歯のコラム column
虫歯がないのに歯が痛い?
2026.06.07
健康についてこんにちは!仙台市若林区新寺の予防管理型歯科、ほんま歯科の歯科衛生士のKです。
「冷たいものがキーンとしみる」「噛むとズキッと痛む」
そんな症状があって歯医者を受診したのに、レントゲンを撮っても「虫歯はありませんね」と言われたことはありませんか?
患者様からすれば「あんなに痛いのに、なぜ?」と不思議に思われることでしょう。実は、虫歯がなくても歯が痛む原因として、近年非常に増えているのが**「歯ぎしり」や「食いしばり」による負荷**です。
今回は、知らず知らずのうちに歯を追い詰めてしまう、この「力」の問題について詳しく解説します。
1. なぜ「力」で歯が痛くなるのか?
歯は、体の中で最も硬いエナメル質に覆われていますが、実は非常に繊細な組織です。
通常、食事の時にかかる力は自分の体重程度ですが、就寝中の歯ぎしりや、無意識の食いしばりでは、その数倍から10倍近い負荷がかかると言われています。
この過剰な圧力が加わり続けると、歯には以下のようなトラブルが起こります。
歯の周りの膜(歯根膜)が炎症を起こす
歯とアゴの骨の間には「歯根膜(しこんまく)」というクッションのような膜があります。噛むたびに強い力が加わると、このクッションがダメージを受けて炎症を起こします(歯根膜炎)。これが「噛むと痛い」という症状の正体です。
歯の根元が削れる・欠ける(アブフラクション)
強い力が横方向に加わると、歯の根元部分に応力が集中し、エナメル質がパキパキと剥がれ落ちることがあります。すると、象牙質という神経に近い部分が露出するため、虫歯ではないのに**「知覚過敏」**として激しい痛みを感じるようになります。
歯に「マイクロクラック(目に見えないヒビ)」が入る
長年の負荷によって、歯の表面に目に見えないほどの細かいヒビが入ることがあります。神経まで響くような鋭い痛みが出やすく、最悪の場合は歯が真っ二つに割れて抜歯が必要になるケースもあります。
2. あなたは大丈夫?「食いしばり」のセルフチェック
「私は寝ている時に音を立てていないから大丈夫」と思っている方ほど注意が必要です。音を鳴らさない「食いしばり(クレンチング)」は自覚しにくいため、以下の項目を確認してみてください。
• 頬の内側に白い線がある: 常に歯を押し付けている証拠です。
• 舌の縁がガタガタしている: 舌を歯の内側に強く押し付けているサインです。
• 朝起きた時にアゴが疲れている: 寝ている間にアゴの筋肉がフル稼働しています。
• 肩こりや頭痛がひどい: 噛む筋肉(咬筋)は側頭部や肩まで繋がっています。
• 集中している時に上下の歯が触れている: 本来、安静時の上下の歯の間には数ミリの隙間があるのが正常です。
3. 歯科医院で行う対策とケア
「力」による痛みは、放っておいても根本解決にはなりません。歯科医院では、大切な歯を守るために以下のようなアプローチを行います。
① ナイトガード(マウスピース)の作製
最も一般的で効果的な方法です。寝ている間にマウスピースを装着することで、歯同士が直接ぶつかるのを防ぎ、アゴの関節にかかる負荷を分散させます。
② 噛み合わせの調整
一部の歯だけが強く当たっている場合、その部分をわずかに整えるだけで、驚くほど痛みが引くことがあります。
③ TCH(歯列接触癖)の是正指導
「日中、無意識に歯を接触させてしまう癖」を自覚し、リラックスさせるトレーニングを行います。「歯を離す」という意識を持つだけで、症状が改善することも多いのです。
まとめ:歯の痛みは体からのサインです
虫歯がないのに歯が痛むのは、あなたの歯が**「もうこれ以上耐えられない!」**と悲鳴を上げているサインかもしれません。ストレス社会と言われる現代、無意識の食いしばりは誰にでも起こりうる問題です。
「削らなくていい痛み」を放置して、最終的に「抜かなければいけない痛み」に変えてしまわないよう、少しでも違和感があれば早めにご相談ください。
あなたの歯の寿命を延ばすために、まずは「力」のコントロールから始めてみませんか?
当院ではマウスピースの製作や噛み合わせ診断を随時行っております。
「もしかして食いしばりかも?」と不安になった方は、ぜひ一度検診にお越しください。
【歯科衛生士監修】