歯のコラム column

「毎日の歯磨きとフッ素塗布、両方やる意味はあるの?」

2025.12.07

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こんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院 ほんま歯科の歯科衛生士Tです。今回は虫歯予防に欠かせないフッ素(フッ化物)についてお話ししていきたいと思います。

普段は歯磨き粉から取り入れることが多いですが、歯科医院でも「フッ素塗布」という処置があります。「同じフッ素ならどちらも一緒じゃないの?」と思う方も多いのではないでしょうか。今回はこの2つの違いについてご紹介します。

 

①含まれるフッ素の濃度が違う

→「歯磨き粉」のフッ素

 市販されている歯磨き粉には 約500〜1,500ppm のフッ素が入っています(子ども用は低濃度)。毎日使うことで、虫歯予防効果を持続させることができます。

 

→「歯医者」でのフッ素塗布

 歯科医院で使用するフッ素は 約9,000ppm前後 と高濃度。一度でしっかりと歯にフッ素を取り込むことができ、特に生えたての歯を強くする効果があります。

 

②効果の持続性が違う

→歯磨き粉:低濃度なので毎日コツコツ使うことが大事。効果は短時間ですが、繰り返すことで虫歯予防につながります。

→フッ素塗布:高濃度なので効果が持続しやすく、3〜6か月に1回の処置で十分な予防効果が期待できます。

 

③誰に向いている?

・虫歯リスクが高い子ども

・生えたての永久歯

・虫歯ができやすい大人(根面う蝕予防など)

→すべての人に必須。毎日の習慣として欠かせないベースの予防方法です。

「毎日の歯磨きとフッ素塗布、両方やる意味はあるの?」

④年齢別歯磨き粉のフッ素濃度の目安

︎0〜5歳(乳歯期)

-推奨濃度:500〜1,000ppm

-使い方

 ・2歳までは米粒くらいの量

 ・3〜5歳はグリーンピース大の量

 ・飲み込んでしまうリスクがあるので必ず保護者が仕上げ磨きをしましょう。

 

︎6〜14歳(永久歯が生えそろう時期)

-推奨濃度:1,000〜1,500ppm

-使い方

 ・歯ブラシの毛先全体にうっすらと歯磨き粉をのせて使用

 ・磨いた後はうがいを少なめにしてフッ素を口に残すと効果アップ!

 

︎大人(15歳以上)

-推奨濃度:1,450ppm前後(日本の市販歯磨き粉の最大濃度)

-使い方

 ・歯ブラシ全体に1〜2cm程度

 ・就寝前の歯磨きで使うと特に効果的です。

 

⑤一番効果的なのは「両方」!

「どちらか」ではなく 毎日の歯磨き+定期的なフッ素塗布 が一番効果的です。

・歯磨き粉で毎日少しずつ

・歯医者のフッ素塗布でしっかりサポート

この組み合わせが、将来の歯を守る一番の近道です。

 

-まとめ-

・歯磨き粉のフッ素=低濃度で毎日コツコツ

・歯医者のフッ素塗布=高濃度で定期的にしっかり行う

この両方をうまく取り入れることで、虫歯予防効果がぐっと高まります。また、フッ素入りの歯磨き粉にはパッケージ裏面の「成分」や「薬用成分」欄に、

・フッ化ナトリウム(NaF)

・フッ化第一スズ(SnF₂)

・モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)

とフッ素の表示名がこのように書かれています。さらに「**ppm」と濃度が書いてある場合もあります。ぜひチェックしてみて下さい。そして定期検診の際にフッ素塗布も取り入れてみてくださいね。

【歯科衛生士監修】

「毎日の歯磨きとフッ素塗布、両方やる意味はあるの?」

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