歯のコラム column
妊娠中は歯医者に通っていいの?
2026.03.15
健康について安心して受診するための完全ガイド
こんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科、ほんま歯科です。
「妊娠中に歯医者に行っても大丈夫?」「お腹の赤ちゃんに影響はない?」
妊娠がわかると、歯科治療について不安を感じる方も多いのではないでしょうか。つわりやホルモンバランスの変化で、普段よりもお口のトラブルが起こりやすい時期だからこそ、しっかりとしたケアが大切です。
結論からお伝えすると、妊娠中でも歯科医院への受診は可能です。ただし、時期や治療内容には注意が必要です。このブログでは、妊婦さんが安心して歯科治療を受けるためのポイントを詳しく解説します。
1. 妊娠中にこそ歯科健診が必要な理由
妊娠中は、お口の中の環境が大きく変化し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
ホルモンバランスの変化
妊娠すると、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌量が急増します。このホルモンを好む特定の歯周病菌が増殖しやすくなるため、**「妊娠性歯肉炎」**が起こりやすくなります。歯ぐきの腫れや出血が見られ、進行すると歯周病となって、早産や低体重児出産のリリスクが高まるという報告もあります。
つわりによる影響
つわりがひどい時期は、
• 歯磨きが十分にできない:においや刺激で吐き気を催し、歯ブラシを口に入れること自体が困難になることがあります。
• 食事回数の増加や偏食:酸性の飲食物を好む、少量ずつ頻繁に食べるなど、口の中が酸性に傾きやすい状態が続き、虫歯のリスクが高まります。
• 胃酸によるダメージ:嘔吐があった場合、胃酸で歯のエナメル質が溶け、歯が弱くなります(酸蝕症)。
産後は忙しくて通院が困難に
出産後は、育児で手一杯になり、ご自身のケアに時間を割くのが難しくなることがほとんどです。赤ちゃんに虫歯菌をうつさないためにも、体調が安定している妊娠中に、お口の中を万全の状態にしておくことがとても重要です。多くの自治体で費用が助成される**「妊婦歯科健診」**をぜひ活用しましょう。
2. 歯科治療に最適な時期と、避けるべき時期
妊娠期間は、母体と胎児の状態によって、歯科治療に適した時期が異なります。
妊娠初期 0~4ヶ月(〜15週頃) 応急処置のみ
胎児の器官形成期であり、流産のリスクも高いため、本格的な治療は避けます。つわりで体調が不安定なことも多く、長時間の治療は母体への負担になります。激しい痛みなどがある場合は、応急処置を行います。
妊娠中期 5~7ヶ月(16〜27週頃) 治療に最適な時期
いわゆる**「安定期」**で、つわりがおさまり、母体と胎児の状態が比較的安定します。虫歯治療、歯石取り、クリーニングなど、必要な治療をこの時期に済ませておくことがおすすめです。
妊娠後期 8ヶ月〜出産まで 軽度の処置、健診
お腹が大きくなり、治療で仰向けになる体勢(仰臥位)が苦しくなることがあります(仰臥位低血圧症候群)。母体への負担が大きいため、本格的な治療は避け、歯石取りや健診など軽めの処置に留めることが望ましいです。
3. 妊婦さんが特に不安に感じる点Q&A
Q1. 妊娠中に麻酔を使っても大丈夫?
A. ほとんど影響はありません。
歯科で使用する局所麻酔は、使用量がごくわずかで、注射した部分で速やかに分解されます。胎盤を通過して胎児に影響を与える心配はほとんどありません。ただし、痛みを我慢することは、母体にも胎児にもストレスとなるため、安定期には適切に使用した方が良いとされています。麻酔について不安がある場合は、遠慮なく歯科医師に相談してください。
Q2. レントゲン撮影は赤ちゃんに影響しないの?
A. 影響はほとんどありません。
歯科用のレントゲン撮影は、お腹の赤ちゃんがいる子宮から離れた顔の周りを撮影します。また、放射線量もごくわずかで、防護用エプロンを着用すれば、胎児への影響はさらに低減されます。**「妊娠中でも影響はない」**とされていますので、必要な場合は歯科医師と相談の上で撮影を行うことがあります。
Q3. 薬を飲んでも大丈夫?
A. 妊娠の時期を伝え、安全な薬を選びます。
基本的に、妊娠初期の薬の服用は避けることが望ましいです。安定期以降の治療で薬が必要な場合も、歯科医師は妊娠中でも比較的安全性の高い薬(抗生物質など)を選択します。特に**非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)**は、胎児動脈管収縮などを引き起こす可能性があるため、妊娠経過を通して使用を避けるべきとされています。必ず、妊娠していること、妊娠週数を正確に伝え、不安な場合は産科の主治医にも相談しましょう。
Q4. 抜歯や親知らずの治療は?
A. 避けるのが賢明です。
抜歯は、痛みや腫れを伴うことが多く、術後に痛み止めや抗生物質の服用が必要になることがあります。これらの投薬が胎児に与える影響を考慮し、緊急性がなければ出産後に延期するのが最も安全です。
4. 安心して受診するために準備すること
妊婦さんが歯科医院を受診する際は、以下の点を必ず守りましょう。
1. 母子健康手帳を持参する:治療に際しての注意点を確認するために、必ず歯科医師に提示しましょう。
2. 妊娠していること、週数、体調を伝える:問診票に記入するだけでなく、口頭でも伝えてください。
3. 産科の主治医に相談する:妊娠経過に注意点がある場合は、事前に産科医に歯科治療の許可を得ておくと安心です。
4. 楽な体勢で治療を受ける:長時間の仰向けは避けてもらう、クッションで体勢を調整してもらうなど、遠慮なく申し出てください。体調が悪くなったら、すぐに手を挙げて知らせましょう。
まとめ
妊娠中は、お口の健康が母体だけでなく、お腹の赤ちゃんにも影響を与える大切な時期です。不安な気持ちはよくわかりますが、「妊娠中でも歯科治療は可能」です。
最も安全で治療に適しているのは、体調が安定している**妊娠中期(5~7ヶ月)**です。この時期に妊婦歯科健診を受け、必要な治療やクリーニングを済ませて、万全の体制で出産を迎えましょう。
不安なこと、疑問に思うことは、どんなに小さなことでも構いません。まずは当院にご相談ください。妊婦さんの体調を最優先に考え、安全で安心できる歯科治療をご提供いたします。