歯のコラム column
この夏試して!「丸かじり」から考える前歯と噛む力の大切さ②
2026.09.14
健康についてこんにちは。
仙台市若林区新寺の予防管理型歯科、ほんま歯科です。
暑い夏になると、冷えたスイカやトウモロコシ、みずみずしいきゅうりやトマト、桃など、夏ならではのおいしい食材が食卓を彩ります。
そんな夏に楽しみたい食べ方の一つが、「がぶり!」と豪快な丸かじり。
食材を前歯で噛み切り、奥歯でしっかり噛むと、食材本来の歯ごたえや香り、みずみずしさまで楽しむことができます。
ところが、いざ丸かじりしようとしたとき、
「前歯で噛んだら痛かった」
「冷たいスイカを食べたら歯がキーンとしみた」
「硬いものを前歯で噛むのが怖くなった」
「昔より噛み切りにくくなった気がする」
ということはありませんか?
丸かじりができないからといって、必ずお口に病気があるわけではありません。
しかし、以前は普通に食べられていたものが噛みにくくなった場合は、お口の変化に気づくきっかけになることがあります。
今回は夏の「丸かじり」をテーマに、噛むことの大切さや前歯の役割、前歯で噛むと痛い・冷たいものがしみる場合に考えられる原因についてお話しします。
「丸かじり」するとき、お口の中では何が起きている?
私たちは食べ物を口に入れたあと、ただ上下の歯を動かしているわけではありません。
例えば、トウモロコシや果物を丸かじりするときには、
前歯で噛み切る
↓
奥歯へ食べ物を運ぶ
↓
奥歯で細かく噛み砕く
↓
唾液と混ぜる
↓
舌で食べ物をまとめる
↓
飲み込む
という一連の動きを行っています。
歯だけでなく、舌・唇・頬・顎・唾液などが協力して、私たちの「食べる」を支えているのです。
丸かじりの主役!「前歯」にはどんな役割がある?
丸かじりをするとき、最初に食べ物へ触れるのが前歯です。
前歯には、それぞれ役割があります。
【切歯】
中央にある平たい前歯です。包丁のように食べ物を**「噛み切る」**役割があります。
【犬歯】
切歯の外側にある、少し先の尖った歯です。
食べ物を切り裂く動きを助けるほか、顎を横へ動かす際の噛み合わせにも重要な役割があります。
【奥歯】
前歯で切り分けた食べ物を、奥歯で細かく噛み砕きます。
つまり、「前歯で切る → 奥歯で砕く」という歯の役割分担によって、さまざまな食品を食べることができるのです。
よく噛むことは「唾液」にも関係しています
食事でしっかり噛むことは、唾液分泌を促す刺激の一つです。
唾液には、
· お口の中を潤す
· 食べ物を飲み込みやすくする
· 汚れを洗い流す
· 細菌の増殖を抑える働きを助ける
· 酸性に傾いたお口を中和する
· 歯の再石灰化を助ける
など、お口を守る重要な働きがあります。
特に夏は、汗をかくことで体内の水分が不足し、口の乾燥を感じることがあります。
そのため、「よく噛んで食べること+こまめな水分補給」を意識することが大切です。
「丸かじり」で痛い・しみる!考えられるお口のSOS
ここからが特に重要です。
以前は問題なく食べられていたのに、丸かじりをしたときに違和感が出るようになった場合は、お口の中に原因が隠れている可能性があります。
① 冷たいものがキーンとしみる
冷えたスイカやトマト、飲み物などで歯が一瞬「キーン」としみる場合、知覚過敏が考えられます。
知覚過敏は、歯ぐきが下がって歯の根の部分が露出したり、歯の表面がすり減ったりすることで、内部の象牙質へ刺激が伝わりやすくなって起こります。
ただし、「冷たいものがしみる=知覚過敏」とは限りません。
むし歯や歯の亀裂などでも、似た症状が出ることがあります。
特に、
· しみる症状が強くなっている
· 痛みがしばらく残る
· 甘いものもしみる
· 温かいものでも痛む
· 何もしていなくてもズキズキする
という場合は、早めに歯科医院で確認しましょう。
② 前歯で噛むと痛い・響く
「噛んだ瞬間だけ痛い」「前歯で噛み切ると歯に響く」
という場合には、
· むし歯
· 歯の亀裂
· 歯の根の周囲の炎症
· 歯周組織の炎症
· 噛み合わせによる負担
など、さまざまな原因が考えられます。
痛みがある歯で、硬いものを無理に噛み続けることはおすすめできません。
③ 歯ぐきから血が出る
丸かじりしたときや歯磨きの際に、歯ぐきから血が出る場合は、歯ぐきに炎症が起きている可能性があります。
特に、
· 歯磨きで血が出る
· 歯ぐきが赤い
· 歯ぐきが腫れている
· 口臭が気になる
· 歯ぐきが下がってきた
といった症状は、歯周病のサインとしてみられることがあります。
歯周病は、初期には強い痛みを感じないまま進行することがあるため注意が必要です。
④ 歯がグラグラして噛みにくい
歯が以前より動くようになった場合は、歯周病などによって歯を支える組織に問題が起きている可能性があります。
「年齢だから歯が動くのは仕方がない」
と思わず、歯科医院で確認しましょう。
歯周病は進行すると、歯を支えている歯槽骨が失われ、歯の動揺が大きくなることがあります。
⑤ 顎が痛い・口を開けると音がする
丸かじりしようと大きく口を開けたときに、
「顎が痛い」
「カクッと音がする」
「口が開きにくい」
という場合は、顎関節や周囲の筋肉に問題が起きている可能性があります。
食いしばりや歯ぎしりが関係している場合もありますが、顎関節症の原因は一つではありません。
痛みや開けにくさが続く場合は、無理に大きく口を開けず歯科医院へご相談ください。
「硬いものを食べれば歯や顎が強くなる」は本当?
