歯のコラム column
親知らずの抜歯はした方が良いのでしょうか?
2022.06.17
未指定こんにちは
ほんま歯科、院長の本間一弘です。
今日は、患者さんより受けた質問についてお答えしたいと思います。
「親知らずは抜歯した方が良いですか?」
結論から言います。
何回か親知らずの影響で奥の歯ぐきが腫れたことがある場合はすぐ抜くべきです!
また、今まで腫れたことがなくても、少しだけ歯の頭が見えているもしくは横を向いてはえている親知らずも早めに抜くのが望ましいです。
その理由を以下に書きますね。
現代人は食生活の変化により、顎の大きさが段々と小さくなってきています。
ところが、1つ1つの歯の大きさにはあまり変化がおきていません。
つまり、歯が並ぶ土台である顎が小さくなっているのにも関わらず、歯の大きさが変わらないから、歯がきれいに並ばなくなっているのです。
たとえ話で言い換えれば、4人掛けのイスが3人掛けのイスに変化しても、4人で座ろうとしているのが現代人の顎と歯の関係です。
実はこの事実をはっきり示したものがあります。
徳川幕府の歴代の将軍さまは代を追うごとに顎が小さくなっているのです。
これは、歴代の将軍さまの残っている顎の骨からもわかっております。
そして、実は将軍様方は歯周病や虫歯で大変苦労していた事実もあります。
なぜなら、きれいに歯が並ばないことで、歯を清潔にすることが難しくなり、歯周病や虫歯のリスクが上がっていたのです。これは、真っ平な床の汚れを拭きとるのと、凸凹した床の汚れを拭きとるのではどちらが簡単に汚れを拭きとる事ができるかを考えれば明白な事です。
そうです!
真っ平な床の汚れを取る方が断然楽ですよね。
話が長くなりましたが,親知らずがきれいに並ぶ人は、現代人では珍しくなっており、
多くの人において斜めや真横に埋まったままになっています。
骨の中で完全に埋まっていればよいのですが、歯茎の中には埋まっていても、骨から少し頭が出ていたりすると、そこから虫歯や歯周病が起こりやすくなり、まっすぐ生えている隣の大きい歯(12歳臼歯、第二大臼歯)に虫歯や歯周病を引き起こしてしまうことがあります。
特に下の親知らずで、わずかでも歯ぐきから歯の頭が見えている場合は要注意です。
真横になっている親知らずを残していたために
隣の大きい歯(12歳臼歯、第二大臼歯)が大きなダメージをうけて親知らずと一緒に抜かなければいけなくなる事があるからです。
当院おいては、30代後半以降の患者さんに多いのですが、親知らずが調子悪いと来院されてレントゲンやCTを撮影して診断したところ、12歳臼歯に大きなダメージを受けており、もっと早く親知らずを抜いていれば良かったのに・・・と思うことが正直たくさんあります。
私としてはまっすぐ生えている12歳臼歯はできるだけ何とか残そうとしますが、厳しい状態であるのは間違いないので予後に不安を感じます、
ですので、
20代の方にお勧めするのが、まず歯医者さんに行って親知らずの状態をレントゲンで見て診断してもらってください!
そのうえで早めに抜いたほうが良い場合はぜひ体力のある若いうちに抜いてください!
当院では、CTも完備しており、大学病院から口腔外科の先生も来ているので、他院で難しいと言われた親知らずも ほとんど抜歯できますので心配な方はぜひ問い合わせてみてください。