歯のコラム column
メンテナンスについて
2024.09.18
健康についてこんにちは。仙台市若林区新寺のほんま歯科の歯科衛生士のAです。
皆さんはなぜ歯医者に定期的に通うメンテナンスが必要なのか、ご存知ですか?
痛いところもないし、むし歯の治療も終わったし歯医者には通わなくても大丈夫!と思っていらっしゃる方もいるかと思います。しかし、歯周病初期段階は自覚症状がないままゆっくりと進行していきます。実は歯周病にかかっていても気付いていない人は意外とたくさんいるのです。そして年齢が30代にさしかかる頃には8割の人が歯周病にかかってしまっているということも分かってきており、10代の若い頃から定期的に歯医者に通ってきた人とそうでない人で、80歳のころには歯の残存する数が2倍以上の差に開いてきてしまうのです。歯周病は若いうちからの適切なケア、定期検診などがとても大切なのです。
そして、歯周病メンテナンス(定期検診)は歯周病の予防や進行を抑制するための定期的な歯科治療や口腔ケアのことを指します。歯周病メンテナンスはどういったことをするのか、また何故必要なのかを詳しく以下で説明していきます。
1. 歯科医師による定期的な検診
歯周病の早期発見や進行の抑制のために、定期的な歯科検診が重要となります。歯科医師は歯周病の状態を評価するだけではなく、定期的に歯周病メンテナンスで口腔内をチェックすることで虫歯やその他の疾患(顎関節症、口腔がんなどの粘膜疾患)の早期発見や進行防止することにも繋がります。
2. 歯石除去やクリーニング
歯周病の原因となる歯石や歯垢を除去するために、専用の器具(スケーラー)を使用して歯石を取り除きます。歯石を取り除くことで歯周病の進行を抑制し、口腔内の清潔さを保ちます。また、歯石は2種類あり、縁上歯石と縁下歯石と呼ばれるものがあります。これは歯科領域で使用される用語で、歯石(歯垢の固化したもの)の付着箇所によって区別されます。どちらもブラッシングで除去することは容易でないため、専門の器具や知識が必要になります。
①縁上歯石(えんじょうしせき)
縁上歯石は、歯の歯肉側(歯ぐきに近い側)に付着する歯石のことを指します。通常、歯磨きや歯ブラシで取り除きにくい位置に存在するため、定期的な歯科検診や歯石のクリーニングで比較的容易に取り除くことができます。
② 縁下歯石(えんかしせき)
縁下歯石は、歯の歯肉側よりも根の方向に付着する歯石のことを指します。縁下歯石は歯ブラシではなかなか取り除きにくい位置に存在し、専用の器具や歯科衛生士の手技が必要となります。縁下歯石が放置されると、歯周ポケット内で細菌が繁殖し、歯周病の進行を引き起こす可能性が高まります。
縁上歯石と縁下歯石の違いは、主に歯石の付着箇所や取り除きやすさにあります。歯石は歯垢が硬化したものであり、歯磨き不足や口腔衛生の不十分さによって形成されます。歯石の定期的な除去や歯周病の早期発見・治療を行うことで、口腔健康を維持し、歯周病の進行を抑制することができます。
③歯ぐきの検査と治療: 歯周病の進行に伴い歯ぐきの状態が悪化することがあります。歯周病メンテナンスでは、歯ぐきの状態を評価し、必要に応じて歯ぐきの治療を行います。
④歯磨き指導: 歯周病の予防や管理には、適切な歯磨き方法が重要です。歯科医師や歯科衛生士は、患者に対して適切な歯磨き方法や口腔ケアの指導を行い、正しい歯磨きの習慣を身につけるようアドバイスします。
⑤ 口腔内の検査と健康管理: 歯周病の状態を定期的にチェックすることで、早期に異常を発見し、適切な対応を行うことが可能となります。また、口腔内の健康管理には、歯科医師や歯科衛生士による専門的なアドバイスやケアが重要です。
歯周病メンテナンスは、個々人の歯科状態やリスク要因に合わせてカスタマイズされたケアが提供されます。定期的な歯科検診や適切な口腔ケアを行うことで、歯周病の予防や管理が可能となり、口腔健康を維持することができます。歯周病メンテナンスを通じて、健康な歯周組織を保ち、口腔内の清潔さを維持することが重要です。