歯のコラム column
食いしばりについて
2025.02.24
健康について仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院のほんま歯科院長の本間です。
今回は、多くの人が気づかずにやっている「食いしばり」についてお話しします。
皆さん次のようなことがございませんか。
食いしばりのサイン
① お口の中を鏡で見た時に、頬の内側や舌の側面にギザギザと波打った何かで押し付けられたような圧痕がある
② 頬の筋肉を押した時に肩こりのような筋肉に痛みや張りを感じる
これらの症状がある人は、無意識に食いしばる癖があるかもしれません。

食いしばりの種類
食いしばりには大きく分けて「夜間の食いしばり」と「日中の食いしばり(TCH)」の2種類があります。
夜間の食いしばり(睡眠時ブラキシズム)
夜間の食いしばり浅い睡眠時に発生します。 起床時の朝方に痛みが強くなる傾向があります。なぜなら起きる直前は浅い睡眠だからです。しかし、睡眠の質が悪く浅い睡眠が多いと余計ひどくなります。
対策:睡眠の質を上げる
① ブルーライトのカット
●寝る1〜2時間前はスマホやPCの画面を見ない
●画面を見続けると、目の奥に残像が浮かぶことありませんか?
それが睡眠の質を下げる原因になります
② 寝る前は熱いお風呂にはいらない
●42℃以上の熱いお湯により交感神経が活発になり心拍数が上がって寝つきが悪くなります
●深い眠りにつくためには体の深部体温を下げる必要がありますが、体が温まりすぎて、寝つきが悪くなります
③ 枕を低くめにする
枕が高すぎると首が深く曲がり、気道を狭くしてしまいます。その結果、就寝時の呼吸が苦しくなり、眠りが浅くなることがあります。自分に合った高さの枕を選ぶことが重要です。
④ アロマの活用
ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果のある香りを使います。
アロマディフューザーやピロースプレーを活用し、心地よい香りの中で眠る習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
⑤ 部屋の明かりを調整する
暗めの照明にして、睡眠モードに切り替えます。
寝る前は間接照明を活用し、部屋の明かりを落とすと副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなります。真っ暗が苦手な方は、暖色系の明かりを使用すると良いでしょう。
この中で特に影響があるのがブルーライトですので、皆さん気を付けてください。

日中のくいしばり(上下歯列接触癖TCH)
通常ですと食事のときにしか上下の歯は接触しないので、1日で上下の歯が接触している時間は20分前後くらいです。それが食いしばりの癖がある人は何時間も上下の歯が接触しています。弱い力でも持続する力がかかることで噛む筋肉(主に咬筋、側頭筋)へ大きく影響し肩こりや頭痛の原因になります。
対策
日中の歯の接触癖防ぐには
① 自分が接触癖のある事に気づくことが大事です。自覚しないと治すことはできません。そして歯を合わせていたらリラックスする習慣をつくる事です。
昔は付箋紙やなにか他の目印をあっちこっちに貼って、それを見るたびに、歯を合わせていなかったかどうかを確認し、そして鼻からゆっくり息を大きく吸って(その時に両肩も持ちあげる)、口から息を一気に吐く(その時に持ち上げた両肩をストンと下げて脱力する)ことをします。
今はスマートホンのアラームを日中の活動時間帯に1時間おきに鳴らすようにして、アラーム時に歯を合わせていないか確認し、上記同様に鼻から息を吸って口から息を吐きながら肩をストンと落とします。
② なにか口の中でなめる方法(キシリトールアメ、小梅の種などの小さく硬いもの)
口の中に何か入っていると歯を合わせられなくなりますが、こちらは何か集中してやるときに短時間のみしてください。

まとめ
食いしばりは放置すると歯の摩耗や顎関節症の原因になることがあります。しかし、日常生活のちょっとした工夫で改善することが可能です。特に、睡眠の質を上げることが重要ですので、まずはブルーライトをカットする習慣をつけることから始めてみてください。そして同時に必ず日中の食いしばりに気づくことも実践してみてください。
気になる症状がある場合は、歯科医院での相談もおすすめします。自分に合った対策を見つけ、健康な歯と身体を維持しましょう。