歯のコラム column
口の老化を防ぐためにはどうすれば良いの?
2025.11.20
健康について口の老化を防ぐトレーニング~噛む・話す・飲み込む力を守るには~
こんにちは。仙台市若林区新寺の予防管理型歯科医院「ほんま歯科」の歯科衛生士、Yです。
今回は、年齢を重ねる中で気づかないうちに進んでしまう“お口の老化”=「オーラルフレイル」についてお話します。「最近、うまく噛めなくなった気がする」「お茶を飲んだとき、よくむせるようになった」「言葉がはっきり出ないことがある」――
こんな変化を感じたことはありませんか?実はそれ、お口の筋肉や機能が少しずつ弱ってきているサインかもしれません。
オーラルフレイルとは?
「フレイル」という言葉をご存知でしょうか?これは、加齢によって心や体の働きがゆっくりと弱っていく状態を指します。
その中でも「オーラルフレイル」は、お口まわりの筋肉や機能が衰えてくることを意味します。具体的には、次のような変化が現れやすくなります。
· 食べ物が噛みにくい、飲み込みづらい
· 飲み物でむせることが増えた
· 会話中に言葉がうまく出ない、聞き取りづらくなる
· 食事の時間が長くなった
· 食べる量が減ってきた
これらはどれも、年齢とともに現れやすいものですが、「年のせいだから仕方ない」と思って放置してしまうと、口だけでなく全身の健康に影響を及ぼすことがあります。
なぜなら、口は食べる・話すという「生きるための基本動作」を担う器官だからです。
オーラルフレイルが進むと、食事量の減少や栄養不足につながり、結果として筋力の低下、体力の衰え、さらには認知症のリスクが高まるとも言われています。
オーラルフレイルは予防・改善できます!
でも、ご安心ください。
オーラルフレイルは、早めに気づいて適切にケアすれば、予防・改善が可能です。
何より大切なのは、「小さな変化を見逃さないこと」と「口の筋肉を意識して使うこと」です。
以下にご紹介するトレーニングは、どれも自宅で簡単にできるものばかりです。
毎日の習慣として、ぜひ取り入れてみてください。
おうちでできる!口の機能を高める3つのトレーニング
● パタカラ体操
「パ・タ・カ・ラ」という4つの音を、はっきりと声に出して繰り返す体操です。
それぞれの音は、口の中の異なる筋肉を刺激します:
· パ:唇の動き
· タ:舌先の動き
· カ:舌の奥と喉の動き
· ラ:舌の柔軟性
これを1日2〜3回、1セット10回程度行うことで、噛む力・飲み込む力・話す力をまんべんなく鍛えることができます。
● 舌の運動
舌を出したり、上下左右に動かすことで、口の中の筋肉を鍛えます。
鏡の前で舌をしっかり動かしてみましょう。
· 前に出す → 引っ込める
· 上にあげる → 下に下げる
· 右に動かす → 左に動かす
これをゆっくり10回ずつ繰り返すだけで、飲み込む力(嚥下機能)や発音の明瞭さがアップします。
● 頬のストレッチ
頬の筋肉も、食べる・話すといった動作に重要です。
次のような動きを意識してみてください:
· 頬を大きくふくらませる → へこませる
· 口角を上げて笑顔をつくる
· 頬の内側に舌を押し当てて動かす
表情筋のトレーニングにもなり、見た目の若々しさにもつながります!
● あいうべ体操
あ、い、う、べ(べの時は舌を思いっきり前に出す)を一つ一つ丁寧にできるだけ大きい動作で1日30回(かなりきついですが・・・)をすることで、口の周りの筋肉と舌の筋肉を鍛えことができます。
歯や入れ歯のチェックも忘れずに
お口の機能を保つには、筋肉のトレーニングだけでなく、「しっかり噛める状態を整えておく」ことも重要です。
たとえば、歯がグラついている、入れ歯が合わないといった状態では、自然と噛む力が落ちてしまい、口の筋肉を使わなくなってしまいます。
定期的な歯科検診で、歯や歯ぐき、入れ歯の状態をチェックし、お口の健康を維持しましょう。
ほんま歯科では…
仙台市でも高齢化が進む中で、「最近うまく食べられない」「むせることが増えた」といったご相談が増えてきました。
ほんま歯科では、予防管理型歯科医院として、患者さま一人ひとりの口腔状態を丁寧に診断し、治療いたします。
不安を感じたとき、「相談だけ」でも大歓迎です。
ご家族の方が気づいた変化でも、どうぞお気軽にご連絡ください。
お口の健康は、心と体の元気の源
「噛む・飲み込む・話す」ことは、人生の楽しみそのものです。
美味しい食事を味わい、楽しい会話を続けていくためにも、お口のケアは全身の健康づくりの第一歩です。
気になる変化に気づいたら、それはケアを始めるタイミング。
無理なくできることから、今日から始めてみませんか?
食べる楽しみを、話す喜びを、いつまでも。
オーラルフレイルを防いで、健やかな毎日を送りましょう。
【歯科衛生士監修】