歯のコラム column

鼻呼吸の重要性について

2025.03.03

未指定

仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院院長の本間です。
最近鼻が悪い人がとても増えております。

花粉症、アレルギー性鼻炎、原因のわからない慢性鼻炎などです。
このようなアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎やアデノイド肥大なので起こされる鼻呼吸の障害は様々な影響を及ぼすことがわかっています。
例えば、呼吸困難によって睡眠の質が低下したり、顔面の成長発育への影響などです。
上顎骨が最も成長するのは思春期成長の前ですが、もし幼小児期から口呼吸の場合、前歯の噛み合わせが悪くなる(前歯部開咬:上の前歯と下の前歯がかみ合わなく隙間がある状態)や顎が狭いため歯が重なったり、出っ歯気味になったり、奥歯の噛み合わせがおかしくなるなどの不具合が生じやすくなります。
最近では以上のような影響のほかに口呼吸が脳の機能にも影響を及ぼしている可能性が言われています。東京科学大学の研究では口呼吸によって脳に影響が出ている可能性が発表されました。
マウスの実験ではありますが、顎の成長発育時に鼻呼吸ができないマウスは、運動能力の低下や抑うつ用行動が増加することが見られたそうです。

口呼吸が脳の発育にまで影響する事には私自身驚きました。

 

鼻呼吸の重要性について 鼻呼吸の重要性について

当院では、以前より乳幼児期の口呼吸、口腔周囲の筋肉低下、舌の筋肉低下、そのほかの悪習癖はその後の歯並びに影響することから、口腔機能発達に関する取り組みもしておりました。
具体的には乳幼児期からの問題点の指摘や提案です。

・哺乳瓶の乳首の種類

・授乳時の注意(正しい姿勢)

・食事のときの姿勢や良く噛むためのアドバイス

・歯の年齢に合わせた食べ物の形態(注:実際の月齢や年齢と歯の萌出の月齢や年齢は異なります→同じ月齢や年齢でも歯の生えそろい方はお子さんそれぞれ異なります。)

・指しゃぶりや舌突出癖などの悪習慣の早期発見と対策

・舌小帯の異常の発見
5歳くらいの小児期においては、口の周りの筋肉アップ、舌の力や舌の正しい位置づけ、口呼吸を改善するための運動トレーニングなどをしております。

鼻呼吸の重要性について

しかし、これらのトレーニングはお子さんの努力だけでは難しく、親の協力が不可欠です。
中途半端にトレーニングしても効果はありません。
しっかりとトレーニングをして、それを習慣化するまで継続しないといけません。
筋肉トレーニングはリハビリみたいなことなので、正直大変ですし、苦痛も生じます。
だからこそぜひお子さんのために親御さんはしっかりとトレーニングに付き合ってください。

またトレーニングするにあたっても目安がないとモチベーションが続きません。

当院では舌の力を測定する機械や唇の閉じる力を測定する機械もそろえています。

当院でのデーターですが、お口ポカンのお子さんで舌の力や唇を閉じる力を測定するとほぼ100%平均年齢より値が弱い傾向があります。

大人になってからではお口の筋トレしても、口呼吸の改善は相当厳しいです。子供の時期が大事なのです。


もしお子さんがテレビやスマホ、タブレットを見ている時や何気ない時にお口ポカンをしているようでしたら要注意です。

その時はぜひ当院にご相談ください。

お子さんの健やかな成長のために、一緒にサポートしていきましょう。

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