歯のコラム column

「妊娠中に歯が痛くなったけど、歯医者に行ったら怒られる?」

2026.04.04

健康について

こんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科ほんま歯科の歯科衛生士Kです。

多くの方にご心配をかけている妊娠中の歯科治療について、歯科医師の立場から詳しくお話しさせていただきます。

妊娠中に突然、歯が痛み出すことは珍しくありません。ホルモンバランスの変化やつわりの影響で、お口の中の環境が変わり、むし歯や歯周病が悪化しやすくなるからです。

そんな時、「歯医者に行きたいけど、怒られるんじゃないか」「お腹の赤ちゃんに影響があったらどうしよう」と不安に思って、痛みを我慢してしまう妊婦さんが非常に多いのが現状です。

 

結論:歯医者で怒られることはありません

 

まず、最も大切なことをお伝えします。歯医者さんで怒られることは絶対にありません。

痛みがあるのに受診をためらってしまうお気持ちはよくわかります。特に、つわりがひどい時期や、治療が長引くことへの不安は大きいでしょう。

しかし、歯科医師は、痛みでつらい思いをしている患者さんを責めることはありません。それどころか、**「痛みを我慢せずに来てくれて良かった」**と考えています。

なぜなら、歯の痛みを我慢してストレスを抱えることや、炎症を放置して悪化させることの方が、お母さんと赤ちゃんにとって大きなリスクになりかねないからです。

痛みを我慢するリスクは非常に大きい

「赤ちゃんのために」と痛みを我慢する妊婦さんは多いですが、実は、痛みがひどい状態を放置することのデメリットは計り知れません。

 

1. 母体へのストレス

激しい歯の痛みは、母体に大きなストレスを与えます。このストレスは、お腹の赤ちゃんにも影響を与える可能性があるため、痛みをコントロールすることが非常に重要です。

 

2. 感染の悪化と全身への影響

歯の痛みの多くは、むし歯や歯周病による細菌感染と炎症が原因です。この炎症を放置すると、感染が歯の周囲の組織や、ひどい場合は顔全体にまで広がり、顔が腫れたり、全身の健康に悪影響を及ぼしたりすることがあります。

特に重度の歯周病は、早産や低体重児出産の原因の一つになるという研究結果も出ており、お口の健康を保つことは、妊娠経過を順調に進めるためにも非常に大切なのです。

妊娠中の歯科治療は安全に行えます

「麻酔やレントゲンは大丈夫?」と心配されるかもしれませんが、歯科治療で使用するものは、基本的に安全性が確立されています。

 

1. 歯科麻酔について

歯科治療で使うのは、ごく少量の局所麻酔です。これは体内で速やかに分解され、胎盤を通過して赤ちゃんに影響を及ぼす量は極めて少ないとされています。

痛みを我慢するストレスを避けるためにも、必要な場合は遠慮なく麻酔を使用することが推奨されています。

 

2. レントゲン撮影について

歯科用のレントゲンは、撮影部位が口元に限定されており、放射線量は非常に少ないです。さらに、必ず鉛入りの防護エプロンをお腹にかけて撮影するため、胎児への影響はほとんどないと考えていただいて問題ありません。

ただし、緊急時を除き、治療の時期に応じて必要最小限の撮影に留めるのが一般的です。

 

3. お薬について

痛み止めや抗生物質についても、歯科医師は産婦人科のガイドラインに基づき、妊娠中でも安全に使用できる薬剤を選んで最小限の量で処方します。

「薬によるリスク」よりも「感染によるリスク」の方が上回ると判断される場合にのみ、慎重に投薬が行われますのでご安心ください。

 

妊娠時期別:歯科治療の目安

妊娠中の歯科治療は、時期によって方針が異なります。

 

妊娠初期 妊娠1~4ヶ月頃 応急処置が中心。つわりや体調不良が多いため、本格的な治療は避けるべき時期です。痛みがある場合は、まず応急処置で症状を和らげます。

 

妊娠中期 妊娠5~8ヶ月頃 最も安定して治療を受けられる時期。つわりも落ち着き、本格的なむし歯・歯周病の治療、詰め物や被せ物の治療、抜歯なども安全に行えます。

 

妊娠後期 妊娠9ヶ月~出産 応急処置に留める。お腹が大きくなり仰向けでの治療がつらくなったり、早産の危険を回避するため、長時間の治療は控えるべき時期です。出産後に治療を延期することが推奨されます。

 

痛みがある場合は、どの時期であっても放置せず、すぐに歯科医院に連絡してください。必ず「妊娠していること」と「現在の週数」を伝えて、体調を最優先にした治療計画を立ててもらいましょう。

まとめ:不安を打ち明けて、信頼できる歯科医院へ

妊娠中に歯が痛くなるのは、お母さんの不注意でも、だらしないからでもありません。体調の変化が原因であり、歯科治療が必要な状態になったのは仕方のないことです。

痛みを我慢することは、お母さんと赤ちゃんにとってマイナスにしかなりません。

 

1. 「怒られる」という心配は無用です。安心してご来院ください。

2. 受診の際は、必ず妊娠中であることと、現在の妊娠週数を伝えてください。

3. かかりつけの産婦人科医にも、歯科治療を受ける予定があることを伝えておくとさらに安心です。

 

ほんま歯科では、お母さんの安全とお腹の赤ちゃんの健やかな成長を最優先に考え、無理のない範囲で最善の治療を提供します。

まずはお電話で症状と妊娠中であることをお伝えください。ご来院を心よりお待ちしております。

【歯科衛生士監修】

「妊娠中に歯が痛くなったけど、歯医者に行ったら怒られる?」

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