歯のコラム column

子どもの口腔機能発達不全症

2023.03.12

未指定
子どもの口腔機能発達不全症

こんにちは。歯科衛生士のnです。

今回は子どもの口腔機能発達不全症についてのお話しをしていきます。

 

お子さん、こんなことで困っていませんか?

いつも口がぽかんと開いている
指しゃぶりをしている
発音がはっきりとしない
食べるのが遅い
噛まずに丸のみしている
食べる時クチャクチャ音がする​​

これらは、口腔機能発達不全症である可能性があります。口腔機能発達不全症とは、「食べる機能」「話す機能」  その他の機能が正常に獲得できていない状態のことをいいます。

この口腔機能発達不全症は、現代の15歳未満の子どもに多くみられ、子どもの頃から口の機能が正しく発達できないと、噛み合わせや歯並びが悪くなることがあります。

また、口腔機能発達不全症により負の連鎖が起こります。

~口腔習癖からの負の連鎖~

子どもの口腔機能発達不全症 子どもの口腔機能発達不全症

指しゃぶりが癖になると、指が障害物になり、前歯の歯並びが噛み合わずに不正咬合(開咬)になることがあります。また、その開咬によって、口呼吸になることもあります。

常に口呼吸をしていると、慢性的な口腔乾燥を引き起こし、むし歯や歯周病になるリスクが高まります。

 

口呼吸があると、気道確保をするために下の前歯のうしろに舌を押し付ける傾向がみられます。

本来口を閉じたときに舌は上あごにぴったりとくっついていますが、これが下の前歯の裏側にくっついていると低位舌と呼ばれる状態になります。

子どもの口腔機能発達不全症

低位舌があると・・・

・発音&滑舌が悪い
・クチャクチャ音を立てて食べる
・口が乾燥気味
・いびきをよくかく
などの状態を引き起こします。

このように、口腔習癖があると、次々とほかの病態を生み出していきます。

それらを減らしていく、無くすためにも正しい咀嚼、嚥下、呼吸を習得し、口腔機能の発達を促すことが目標になってきます。

~口腔習癖をなくしていくために~

子どもの口腔機能発達不全症

口腔習癖をつづけていくと、口腔機能発達の障害になり、歯並びや噛み合わせに影響していきます。

しゃぶりがみられる場合は、しないよう、まずは声かけからはじめましょう。

お口を閉じた時、舌の先端は上についていますか?
舌の正しい位置は「スポット」と呼ばれ上の前歯の裏側になります。

「下の前歯の裏側にある」「上下の前歯の裏側にある」   

こういった方は誤った舌の位置になりますので、お口を閉じた時は、 舌の先端の位置は上の前歯の裏側につくように意識していきましょう。

また、口の周りの筋肉のトレーニングをすることで、舌や口唇の筋力アップにつながります。

いうべ体操は舌の筋力の向上や鼻呼吸の習得につながり、幼児から高齢者まで手軽に取り組めますので、あいうべ体操も取り組んでいきましょう。

大きく「あ・い・う」の発音、「べー」と舌を出すことで、口輪筋などの口の周りの筋肉や舌の筋肉が強化されます。

 

いかかでしたか?

口腔機能の発達を早期からサポートすることは、子どもの歯並び・噛み合わせの健全な育成につながってきます。


今回は子どもの口腔機能発達不全症についてのお話でした。

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