二期治療は奥歯が生え変わってから(高校生)の治療があります。最初の軌道修正が「一期治療」です。一期治療によって、そのまま軌道に乗り問題解決する症例もありますし、問題が残れば、「二期治療」で解決しましょう。たとえ二期治療が必要になっても、放置していた場合よりも簡単な治療で済むはずです。一期治療(小学校低学年)が無駄になることはありません。
永久歯が生えそろい大人の歯並び、咬み合わせになるのは高校を卒業する頃ですが、子どもたちの負担はそれほどでもありません。歯を積極的に動かして治療する期間を「動的治療期間」といい、一期と二期の2つの動的治療期間を短くすれば、観察期間は長くなるが子どもたちの負担は少ないでしょう。観察期間では、一期治療で移動した歯が後戻りしないか、永久歯の交換が正しく進んでいるか、新しい問題が起きていないかなどお子さんの発育に合わせてチェックしていきます。子どもの矯正治療は、大きな流れの一部であることを理解してください。子どもの矯正治療だけで終わる場合もありますが、本当に安心できるのは、大人と体格がほぼ同じ高校卒業の頃ですので、治ったように見えても観察だけは続けていくといいでしょう。目先だけにとらわれず、長い目で見ることが大切です。