歯のコラム column
妊婦と歯科
2024.11.12
健康について仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院のほんま歯科の歯科衛生のSです。
本日は妊娠と歯科についてお話したいと思います。
元気な赤ちゃんを迎えるためには実はお口の健康はとても重要になっています。
母子手帳をもらうと歯科検診に行くことが記載されています。
どうして大事なのか書いていきます。
妊娠したら歯科受診が必要な理由
①妊娠中はお口の中のリスクが高まる
妊娠期は、つわりなどによる生活・食習慣の変化に加え、胎盤からの女性ホルモンの影響によって、さまざまなお口の中の不調の発症リスクが高まる時期といえます。しかし体調の変化により食事や運動、旅行などさまざまな制限や我慢をしなければならないことが多くあり、お口のトラブルに気がついても赤ちゃんに悪影響が及ぶことを不安に思い歯科受診を控えてしまう妊婦さんが多いようです。
②早産や妊娠合併症のリスクと関連する
歯周病が心臓病や糖尿病、アルツハイマー病などのさまざまな全身疾患に関連することが注目されていますが、妊婦さんの歯周病が早産・低体重児出産と関連することが明らかとなってきました。また、最近では妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群などの合併症にも関連することが報告されています。
③妊婦さんのお口や全身の健康は赤ちゃんに影響する
妊娠期の『マイナス1歳』から、母親のお口の中の環境を良好に保つことが生まれてくる子どものお口や全身の健康を育むことにつながります。
◉妊娠期のお口の変化
〜歯肉炎・歯周炎〜
亢進した女性ホルモンを好む歯周病菌が爆発的に増殖し、つわりや生活習慣の変化により妊婦さんの半数以上に歯肉の発赤や腫れ、出血などを特徴とする妊娠性歯肉炎が発症します。
〜むし歯〜
つわりにより、ブラッシングができなかったり、間食回数の増加、さらに唾液緩衝能の低下などが重なり、むし歯の発症リスクが高まります。
〜知覚過敏症、酸蝕症〜
嘔吐が妊娠後期になっても解消しない場合、胃酸による酸蝕と脱水による唾液の分泌が減少が重なり、酸蝕症を生じることがあります。また、歯ぐきの根もと部分に知覚過敏を感じやすくなります。さらに、つわりにより柑橘類、清涼飲料水など酸蝕を引き起こすリスクの高い酸性食品の摂取頻度が増える場合にも注意が必要です。
〜口内炎〜
お口の清掃不良、ホルモンバランスの変化、偏食による鉄分やビタミン不足、免疫系の変化などから口内炎ができやすく、治癒が長引くことがあります。
その他、妊娠期はお口の中だけではなく、全身にもさまざまな変化が出現します。妊娠をきっかけに健康観も高まるため、生活習慣を改善できる最大のチャンスです。
仙台市の妊婦健診で、ほんま歯科を受診される患者様も増えてきました。
妊娠期における不安と負担を軽くできるように、無理なく治療ができるようサポートをしていきたいと思います。
次回の私のブログの回でまた妊婦さんのためのアドバイスをお話しさせいただければと思います。