歯のコラム column
お口の中の病気は遺伝するの?
2022.08.23
未指定こんにちは。歯科衛生士のSです。
梅雨入りから猛暑が続き、体力と共に気力が弱まってきていますが、みなさま体調はいかがでしょうか?
今回は、患者様とのコミュニケーションの時間の中でご質問をいただいたので、それについてお話しをしていきたいと思います。
「最近生まれた孫の歯にムシ歯を作らせたくないのですが、ムシ歯と歯周病は遺伝しますか?」
毎日、丁寧に歯磨きをしていても歯周病になる人、口の中のケアに意識がなく歯磨きを怠っていても歯周病になりにくい人。これは日本人のおよそ30%が、歯周病を進行させやすい特定の遺伝子を持っている事に関連しているといわれています。つまり、歯周組織の抵抗力や免疫力は遺伝することがわかっています。
歯周病は30歳前後から、初期の歯肉炎は子供でも発症する可能性は充分にあります。
例えば、家族や親しい間柄の人が重度の歯周病だったとすると、その口の中で繁殖している歯周病の原因菌が、 他の人や子供の口の中へ移動してしまうのです。
どのように感染しますか?
1.唇が触れ合う
2.同じ食器を使って食事をする
3.使用した歯ブラシ同士が接触する
4.飲み物を回し飲みする
こうした行為によって、親が持っている歯周病の原因菌が、無菌状態で生まれてくる赤ちゃんにも感染させてしまうといわれています。
”親子で歯周病を予防するために”
歯周病の親から子への感染を防ぐには一緒に予防することが大切です。
また親子に限らず兄弟姉妹など家族全員で行うことをおすすめします。
“歯周病はどうやって発症するの?“
疲労や精神的なストレスが溜まると、身体の免疫力が低下するため細菌に感染しやすくなります。
歯周病の原因菌に感染してしまうことが発症の要因となります。
”喫煙のリスクについて”
たばこには約200種類もの有害物資が含まれています。
ニコチン…血管収縮作用があるため、歯ぐきに炎症があっても出血等の症状が出にくく進行していることに気づきにくくなります。
タール…歯に沈着すると歯が黒褐色になり見た目が悪くなるだけではなく発ガン性があります。
一酸化炭素…身体の免疫を担当する細胞の低下により、重症化しやすくなります。
禁煙すれば、個人差はありますが免疫力を回復させ、歯周病治療をすることによってお口の中が健康な状態に回復していき、歯と歯ぐきの色素沈着が少しずつ改善されてきます。
歯周病を悪化させないためにも禁煙することをおすすめしています。
当院でも、禁煙外来のある病院に根気強く通院しながら克服され、お口の中の健康を維持されている患者様もいらっしゃいます。
”口呼吸とのかかわりについて”
口呼吸も歯周病を悪化させると言われています。
”口呼吸の原因について”
・柔らかいものを好む食事を続けていると、噛む回数が減ってしまうために口の周りの筋肉が発達しなくなります。
・直接会話する回数よりも、利便性によりメールなどで意志を伝えられる手段が多くなっている。
・花粉症やアレルギー性鼻炎などの増加
・急激な温度変化
・激しい運動
・就寝中のいびき
・携帯ゲームやスマートフォンの操作に集中している時
・老齢期に口が渇く症状がでてきたりドライマウス飲み込む筋力の低下により鼻呼吸がつらくなり口が開きやすくなる
“最後に”
当院では、さまざまな角度からお子様から大人の方のお口の中の健康回復や維持に努めてまいります。
お口の中についてお話ししてくださる時間をとても大切にしていますので、来院された際はお気軽にお問い合わせくださいね。