ここは誤解されやすいポイントです。
硬いものをたくさん噛めば、歯や顎が必ず強くなるわけではありません。
健康な歯で適度な硬さの食品をよく噛むことは大切ですが、極端に硬い食品を無理に噛むと、
· 歯が欠ける
· 歯に亀裂が入る
· 詰め物・被せ物が破損する
· 顎に負担がかかる
ことがあります。
「噛むトレーニングだから」と無理をする必要はありません。
ご自身の歯や入れ歯の状態に合わせて、安全に食事を楽しむことが大切です。
丸かじりを楽しめるお口を守る3つのポイント
① 歯ブラシ+デンタルフロス・歯間ブラシ
前歯は見えやすい場所ですが、歯と歯の間には歯ブラシだけでは届きにくい部分があります。
毎日の歯磨きに、
· デンタルフロス
· 歯間ブラシ
を取り入れましょう。
どちらが適しているかは、歯と歯の隙間や歯周病の状態によって異なります。
ほんま歯科では、患者さんのお口に合った清掃用具や使い方をご提案しています。
② 食いしばり・歯ぎしりをチェック
睡眠中の歯ぎしりや、日中の無意識な食いしばりによって、歯へ強い力が加わることがあります。
その結果、
· 歯がすり減る
· 歯に亀裂が入る
· 詰め物や被せ物に負担がかかる
· 顎の筋肉が疲れる
といった変化がみられる場合があります。
必要に応じて、夜間用のマウスピース(ナイトガード)を使用することもあります。
③ 定期検診で「痛くなる前」にチェック
むし歯や歯周病は、初期には自覚症状が少ない場合があります。
仙台市若林区新寺の予防管理型歯科、ほんま歯科では、
· むし歯
· 歯周病
· 歯ぐきからの出血
· 知覚過敏
· 噛み合わせ
· 食いしばり・歯ぎしり
· 詰め物・被せ物
· セルフケアの状態
などを確認し、患者さん一人ひとりに合わせた予防管理を行っています。
必要に応じて、エアフローやPMTCなどを用いたプロフェッショナルケアもご提案します。
よくある質問(Q&A)
Q. 冷たいスイカを食べると前歯がしみます。知覚過敏ですか?
A. 知覚過敏の可能性はありますが、むし歯や歯の亀裂などでも似た症状が出ます。繰り返ししみる場合は歯科医院で確認しましょう。
Q. 前歯で噛むと痛いのですが、丸かじりを続けても大丈夫ですか?
A. 痛みがある状態で無理に硬いものを噛むことはおすすめできません。むし歯、歯の亀裂、歯周組織の炎症などがないか確認することが大切です。
Q. 硬いものを噛めば顎は強くなりますか?
A. 硬いものを噛めば必ず顎や歯が強くなるわけではありません。極端に硬い食品は歯の破折につながることもあります。適度な硬さの食品を無理なくよく噛みましょう。
Q. 歯が少しグラグラします。年齢のせいでしょうか?
A. 年齢だけで歯がグラグラするとは限りません。歯周病などが関係している可能性があるため、一度検査を受けることをおすすめします。
Q. 子どもにも丸かじりをさせた方がよいですか?
A. お子さんの歯の生え方や噛む力、発達段階に合わせることが大切です。硬すぎるものや大きすぎる食品を無理に与える必要はありません。窒息にも十分注意してください。
まとめ|「がぶり!」と食べられるお口をこれからも大切に
スイカやトウモロコシ、野菜や果物を「がぶり」と食べる。
そんな何気ない食事にも、
前歯で噛み切る
→ 奥歯で噛み砕く
→ 唾液と混ぜる
→ 舌でまとめる
→ 飲み込む
という、お口のさまざまな機能が使われています。
丸かじりができること自体を「健康の合格ライン」と考える必要はありません。
しかし、
「以前は食べられたのに、最近は前歯で噛むと痛い」
「冷たいものがしみるようになった」
「硬いものを避けるようになった」
「歯が動く気がする」
という変化は、お口からのサインかもしれません。
仙台市若林区新寺の予防管理型歯科、ほんま歯科では、悪くなってから治療するだけではなく、患者さんがご自身の歯で食事を楽しめる状態をできるだけ長く維持することを大切にしています。
この夏、旬のおいしい食材を楽しむためにも、お口の小さな変化を見逃さないようにしましょう。
気になる症状がありましたら、お気軽にほんま歯科へご相談ください。
「一生、自分のお口でおいしく食べる」そのためのお口づくりを、ほんま歯科がサポートします。
【歯科医師・歯科衛生士監修】