歯のコラム column
歯ぎしりは現代病?
2022.08.29
未指定こんにちは。仙台市若林区のほんま歯科院長の本間です。
最近当院に来院される患者さんのお口の中を見ていると、歯ぎしりをしているなぁと感じることが実に多いです。
歯ぎしりは呼吸中枢と同じく脳のずっと上の方でコントロールされているともいわれております。 (呼吸は自分で止めることもできれば、意識しなくても生命活動のためにしています。)
歯ぎしりも同じで、意識して歯ぎしりすることもできれば、無意識で歯ぎしりをすることもあるのです。
この無意識の歯ぎしりが実は大きな問題なのです!
無意識で起こる歯ぎしりの閉じる力は意識して閉じる力のなんと2倍以上の力があります。
おおよそ、大人の男性で50kg以上のかむ力があるのですが、その2倍となれば100kg以上の力が歯や筋肉、顎の関節に影響しているのです。想像してください。100kgの鉄の玉を手元から床に落とした時の衝撃を!!!恐ろしいですよね!
(ちなみに余談ですが、私が25年前にかむ力を測定した時は58kgだった記憶があります。)
そして無意識の歯ぎしりには種類が3つほどあります
クレンチング
1つ目は音もなくグッと噛み締める“クレンチング”
これはよく「私は夜寝ているときは歯ぎしりしているって言われたことはありません」とおっしゃる方に多いものです。下の顎の骨に負荷が持続的に加わるので下顎と筋肉が太くなり、いわゆるエラを張った四角い顔になりがちです。
グライディング
2つ目は、顎を前後左右に動かす“グライディング”です。
かなり凄い音が出ることもあり、隣に寝ている人が「歯が割れるのではないか」と心配になる歯ぎしりです。
実際に歯の表面には細かいヒビが入り、それが結合すると大きなヒビになって歯が削れてしまいます。歯の根元付近が染みるか、根本が楔状(けつじょう)に削れている人は歯ぎしりによる影響かもしれませんので注意して鏡で見てください。
タッピング
3つ目は“タッピング”といわれるものです。
これは、カチカチカチと歯を鳴らす歯ぎしりです。
また、無意識の歯ぎしりは起きている時と寝ている時の両方で起きています。
起きているときに多いのが、上下の歯をぎゅっと噛み締めるクレンチングです。
人は元来、食事や唾を飲み込むとき以外で、上下の歯を合わせることがほとんどなかったのですが、現代人においてはいつの間にかギュウッと歯を合わせてしまう行為が多くみられるようになりました。 これは体を動かす仕事ではなく、デスクワークの方に実は多く見られます。以外と思われるかもしれませんが、パソコンや細かい作業をして集中しているといつの間にか歯を合わせているのです。皆さんも気を付けてください。
次に寝ている時の歯ぎしりですが
寝ているときの歯ぎしりは浅い眠りの周期の時に起きています。
人の睡眠には浅い眠りと深い眠りがあります。
睡眠時の歯ぎしりを減らす方法は、ずばり「浅い睡眠を少なくして熟睡時間を長くする」です!
ちなみに夢を見ている時間帯は浅い眠りの時なので、夢をしょっちゅう見る人はたくさん歯ぎしりしているかもしれませんので要注意です!
最後に歯ぎしりの影響にはどんなものがあるか書きます
1.歯が染みる
2.歯が割れる、かける、おれる
3.歯がすり減る、短くなる
4.口が大きく開かなくなる
5.ものを噛むと歯が痛い
6.ものを噛むと顎が痛い
7.ものを噛むと筋肉が痛い
8.虫歯になりやすい
(歯にひびが入ってそこに虫歯菌が入るためです)
9.銀歯など歯医者さんでいれたものが取れやすい
10.歯の神経が炎症おこす
11.虫歯治療で用いた白い詰め物が取れやすい
12.顎関節症になりやすい
13.頭痛(他にも原因があるので精査が必要です)
14.肩こり(他にも原因があるので精査が必要です)
実はこんなにあるんです!!
今日は歯ぎしりの種類とその影響について書きました。
次回の私のブログではその対策について書きますのでぜひ次回も読んでください!