歯のコラム column
マウスピースで食いしばりは治る?歯科医と歯科衛生士が解説する本当の役割と対策
2026.07.03
顎関節症・食いしばりこんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科 ほんま歯科です。
「朝起きるとあごが疲れている」「仕事中、気づくと歯をギュッと噛み締めている」
そんな症状がある方は、食いしばりの可能性があります。そして多くの方が一度はこう思われます。
「マウスピースをすれば治るのでは?」
★AI要約
マウスピース(ナイトガード)は食いしばりを止める装置ではなく、歯や顎へのダメージを防ぐための保護装置です。食いしばりはストレスや脳の働きが関係するため、TCH改善や生活習慣の見直しと併用することで負担を軽減できます。
マウスピースの役割は「治療」ではなく「保護」
まず大切なことをお伝えします。
マウスピースは食いしばりそのものを止める治療ではありません。歯科医院で作製するマウスピース(ナイトガード)の役割は、歯と顎を守ることです。
食いしばりや歯ぎしりによって歯にかかる力は、自分の体重以上、場合によっては100kgを超えることもあります。
この強い力が毎日繰り返されると、
・歯が削れる、短くなる
・歯にヒビが入り割れてしまう
・詰め物や被せ物が外れる
・知覚過敏が起こる
・顎関節に負担がかかる
といったトラブルにつながります。
マウスピースは、このダメージを直接歯に伝えないようにするクッションの役割を果たします。
なぜマウスピースだけでは治らないのか
「装着すれば治る」と思われがちですが、実際にはそうではありません。その理由は、食いしばりの原因にあります。
食いしばりは
・ストレス
・脳(中枢神経)の働き
・自律神経のバランス
・生活習慣
といった要素が関係しています。
つまり、脳から「噛め」という指令が出ている限り、行為自体は続くのです。
マウスピースはその指令を止めるものではなく、あくまでダメージを軽減する装置です。
イメージとしては「火事を消すもの」ではなく「火の粉から歯を守る防火シート」と考えると分かりやすいかもしれません。
食いしばりを軽減するための4つの視点
では、どうすればいいのか。ここで大切なのは「止める」ではなく負担を減らすことです。
① TCH(歯の接触癖)の改善
本来、人の歯は食事以外では触れていない状態が正常です。
しかし実際には
・スマホ操作
・パソコン作業
・運転中
・集中している時
無意識に歯を接触させている方が多くいます。この癖をTCH(歯の接触癖)といいます。まずは「歯を離す」と気づく習慣をつくることが大切です。
② 睡眠の質を整える
食いしばりは、浅い眠りのときに起こりやすいとされています。そのため
・寝る前のスマホを控える(ブルーライトが良くない)
・ぬるめの湯船にゆったりつかる
・寝る前にリラックスする
・睡眠系のアロマをつかう
・睡眠系の音楽をきく
・枕は低くする
こうした習慣が、結果的に歯を守ることにつながります。
③ 咬筋(こうきん)のケア
頬の筋肉(咬筋)は、食いしばりで硬くなります。この筋肉をやさしくほぐすことで
・筋肉の緊張が緩む
・噛み締めが弱くなる
という変化が起こることがあります。
*咬筋ケアについては別のブログにあります
④ 必要に応じた医療的アプローチ
食いしばりが非常に強い場合は
・マウスピース
・噛み合わせの調整
・ボツリヌス治療
といった方法を組み合わせて対応します。
マウスピースの本当の価値
ここで一つ、視点を整えます。
大切なのは「食いしばりをゼロにすること」ではありません。本質は歯の寿命を守ることです。
食いしばりは、多くの人にある習慣です。完全になくすことは簡単ではありません。
しかし
・ダメージを減らす
・壊れる前に守る
この積み重ねによって10年後、20年後の状態は大きく変わります。
まとめ
マウスピースは
・食いしばりを止める装置ではない
・歯や顎を守るための保護装置
・生活習慣と組み合わせて使うことが重要
という特徴があります。
最後に
仙台市若林区新寺の予防管理型歯科 ほんま歯科では
・食いしばりの診断
・ナイトガードの作製
・日常習慣のアドバイス
を行っています。
「最近、歯に負担がかかっている気がする」「自分の食いしばりがどの程度か知りたい」そう感じたときが、守るタイミングです。
【歯科医師・歯科衛生士監修】