歯のコラム column

喫煙と健康被害について~最新版~

2023.10.17

健康について

こんにちは。仙台市若林区新寺のほんま歯科です。

本日は、喫煙とお口の中の関係についてお話します。喫煙やタバコについては、過去のコラムにもありますが、最新情報をより詳しくお話します!過去のコラムも併せて是非チェックしてみてください。

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なかなか禁煙ができない理由

喫煙自体が、お口の中だけでなく、全身へ悪影響を及ぼすのは、誰もが知っていると思います。どうして、なかなか禁煙できないか、ご存知ですか?

タバコには、「ニコチン」が含まれていますよね。ニコチンには、強い依存性があります。

依存性があるものとして、例を挙げると、ニコチンの他に、ヘロインやコカインなどの違法ドラッグ、アルコールやカフェインなどがあります。

 ニコチンは、ヘロインやコカインの違法ドラックよりも依存性が高いと言われています。

ニコチンが含まれるせいで依存性が高いため、なかなか禁煙することが難しいとされています。 ドラッグ並みに辞めるのが難しいなんて…怖いですね。

近年見かけるタバコの種類は

近年では、紙タバコだけでなく、加熱式タバコや電子タバコが多く見られます。「アイコス」や「プルーム・テック」などが有名です。

さて、加熱式タバコの仕組みをご存知ですか?

 加熱式タバコは、スティック状のタバコの葉を、金属の刃や筒により加熱され、その発生する微粒子(エアロゾル)をフィルターを通して吸う、という仕組みです。

 加熱式タバコや電子タバコは、紙タバコに比べて害が少ないなどと聞かれることもありますが、これは間違った情報です!!

 これは、電子タバコや加熱式タバコの発売当初に、「有害物質が9割減!」などと宣伝されたこともあり、紙タバコよりも害が少ないと思っている方がいるような現状です。

電子タバコも加熱式タバコも含まれるニコチンなどの有害物質の量は、紙タバコとほとんど変わりません。

 また、加熱式タバコや電子タバコ特有の化学物質もあり、その影響はまだわかっていません。そのため、害が少ないのは言い切れません。

 そして、今、若者たちに流行っている「シーシャ」をご存知ですか?

 シーシャとは、水タバコのことです。

 火皿の上で燃やしたタバコの葉を水パイプで水に潜らせ吸う喫煙方法です。

 この水タバコにも、ニコチンが含まれており、摂取量は紙タバコと同じくらいの量とされています。この煙の色や味などが近年若者たちの話題になっています。

 水タバコとお酒を楽しむようなバーやカフェが人気で、オシャレな雰囲気を楽しむような若者が増えています。

 喫煙が若者にも手が伸びやすい環境になりつつあり、個人的には、そのような環境や場所がいかがなものかと思っています。

お口の中への影響について

次にお口の中への影響を確認しましょう。

タバコがお口の中へ及ぼす影響は様々ですが、なんといっても、歯周病と関係が深いです。

その関係を説明します。

まず、タバコを吸うと、煙や成分が、粘膜や歯ぐきから吸収されます。

吸収されたタバコの有害物質は、血管を収縮し、歯ぐきの血流量を減少させます。

血液循環が悪化して歯ぐきに十分な酸素がいきわたらなくなると、歯周ポケット中で歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。

 細菌が産生する毒素は歯周ポケットをさらに深めるとともに歯を支える骨を溶かします。進行すると土台の骨が溶けているので歯がぐらぐらするようになり、さらに進行すると歯が抜けてしまいます。

以上が、喫煙が歯周病に及ぼす悪影響のメカニズムとして考えられている内容です。

ニコチンの依存性は根深いため、「やめようと思ったけどなかなかやめれない」

「吸わないとイライラしてしまう」などという人は多いでしょう。

しかし、禁煙が成功した際には、口腔疾患のリスクは大幅に下がり、全身の健康リスクも低下します。家族、友人、職場のメンバーなど、不特定多数の人の受動喫煙のリスクも減らすことができます。良いこと尽くしで、快適な未来が待っているはずです。

 場合によっては、禁煙外来など、専門機関を頼ることも方法の一つです。

 このブログを読んで、少しでも禁煙を前向きに考えてくださる方がいると嬉しいです。

 【参考文献】nico 2023 8月号

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