歯のコラム column

歯周病と全身疾患②|誤嚥性肺炎・認知症・妊娠への影響と予防の重要性

2026.09.06

歯周病

こんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院 ほんま歯科です。

前回のブログでは、歯周病が糖尿病や心筋梗塞・脳梗塞などの全身疾患と深く関係していることについてお話ししました。

今回はその続きとして、

・誤嚥性肺炎
・妊娠、出産への影響
・認知症との関係
・がんとの関連

など、近年注目されている歯周病と全身の健康について分かりやすく解説していきます。

「歯ぐきから少し血が出るだけだから大丈夫」「痛みがないから歯科医院に行かなくてもいい」

と思っている方も少なくありません。

しかし歯周病は、お口だけではなく全身の健康に影響する可能性がある病気です。

歯周病と全身疾患②|誤嚥性肺炎・認知症・妊娠への影響と予防の重要性

歯周病菌はどのように全身へ広がるの?

歯周病は、歯周病菌による感染症です。

健康な歯ぐきは細菌が体の中へ入り込まないように守る役割をしています。

しかし歯周病になると、歯ぐきに慢性的な炎症が起こり、目には見えない小さな傷ができます。

歯磨きをした時に血が出ることはありませんか?

その出血は、歯ぐきの毛細血管が傷ついているサインの一つです。

その傷口から歯周病菌や炎症物質が血液中へ入り込み、全身へ運ばれることがあります。

また、食事や歯磨きなどの日常生活でも、一時的に細菌が血液中に入る「菌血症」が起こることがあります。

健康な方では免疫によって処理されますが、高齢の方や持病がある方では体への負担になる可能性があります。

そのため、お口の健康管理は全身の健康管理につながります。

 

歯周病と誤嚥性肺炎の関係

高齢になると、飲み込む力(嚥下機能)が少しずつ低下します。

本来、食べ物や唾液は食道へ流れますが、飲み込む力が弱くなると、誤って気管へ入ってしまうことがあります。

これを「誤嚥」といいます。

誤嚥した唾液の中に歯周病菌など多くの細菌が含まれていると、細菌が肺へ入り炎症を起こすことがあります。

これが誤嚥性肺炎です。

特に高齢者では、誤嚥性肺炎は健康状態や生活の質に大きく影響するため注意が必要です。

 

口腔ケアが肺の健康を守る

誤嚥性肺炎予防には、お口の中の細菌を減らすことが重要です。

具体的には、

・専門的なクリーニング
・歯周病治療
・舌の清掃
・入れ歯の管理
・毎日のセルフケア

などが大切です。

また近年では「オーラルフレイル」という考え方も注目されています。オーラルフレイルとは、お口の機能が少しずつ低下していく状態です。

例えば、

・むせやすくなった
・滑舌が悪くなった
・硬いものが食べにくい

といった変化は、お口の衰えのサインかもしれません。

仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院ほんま歯科では、歯だけではなく「噛む・飲み込む・話す」といったお口の機能維持も大切にしています。

歯周病と全身疾患②|誤嚥性肺炎・認知症・妊娠への影響と予防の重要性

歯周病と妊娠・出産の関係

妊娠中はホルモンバランスが大きく変化します。

女性ホルモンの変化によって、一部の歯周病菌が増えやすくなり、歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。

これを「妊娠性歯肉炎」といいます。

また妊娠中は、

・つわりで歯磨きが難しい
・食事回数が増える
・生活習慣が変化する

ことで、お口の環境が乱れやすくなります。

 

早産・低体重児出産との関連

歯周病による炎症が強くなると、炎症物質が血液を通して全身へ広がります。

これらの炎症反応が、早産や低体重児出産と関連する可能性があることが報告されています。

もちろん歯周病だけが原因になるわけではありません。

しかし、妊娠中のお口の環境を整えることは、お母さんと赤ちゃんの健康管理の一つとして大切です。

妊娠中でも体調や時期に合わせて歯科検診やクリーニングを受けることができます。

 

歯周病と認知症の関係

近年、歯周病と認知症についても研究が進んでいます。歯周病による慢性的な炎症や、歯を失うことによる噛む力の低下が、認知機能へ影響する可能性が考えられています。

歯を失うと、

・噛む回数が減る
・食事内容が偏る
・栄養状態が低下する

ことがあります。

噛むことは脳への刺激にもなります。

自分の歯や適切な入れ歯などで「しっかり噛める状態」を維持することは、健康寿命を守るためにも重要です。

 

歯周病とがんとの関連

近年、歯周病と一部のがんとの関連についても研究されています。慢性的な炎症や口腔内細菌が、体へ影響する可能性が考えられています。ただし、歯周病が直接がんを引き起こすという意味ではありません。

大切なのは、リスク要因の一つとしてお口の環境を整え、全身の健康管理につなげることです。

 

今日からできる歯周病予防

歯周病予防には毎日の積み重ねが大切です。

① 丁寧な歯磨き
② フロス・歯間ブラシの使用
③ 定期的な歯科検診
④ 禁煙
⑤ バランスの良い食生活
⑥ よく噛む習慣

を意識しましょう。特に歯石やバイオフィルムは、ご自身の歯磨きだけでは完全に取り除くことが難しいため、歯科医院での専門的なケアが必要です。

歯周病と全身疾患②|誤嚥性肺炎・認知症・妊娠への影響と予防の重要性

よくある質問(Q&A)

Q. 歯周病は肺炎の原因になりますか?

A. お口の細菌が誤嚥によって肺へ入ることで、誤嚥性肺炎に関係することがあります。特に高齢の方では口腔ケアが重要です。

 

Q. 妊娠中でも歯科医院へ行って大丈夫ですか?

A. はい。体調や妊娠時期に配慮しながら検診やクリーニングを行うことができます。

 

Q. 歯が残っていることは健康寿命に関係しますか?

A. 関係します。しっかり噛めることは食事・栄養・筋力維持につながり、健康的な生活を支える大切な要素です。

 

まとめ

歯周病は単なる歯ぐきの病気ではありません。

・誤嚥性肺炎
・妊娠、出産
・認知機能
・全身の健康

など、さまざまなことと関係しています。

だからこそ、症状が出てから治療するのではなく、健康な状態を維持する「予防」が大切です。

仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院ほんま歯科では、患者さま一人ひとりのお口の状態に合わせた予防管理を行っています。

お口の健康を守ることは、未来の身体の健康を守ることにつながります。

【歯科医師・歯科衛生士監修】

月別アーカイブ