歯のコラム column

形態と機能の発育について

2023.05.17

未指定

若林区ほんま歯科の歯科衛生士Kです。

本日は動物の形態と機能の発育についてお話したいと思います。

赤ちゃんの形態と機能

動物の赤ちゃんは、「形態と機能」が未熟なまま生まれてきます。

特に人の赤ちゃんは未熟度が大きいと言われています。

口の形態と機能も未熟で、生まれたばかりの赤ちゃんには歯が生えてなく、この辺りの形態はサルと似ていると言われています。

そのため喋る事もできず、嚥下(飲み込む動作)も不完全で、おっぱいさえ飲めればいいという機能の状態です。その後、日数が経つにつれて徐々に、歯が生え始め離乳食を食べるようになり、形態が変わることにより機能も成熟していきます。

噛むという機能も覚えると、筋肉や骨格も発達していくようになります。

お母さんのお腹の中で体が作られている途中で生まれてきて、お腹の外に出てから一人前の動物に育つ、つまり生まれてから残りの成長を遂げ育っていくのです。

当たり前のようですが、形態と機能は、生後完成するということを再認識していただきたいと思います。

もちろん遺伝情報としてプログラムされている部分もありますが、生まれた後の環境因子で、その後の発育が大きな影響を受けることは予想できると思います。

常に自分の足で歩いている子どもと、車など乗り物にばかり乗っている子どもの足腰の形態と機能の発達が同じだとは考えにくいですよね。

いつも外で元気に走り回っている子どもと、室内でテレビゲームばかりしている子どもには筋力の差や見た目の違いができて当たり前です。

それと同じで、よく噛んで食べている子どもと、柔らかいものばかり食べて、顎や舌をあまり動かさない子どもとでは、顎の形態と機能の発育に差ができるのは当然のことでしょう。

正しい機能が正しい形態を育て、正しい形態が正しい機能を育てるのです。

口唇閉鎖とは

生まれたばかりの赤ちゃんは口唇が開いていると言われています。

通常、消化器官の出口である肛門は閉じているのが当たり前ですが、入り口である口は開いたまま生まれてくるので、閉じる事を教えなければいけません。

生まれたときから口唇を閉じている子、生まれたときは開いていたがいつの間にか閉じていた子、ずっと開いたままが習慣になってしまった子。

この違いはどこから起こるのでしょう?

当院にお口のことで相談に来院する子どもの口唇を観察すると、ほとんどの子の口唇が開いています。

通常、舌の位置は上顎についているのが当たり前ですが、口唇が開いている

と舌の位置は低くなっていることが多いです。安静時の舌の位置が正しくないために、顎の成長がうまくいかず、歯並びが悪くなる原因になる事もあります。さらに、いつも口唇が開いている事によって飲み込み方も間違った飲み込み方になってしまい、歯並びを悪くする原因になることもあります。

子どもの頃は風邪を引きやすく、鼻詰まりにもなりやすいのですが、「鼻に新鮮な空気を送り込まれないことで、鼻がつまりやすくなる」そうです。もともと口呼吸は鼻がつまった時の緊急処置として起こる行動なのですが、鼻がつまりやすい子どもたちは、鼻がつまっていなくても口呼吸の方が楽なので、日常的に口呼吸をするような習慣がついてしまいます。お子さんの口唇が開いていることやそのことが異常な事に気づいていないお父さんお母さんも多いので、自分のお子さんの口唇がしっかり閉じているかどうか確認してみましょう。

あきらかにポカンと開いていても、うっすら開いていても同じです。口唇はしっかり閉じていて、鼻呼吸をしなければなりません。鼻でも口でもどちらでも呼吸は出来ますが、好きな方で呼吸をしていいわけではありません。

食事をするときクチャクチャ音をたてて食べていませんか?

お行儀が悪いだけでなく、正しい口の機能が使われず発達もしません。しっかり口唇を閉じて、奥歯でよく噛んで食べることを教えてください。

幼い頃から、しっかり口唇を閉じておくことの大切さを知っておいてください。

①お口が開いている

➁食べるのがおそい

③いつまでも食べ物がお口の中にある

④柔らかいものしか食べない

⑤活舌が悪い

などの悩みがございましたらぜひご相談ください。

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