歯のコラム column

歯並びの良い子に育てよう

こんにちは、仙台市若林区のほんま歯科の衛生士Kです。
今日は"癖"について一緒に考えてみましょう。思わぬ癖が、お子さんの顔や歯列の発育をゆがめることがあります。

チェック: 指しゃぶり、おしゃぶり
指しゃぶり、おしゃぶりは歯並びに悪影響を与えるので、やめさせなければいけないと考える親御さんも多いと思います。ただ、赤ちゃんは母親の胎内で指しゃぶりをしていることもあるのが知られており、1〜2歳までの指しゃぶりは、離乳のための準備で自然な行動です。この期間には心配する必要はありません。
しかし、乳歯が生え揃う2歳半くらいにはやめるようにしたいですね。指しゃぶりを続けていると、舌や口唇を歯と歯の間に挿入する癖につながり、出っ歯や開咬(奥歯は咬んでいるが、上下の前歯が当たらなく隙間があいた状態、この状態だと麺類を前歯で噛み切れない)になってしまいます。重篤になると、外科的矯正治療(手術併用の大がかりな矯正治療)が必要となってしまう場合もありますので、注意が必要です。
しかし、急にやめさせるのは難しいことを理解し、子どもの気持ちに寄り添い工夫をしながら、焦らずゆっくりアプローチすることも大切です。不安やストレスが溜まると余計に起こりやすい行動なので、寝付くまで手を握ってあげたり、指を吸わなかった日はカレンダーにご褒美シールを貼っていっぱい褒めてあげるのもいいでしょう。無意識に口に手がいってしまう子には、「悪いのはあなたじゃなく、勝手に入ってくる指が悪いよねー」と話し、爪に塗る苦い薬が効果的です。子どもの気持ち的にも楽になるでしょう。
指しゃぶりをやめる絵本を見て、ピタリとやめられた子もいました。
どうしてもやめることが難しく、結果的に歯並びが悪くなってしまっても、「やれることはやった、気をつけたからこの程度で済んだのだ、矯正すればいいよね」と明るくやり過ごす心のゆとりをもつことも必要でしょう。親子関係が暗くなるぐらいなら、矯正を選んだ方が良い場合もあるかもしれません。子育てを楽しく!を忘れないことが大切です。
長時間のおしゃぶりも開口の原因となります。公共の場で周囲に迷惑をかけたくないときにだけ使う。時間を見ながら賢く使うと良いでしょう。

歯並びの良い子に育てよう

チェック: 寝方
毎晩同じ方向を向いて寝ていませんか?寝方が歯並びに影響を与えることもあるのですよ。
たとえば、お母さんが左側に寝るので、子どもはいつも左側を向いて寝ていると、頭の重みが顔の左側にかかり続けるので顔の左半分が小さくなってしまうのです。顔の小さい側は歯列の幅も小さくなってしまいます。
また、うつぶせ寝も大きな問題を起こすことがあります。顔のゆがみです。うつぶせ寝のこどもは、いつも同じ側を下にして寝ているのがほとんどで、下顎がずれ、顔および歯列がゆがんで非対称となります。
扁桃腺が大きい場合、気道(息が通る道)が狭くなっているため、仰向けになると舌が喉の方に落ちて気道をふさいでしまうので、どうしても横向きやうつぶせで寝ざるをえなくなります。扁桃腺肥大が著しい場合は、しっかりとした睡眠を確保するためにも、摘出した方が良い場合もあります。耳鼻科の先生に相談してみましょう。
顔の非対称は思春期成長期に急激に悪化します。高校生になってから撮った写真で、顔のゆがみに初めて気がつくということがありますが、幼い頃の写真をよく見ると、「子どもの頃から少しゆがんでいた」ことに気づくことが多いです。身長が伸びる思春期成長期に、下顎の骨も伸びるので、顔の非対称が強調されるのです。
成人してから顔や歯列の非対称を治そうとすると、外科的矯正治療が必要となることがほとんどです。ささいな癖が原因で、大きな手術をしなければならなくなることほど愚かなことはありません。お子さんの非対称に気づいていないお母さん方も多いのですが、まずは、お子さんの顔を正面からしっかり見て、顔の非対称がないかどうかをチェックし、寝方に癖がないか観察してみましょう。
まだ癖のチェックは続きます。
次回は頬杖、爪かみについてお話ししたいと思います。

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