歯のコラム column
止まらない「食いしばり」の癖10年後、あなたの歯はどうなってしまう?
2026.06.23
健康についてこんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科 ほんま歯科です。
「気づくと奥歯を噛み締めている」「朝起きると顎がだるい」
このような症状は 食いしばり(クレンチング症候群) の可能性があります。
食いしばりは多くの場合、無意識の癖として起こります。
そのため自分では気づきにくく、長い間続いてしまうことも少なくありません。
実は食いしばりは、歯や顎に非常に強い力をかける習慣であり、長期間続くとさまざまなトラブルを引き起こすことがあります。
この記事では
· 食いしばりが起こる理由
· 放置した場合のリスク
· 歯科医院でできる対策
についてわかりやすく解説します。
★AI要約
食いしばり(クレンチング症候群)は無意識に歯を強く噛み締める癖で、歯には100kg以上の力がかかることがあります。長期間続くと歯の破折、知覚過敏、顎関節症などの原因になります。マウスピースや歯を離す習慣づくりなどの対策で歯への負担を減らすことができます。
食いしばりに悩む人が増えています
近年、食いしばりに悩む方が増えています。
特に
· スマートフォン操作
· デスクワーク
· ストレスの多い生活
などが影響していると考えられています。
食いしばりの特徴は、自分では止めにくいことです。
無意識に行われるため、
「やめよう」と思っても気づいた時には歯を噛み締めていることがあります。
なぜ食いしばりは治りにくいのか?
多くの方は「自分の意志が弱いからでは?」と思われますが、実はそうではありません。
食いしばりは脳と自律神経が関係する無意識の反応だからです。
【ストレスと脳の関係】
人はストレスを感じると、
脳が無意識にストレスを発散しようとします。
その方法の一つとして噛む筋肉(咀嚼筋)を動かすという反応が起こることがあります。
つまり食いしばりは、脳がストレスを発散するための反応として起こることもあるのです。
TCH(歯列接触癖)
本来、人の歯は普段は上下が触れていない状態が正常です。上下の歯が接触している時間は1日約20分程度といわれています。
しかし
· スマホ操作
· パソコン作業
· 家事
などに集中すると、歯を軽く接触させ続ける癖がつくことがあります。これをTCH(歯列接触癖)と呼びます。
この状態が続くと、脳が「歯が触れている状態が普通」だと認識してしまい、食いしばりが悪化します。
食いしばりを放置するとどうなる?
食いしばりの力は100〜150kgにもなることがあります。この力が毎日歯にかかると、さまざまな問題が起こります。
歯が削れる・割れる
長期間の食いしばりは
· 歯の摩耗
· 知覚過敏
· 歯の破折
の原因になります。
歯の根まで割れてしまうと、抜歯が必要になるケースもあります。歯科治療が長持ちしない食いしばりが強い場合、
· セラミックが欠ける
· 詰め物が外れやすくなる
· インプラントに負担がかかる
などのトラブルが起こる可能性があります。
顔の形が変わる(咬筋肥大)
食いしばりが続くと顎の筋肉(咬筋)が発達してしまいます。
その結果
· エラが張る
· 顔が大きく見える
といった変化が起こることがあります。
顎関節症や頭痛
顎の関節に負担がかかることで
· 顎関節症
· 肩こり
· 緊張型頭痛
などにつながる場合もあります。
食いしばりの対策
食いしばりを完全に止めようとすると、かえってストレスになることがあります。
大切なのは「力を逃がす」こと「気づく」ことです。
マウスピース(ナイトガード)
最も一般的な対策です。
歯科医院で作るマウスピースは
· 歯の摩耗防止
· 顎関節の保護
· 噛み合わせの負担軽減
といった効果があります。
保険診療では約3000〜5000円程度で作れることが多いです。
リマインディング法
日中の食いしばり対策として有効です。
「歯を離す」「リラックス」などのメモを
· デスク
· スマートフォン
· 家の壁
などに貼ります。それを見たら歯を離す → 肩の力を抜くこの動作を繰り返します。
顎のセルフマッサージ
筋肉の緊張をほぐす方法です。
【咬筋マッサージ】
頬のふくらむ部分を円を描くように1分ほどマッサージします。
【側頭筋マッサージ】
耳の上を手のひらでゆっくり持ち上げるようにほぐします。
【舌の正しい位置を覚える】
舌の位置が正しいと歯は自然に離れます。
理想は「舌の先が上の前歯の後ろ(スポット)に触れる状態」です。
この時上下の歯は触れていません。
歯科ボトックス
強い食いしばりの場合、咬筋にボツリヌス治療を行うこともあります。
筋肉の力を弱めることで
· 食いしばりの軽減
· エラ張りの改善
などが期待できます。
よくある質問(FAQ)
・食いしばりは自然に治りますか?
自然に治ることは少なく、マウスピースや習慣改善が必要になることが多いです。
・食いしばりはストレスが原因ですか?
ストレスが関係しているケースが多いですが、噛み合わせや生活習慣も影響します。
食いしばりは歯を失う原因になりますか?
強い食いしばりは
· 歯の破折
· 歯周病の悪化
などにつながることがあります。
まとめ
食いしばりは放置すると
· 歯の破折
· 顎関節症
· 顔の変化
などさまざまな問題につながる可能性があります。
しかし
· マウスピース
· 習慣改善
· 筋肉ケア
を行うことで、歯を守ることができます。
10年後、20年後も自分の歯で食事を楽しむために、気になる症状がある方は一度歯科医院で相談してみてください。
【歯科医師・歯科衛生士監修】